金魚は500年以上前に日本に伝来した観賞魚で、長いあいだ日本人に愛されてきた。原産国は中国だが、世界中に広まり、英語では「Goldfish」の名前で親しまれている。
金魚は観賞魚として品種改良され、生命力が弱いために野生の世界では生きていけないといわれることがある。一方、海外では野生化した金魚が大量に繁殖して問題になっているという話も存在する。一体どちらが本当なのだろうか?
「金魚は野生にはいない」という話の真相を、雑学としてご紹介しよう。
【動物雑学】金魚は野生にはいない
【雑学解説】金魚は野生の世界では生きていけない?
金魚は中国のフナが赤い色になったヒブナをもとに、品種改良したペット用の魚だ。和金・琉金・出目金・ランチュウなどの種類が存在し、観賞用として愛されている。
金魚は突然変異を起こしやすいため、非常に多くの種類が作り出されたのだ。金魚は逃げ出したり放流されたりしたものなどが、まれに川などで目撃されることがある。
しかし、野生の金魚が日本で繁殖したという話題を聞くことはない。品種改良された金魚は野生の世界で生きていくのは難しいと考えられており、ほとんど死んでしまうという意見が多い。
和金などはほとんどフナと変わらないため、野生の世界に適応するのは難しくない。しかし、ランチュウや出目金などは野生の世界では生きられないといわれている。
また、野生化した金魚がいたとしても、フナに戻ってしまうと考えられているのだ。
おすすめ記事
-
似てると思ったら!金魚の先祖は"突然変異のフナ"なんです【動画あり】
続きを見る
金魚は野生化するとフナに戻る?
実は金魚は簡単にフナになってしまうことが分かっている。金魚を飼っている水槽の中にフナを入れると、金魚と同じ赤い色になってしまうことがある。下の動画は、金魚と同じ色に変化したフナを撮影している。
反対にフナを飼っている水槽の中に金魚をいれると、フナと同じ色になってしまうことが多い。金魚は、環境次第で簡単に体の色が変わるのだ。野生化した金魚は、フナと同じ色に変化する可能性が高いといわれている。
品種改良されて体型が変わった金魚が生き残ったとしても、世代を重ねるうちにフナに戻っていくと考えられているのだ。しかし、例外も存在する。
スポンサーリンク
【追加雑学①】海外では野生化した金魚で溢れた川がある
日本では金魚は生命力の弱い魚と考える人が多いが、実は金魚は非常に生命力の強い魚だ。日本では野生化した赤い金魚を見ることはまずないが、海外では金魚が大量繁殖して問題になっていることがある。
オーストラリアにあるバス川は、野生化した金魚に征服されているという。川の中では、40cm以上の金魚も当たり前のように泳いでいる。赤い色の巨大な金魚が川を埋め尽くしているのだ。
上の動画では巨大に成長した金魚が撮影されている。また、色はフナになっても、体型が金魚のまま数十センチに成長したものも捕獲されている。
野生化した金魚は、餌になる魚やオタマジャクシなどを食い尽くしてしまうことがある。増えすぎた金魚の排泄物も水を汚してしまうため、生態系に与える問題は深刻である。
そのため、侵略的外来種として北米やヨーロッパでは恐れられているという。ちなみに金魚と近縁なコイは、世界の侵略的外来種ワースト100とされている。
コイに近い種類なので当然なのかもしれないが、金魚は世界で最も厄介な外来種と考えている専門家までいるのだ。
日本で金魚が野生化した話はほとんど聞かないので、死んでしまうと考えるよりも、フナに戻ってしまうと考えた方が良いのかもしれない。それとも、日本で金魚が増えすぎて問題にならないのは、運がいいだけなのだろうか!?
【追加雑学➁】金魚の名産地では逃げ出した金魚が側溝を泳いでいる
金魚の名産地として知られる奈良県の大和郡山市は、非常に多くの金魚が養殖されている。人間よりも金魚の数のほうが多そうだという意見が出るほど、大量の金魚を見ることができる土地だ。
ここでは、道路わきの側溝を金魚が泳いでいるという噂がある。信じられないような話だが、下の動画は側溝を泳ぐ金魚の様子を撮影したものだ。
金魚はこの土地の池では、大量に養殖されている。雨で池が増水してしまうと、金魚は側溝に逃げ出してしまうのだ。大和郡山市の側溝では、常に逃げ出した金魚を見かけることになるという。
速い泳ぎの金魚は近所に住む人に可愛がられたりと、のどかな光景が見られることもある。逃げ出した金魚を捕まえても、法的には捕った人のものになるという。
そのため、金魚を捕まえて飼う人も結構いるようだ。少なくとも、金魚の名産地には野生化した金魚が泳いでいるが、海外のように問題にはなっていない。
雑学まとめ
金魚は野生化しないのか、という雑学についてご紹介した。日本では、野生化した金魚を見かけることはほとんどない。しかし、海外では金魚が異常繁殖して問題になっている。
野生化した金魚はフナのような色になってしまうことも多いが、金魚の色のまま大量発生している例も海外では珍しくないようだ。
金魚が野生には存在しないとは、とてもいえないだろう。まして、生命力の強さを考えると金魚は死んでしまうわけではなく、フナ化して目立たなくなった可能性が高そうだ。
おすすめ記事
-
鱗が光った?黄金と同じ価値?金魚の名前の由来、知ってます?
続きを見る