1年で最初に見た夢で、その年の行く末を占う初夢。正月に縁起のいい夢を見ればその年を幸せに過ごせるというジンクスは、誰しもが知るところだ。
しかし…そんな初夢のタイミングに関しては、曖昧な人が多いのではないか。
「元旦に夢を見なかったら、もうアウトなのか?」とか、「あんまりいい夢じゃなかったから、初夢にしたくないんだけど…」などと思ったことはないだろうか。
「運勢なんて、そんなの気持ち次第でしょ」と言ってしまえばそれまでだが、いつ見た夢が初夢なのか、決まりがあるならそれも気になる。今回はそんな初夢に関するトリビアだ。
【生活雑学】初夢とはいつのタイミングの夢?
【雑学解説】12月31日から1月3日の間が初夢のタイミング
いつ見た夢が初夢になるかは諸説あり、以下のように意見が分かれている。
- 12月31日~1月1日に見た夢
- 1月1日~1月2日に見た夢
- 1月2日~1月3日に見た夢
まず多くの人が「このタイミングじゃない?」と考えるのが、31~1日だろう。しかしその後三が日まで初夢を見る時期とされているのは、大晦日の夜には寝ない人が多いからである。
友だちや恋人と初詣に出かけ、そのままオールしてしまう人はたしかに多いのではないか。寝ないなら初夢も見ようがないのだ。
それだけの理由なら、31~1日、1日~2日の2つだけでいいんじゃない? と思わされるが、2~3日とされていることにもまた理由がある。
2日は初売り、つまり仕事始めのタイミングだ。要するに商売人にとっては、2日からが1年の始まりで、その夜に見る夢が初夢ということ。仕事で成果を挙げたい人などはこの慣習に習ってもいいかもしれない。
なるほど、そこまで厳密にいつと決まっているわけではなさそうだ。「三が日の間ならいつでもOK」ぐらいの感覚でいいのではないか。これなら万が一悪い夢を見たとしても「明日が初夢でいいや」と気楽に構えられそうである。
【追加雑学①】鎌倉時代は初夢の時期が違った
初夢という言葉が最初に登場した、鎌倉時代の歌集『山家集(さんかしゅう)』では、正月ではなく、節分から立春にかけて、つまり2月上旬に見る夢を初夢と指しているのだとか。
現代人からすると不思議な感覚だが、もうすぐ春になるこの季節もよく考えれば、始まりの時期だ。進学や就職を控え、心機一転したい人も多いはずである。つまり初夢は「始まりの願掛け」のようなものではないか。
ちなみに日本でこんなに長い間続いてきた風習である一方、外国人には初夢の概念がないというぞ。やはり日本人は根本的に縁起とか願掛けとか、そういうものが好きな民族なのだろう。
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【追加雑学②】初夢と言えば「一富士・二鷹・三茄子」
初夢には「富士山・鷹・茄子」のいずれかが出てくると縁起がいいとされる。うーむ、富士山に登ったり鷹に触ったりする夢は、たしかに珍しいかもしれないが…茄子なんて、「マーボー茄子が大好き!」という人でもない限りうれしい夢じゃないぞ。
一体どんな意味があるのか? どうやらこれにも諸説あるらしく、以下のようなものが挙げられる。
- 駿河国(現在の静岡県)で価値のあるものを上から並べて、「富士山・愛鷹山(あたかやま)・初物の茄子」となった
- 徳川家康の好きなものが「富士山・鷹狩り・初物の茄子」だった
- 東京の「駒込富士神社」が起源で、その近くに「鷹匠屋敷」があり、その地域で「駒込茄子」が名産だったことから
なるほど…江戸時代には茄子は高価な食べ物だったということか。
ちなみに現代ではこの三つをもじった「富士山=無事」「鷹=高い」「茄子=成す」といういわれのほうがなじみがある。うん! ダジャレ好きの筆者にはわかりやすい。
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葬式・トイレ・火事なども縁起がいい?
富士山・鷹・茄子の3つ以外にも、以下のような夢は縁起がいいとされているぞ!
- 扇
- タバコ
- 座頭
- 葬式
- トイレ
- 火事
扇はその形から、末広がりで「次第によくなる」という意味。タバコは煙が上に上がっていくので、運気も上がるということ。座頭とは江戸時代の坊主頭をした琵琶法師のことで、毛がないことから「怪我しない」に転じたのだとか。
また葬式や火事なんて縁起でもない気がするが、これは「夢で見たから現実にはならない」という意味だ。そしてトイレの夢は金運アップを表している。そういえばトイレを入念に掃除すると運気が上がるともいうし。
筆者としては現金がそのまま手に入る夢のほうがありがたいが、さすがに浅ましすぎるか…。
初夢の雑学まとめ
初夢のタイミングは三が日の間ならいつでもいいという、なんだかゆる~い感じだった。
むしろどんな夢を見るかも、そこまでこだわらなくていいのではないか。富士山や鷹の夢というのもあまりピンとこないし、結局、本人が気分よく目覚められる夢が一番である。
なんせ夢には普段考えていることが表れるというし、要はポジティブな気持ちで新年を迎えようということだ!