日本の国歌は「君が代」である。あまりに当たり前なことではあるが、みなさんは他の国の国歌について考えたことがあるだろうか。
もちろんほかの国にもそれぞれ国歌があるのだが、あまりにも長い国歌をもつ国が存在するのだ。
今回はその長い国歌についての雑学を調べてみることにした。
【面白い雑学】ギリシャの国歌は世界一長く、158番まである
【雑学解説】ギリシャの国歌はフル演奏すると55分もかかる
ギリシャ共和国は南ヨーロッパにある国で、首都は「アテネ」。オリンピックの聖地で、かなり古い歴史をもつ国である。「パルテノン神殿」など、有名な観光地も多くある場所だ。
そのギリシャの国歌は158番まで存在する。世界一長い国歌だ。いろいろと話を進める前に、まずは聞いていただきたい。
いかがだっただろうか。
それもそのはず、実は短いバージョンなのである。実際はなんと158番まで続くのだ。時間にして約55分。
フルバージョンをオリンピックの開会式で流された日には、選手も観客もぐったりしてしまう(決して曲をけなしているわけではない)。
リラックスした気持ちでBGMにするのならば素敵な音楽なのだ。壮大な雰囲気で、ラグジュアリーな椅子に座って聞いたら最高だろう。
昔放送されていた「結婚できない男」で、阿部寛演じる主人公が革の椅子に座って、一人静かにクラシックを楽しむシーンがあった。さながらそのシーンのように楽しみたくなる曲である。
どうして突然阿部寛が出てきたかというと、ギリシャ=古代ローマ=テルマエロマエ=阿部寛といった図式が私の脳内を現在支配しているためである。
話を戻すが、オリンピックやその他のスポーツ大会で55分かけてフルを流せば、試合に影響してしまう。聞く方も大変だが、歌う方も大変だ。
【追加雑学①】ギリシャの国歌で歌うのはたいてい2番まで
というわけで、あまりに長すぎるために実際使われるのは、冒頭に聞いていただいた短いバージョンが基本である。
2番までしか歌わないのだったら、なにも158番まで作らなければよかったのにと感じるが、ディオニシオス・ソロモスが書いた歴史的な事件・民族の英雄・神話などを語り伝える詩、叙事詩(じょじし)が国歌のもとになっている。
ディオニシオス・ソロモスはギリシャの詩人で、1823年に叙事詩「自由への賛歌」を書いた。国歌として使われることになったのは1865年である。
当時は158番まで歌える方もいたであろう。
しかし、果たして現在のギリシャ人でフルで歌うことができる人はいるのだろうか。日本であれば確実に「国歌!全部歌えますか!?」的な番組が作られること間違いなしである。
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【追加雑学②】長い国歌はほかの国にもある
ところで、実はギリシャの国歌だけが長いわけではない。ほかにも長い国歌をもつ国があるのだ。
ブラジル
ブラジルの国歌は1番だけでも2分を要する曲で、長いだけではなく難しいと評判だそうだ。
実際のスポーツ選手もちゃんと歌うことができず、「これはまずい!」と考えたブラジルは、テレビに歌詞を表示するなど、国歌を知ってもらおうキャンペーンをしているとのこと。
ウルグアイ
国歌が長いことで有名だ。時間にして4分30秒ほど。
ギリシャの55分に比べればかなり短いが、サッカーの試合の前に聞くとなると「…え? いつ終わるの…?」とざわつくのは間違いない。ぜひ聞いてみてほしい。
【追加雑学③】日本の国歌「君が代」が世界一短い
世界一長い国歌をもつ国がわかれば、逆に短い国はどこなんだと気になるのが人間の性である。なのでこちらも調べてみた。
すると、なんと世界一短い国歌は「君が代」。日本の国歌は約1分ほどの曲である。
ヨルダンもとても短い国歌をもった国だ。こちらは演奏時間は30秒。というと「ヨルダンの方が短いじゃん」と思われるが、テンポと文字数を考慮して考えると、日本の君が代が世界一短いという結果になるようだ。
雑学まとめ
いかがだっただろうか。今回は世界一長い国歌についての雑学をご紹介した。
せっかくなので158番まで歌われている動画がないのか調べてみたが見つけることはできなかった。長すぎて歌う気にならないのか、やはり全部歌える人がいないのか…。
ギリシャ国歌に限らず、調べていくと、どの国もいろいろな特徴や面白いポイントを探ることができる。ぜひ時間があったら世界の国歌を調べてみてほしい。
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