「蛇に睨まれた蛙」ということわざがあるように、ヘビはカエルの天敵として知られている。基本的にヘビがカエルを食べてしまうことは間違いない。
しかし、カエルがヘビを恐れているというのは人間の勝手な勘違いらしい。ヘビに襲われたカエルは動けないわけではない。威嚇することもあれば、食べられそうになったカエルが驚きの行動を取ることもある。
ときには、カエルがヘビを食べてしまうこともあるのだ。今回は、「蛇に睨まれた蛙」の雑学をご紹介しよう。
【動物雑学】カエルは実はかなり強くて凶暴かも。
【雑学解説】カエルはヘビに睨まれて動けないのではなく、動かないだけ
蛇に睨まれた蛙ということわざがある。これは、恐ろしくて動けないという意味であり、ヘビが近づくとカエルが動けないというのは昔からの常識である。
手塚治虫の漫画「三つ目が通る」では、ヘビはオーラを出してカエルの動きを封じると解説されている。
しかし、専門家によるとカエルがヘビを恐れて動けなくなるというのは、全くの勘違いだという。カエルは簡単には動かない生物なので、ヘビを見ても逃げないだけだというのだ。
実際、ヘビが近付くとヒキガエルは身を起こして威嚇する映像がテレビで放送されたことがある。下の動画では、イエアメガエルがヘビの死体を食べようとする様子を撮影されている。
ヘビの方が体が大きいから強そうにみえるだけであり、カエルは意外とヘビを恐れていないようだ。先ほどの動画では死体とはいえ、イエアメガエルは自分より大きなヘビを食べようとしているのだ。
これらは特殊なカエルのように思えるが、ヘビに飲まれそうになったアマガエルが、逆にヘビの口に噛みついている瞬間が撮影されたこともある。
ヘビの方が大きいためカエルが獲物になってしまうことが多いが、カエルは動くものならなんでも食べようとする生物であり、ヘビを獲物と見なしているという話も存在する。また、ヘビの方が丸飲みにされることもあるというのだ。
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【追加雑学①】狂暴なカエルはかなり恐ろしい
実際にカエルがヘビを丸飲みにしている写真が撮影されたことがある。カエルも種類によって性格はさまざまだが、非常に凶暴なカエルも存在する。なんでも獲物と見なす生物なだけに、狂暴なカエルはかなり恐ろしい存在である。
ベルツノガエルはペットとして飼われることも多く、カエル好きな人からは可愛いといわれることも多い。下の動画はベルツノガエルを撮影したものだ。
ベルツノガエルはかなり凶暴なカエルとして知られている。体長は大きくても13cmであり、際立って大きなカエルではないが、ときには人間の手も獲物と見なすことがある。
飼い主が噛みつかれて血まみれになったという話もあり、気をつけないとかなり危険である。野生のベルツノガエルの胃の内容物からは、ヘビや鳥・ネズミなどが見つかるという。
ウシガエルは、凶暴で非常に食欲旺盛なカエルとして知られているが、鋭い歯をもっているため、噛まれると人間でも出血するという。
ウシガエルはかなり大型のカエルだが、ヤマカガシやマムシといったヘビを捕食する姿がテレビで放送されたこともあるのだ。
また、世界有数の厄介な外来種であり、世界の侵略的外来種ワースト100の1つとしても登録されている。なんでも食べてしまい、ものすごい速さで繁殖するため、ウシガエルが深刻な問題になっている国は少なくない。
ウシガエルは日本にも多数生息しているが、うかつに触ろうとすると怪我をする可能性もあるので要注意だ。
【追加雑学②】世界最大のカエルは人間の赤ん坊並みの大きさ
ウシガエルは、大きなものでは体長20cmを超えるかなり大型のカエルだ。しかし、世界最大のカエルは段違いに大きい。
アフリカの熱帯雨林に生息しているゴライアスガエルは、大きなものは体長40cm近くに成長する。足を伸ばすと長さは80cmにもなり、体重は3キロを超えるという。
これは人間の赤ん坊並みのサイズである。名前の由来は、旧約聖書に登場する巨人ゴリアテだという。これだけ大きいとかなり怖いが性格はおとなしい。そのため、人間に噛みつくことはほとんどない。
しかし、カエルは動くものはなんでも食べようとするため、ヘビやネズミを普通に食べてしまうという。ただし、現地の人間にとってゴライアスガエルは食料である。
テレビの映像では、人間に掴まれてもほとんど抵抗していなかった。もし、この大きさで性格が狂暴だったらかなり大変なことになりそうだ。
また、恐竜が生息した白亜紀には、ベールゼブフォ・アムピンガと呼ばれる巨大なカエルが存在した。大きさは40cmを超えており、噛む力はオオカミよりも強かったと推定されている。
小さいせいで怖いイメージのないカエルだが、大型のカエルがそこら中にいたらイメージは全く変わりそうだ。
雑学まとめ
ことわざ「蛇に睨まれた蛙」に関する雑学をご紹介した。カエルはヘビに食べられる存在というイメージがあるが、少なくとも無抵抗ではない。
ヘビに対抗できるサイズのカエルなら、逆に丸飲みにしてしまうことも珍しくないのだ。ヘビがカエルを食べるイメージが強いのは、ヘビに対抗できる大きさのカエルが少ないだけなのである。
もし、カエルの方がヘビよりも大きかったら、「蛙に睨まれた蛇」ということわざができていたのかもしれない。
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