音楽室に飾られている肖像画の中で、「眼鏡をかけている作曲家は?」と聞かれると、「シューベルト!」と、ほとんどの人が答えるだろう。
そのぐらい有名であり、シューベルトの曲は知らなくても彼の肖像画は、一度は見たことがあると思う。眼鏡がよく似合う端正な顔立ち。「歌曲の王」と呼ばれていて、ベートーベンからも「彼の音楽にはまさに神々しいほどのひらめきが宿っている」と賞賛されたほどの天才作曲家である。
だが、その当時のニックネームは、なんとも可愛らしい「きのこちゃん」だったというのだ。
このニックネームを聞いただけで、かなり親近感が湧くのは筆者だけではないだろう。早速、シューベルトのニックネームについての雑学を掘り下げていこう!
【歴史雑学】シューベルトのニックネームは「きのこちゃん」?
【雑学解説】シューベルトのニックネームは、正確には「マッシュルームちゃん」
シューベルトのことを調べていくと、音楽室にある肖像画と、実際のシューベルトとは少しイメージが違ってくる。太くて短い首に、小さな手足。額が広く丸く突き出ていている。
書いていると悲しくなってくるほど、外見はマイナス面が多い。つまりは、“ずんぐりむっくり”なのだ。
きのこといっても、種類は様々ある。しめじにエリンギ・エノキにまいたけ。彼のニックネームになったきのこの種類は、マッシュルーム。
なので、正確にいえば「マッシュルームちゃん」なのだ。
【追加雑学①】他にも様々なニックネームが!
その他にも、様々なニックネームがあったようである。
彼の外見から、「マッシュルーム」や「太っちょ」と呼ばれることが多かったようだが、その他には「スポンジ」や「ブヨブヨのパン生地のかたまり」などといわれていたようだ。
これは、彼の髪の毛が茶色でくせ毛だったことと、何日もお風呂に入らなくても平気だったので、いつも身なりが汚らしかったことからつけられたようだ。
それにしても酷いいわれようである。
これが現代の日本社会なら、「いじめに繋がるニックネームを天才作曲家に付けたのは誰か!」という見出しで、大問題になっていたかもしれない。
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【追加雑学②】それでも人気があった理由
様々なニックネームがつけられたシューベルトだが、当の本人は、別段気にしていなかったようだ。それは、そのニックネームに「いじめ」ではなく「愛」を感じていたからであろう。
実際に、彼を応援する友だちは大勢いた。天才的な音楽の才能に魅了されていたのはもちろんだが、とても楽観的で陽気、そして優しくて親切なところも人気を集めた理由であろう。
特に付き合いが深い友だちは、彼に部屋を貸したり、食事を用意したり、コンサートやオペラのチケットをタダであげたりするなど、まるで彼のパトロン(経済的な援助をする人や後ろ盾になる人のこと)のような役割をしていたようである。
彼らは、天才的なこの芸術家のかなり変わった外見や性格、私生活も含めて気に入っていたのであろう。
雑学まとめ
少し笑ってしまうような可愛らしいニックネームから、シューベルトの奥深くて人なつこい性格がかいまみれる雑学だったのではないだろうか。
シューベルトのことを「マッシュルームちゃん」と呼んでいる友だちは、彼が新しく作った曲を聴くたびに、身動きひとつせずに聴き入っていたのだ。
この才能あふれるシューベルトのことを、ニックネームで呼ぶことで、それほど仲が良いことを自負していたのではないだろうか。
さらには、あまりにも才能が秀でていて雲の上のような存在のシューベルトを、ニックネームで呼ぶことで、親近感を湧かせ、安心していたようにも思える。
今も昔も、ニックネームがたくさんあるほうが、愛らしく人気者が多いということであろう。
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