スラっと綺麗な脚線美が際立つ、大人の女性のファッションアイテム・ハイヒール。履いている女性はたしかに素敵なのだが、筆者はいつも足が疲れないかが気になってしまう…。
いやいや、オシャレは気合いというではないか。女性は綺麗に見えるならそれぐらいへっちゃらなのだろう!
…綺麗に見えるならといったが、実はその昔、ハイヒールが綺麗に見せることとは真逆の用途で使われていたことを知っているだろうか。今回はそんなハイヒールの起源に関する雑学だ。
【面白い雑学】ハイヒールの起源はウンコ対策だった…!
【雑学解説】ハイヒールの起源とウンコの関係…
ハイヒールの起源は諸説あり、古いものだと紀元前400年のアテネの人々が、身長を高く見せるために男女問わず履いていたという話がある。
この時点で「そんなに昔から!?」「男まで?」など、驚かされることが多々あるが、それよりさらにインパクトが強いのは、16世紀のパリで生まれた説のほうだ。
パリ? 想像するにも華やかで、イメージ通りじゃないか。…などと思うかもしれない。しかし当時のパリは華やかとはかけ離れた「汚物まみれの街」だった! ハイヒールは、道端に転がる汚物がスカートの長い裾についてしまわないために使われていたというのだ。
なんでも当時のパリは道の舗装が行き届いておらず、雨が降ればドロドロにぬかるむし、雑草は生え放題…その上に人口密度が高いので、ゴミも野ざらし状態だったのだとか。
おまけに、下水も整備されていなかったので、生活排水を道路に捨てる人もいる。なんと溜まったウンチを夜な夜な窓から放り投げるようなこともあったというぞ!
実際に見たわけじゃないので真意はわからないが、もはやハイヒールどころか、長靴を履いて歩きたいレベルだ。
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「ハイヒールの起源=ウンコ」はウソ?
少しだけ補足しておくと、厚底の靴が使われていたのはたしかでも、開発された目的が汚物除けのためとか、それがファッション用のハイヒールの起源だというのは、どちらも確証のない話である。
「窓からウンチが放り投げられることがあった」という話が強烈すぎて、少なからず盛られている部分はあるはずだ。
ちなみに日傘や男性用のマントも、ウンチを防ぐために使う人がいたという話がある。いや、ウンチのついた傘とか、普通に捨てて帰るわ…。
【追加雑学】ルイ14世もハイヒールを履いていた
17世紀になると、いよいよハイヒールがファッションアイテムとして活用され始める。いち早くファッションに取り入れたのは、なんとブルボン朝第3代の国王・ルイ14世だったという。
ルイ14世といえば絶対君主制の確立や、ヴェルサイユ宮殿の建設など、ブルボン朝で最も多くの功績を残した王……って、男かい!
紀元前400年のアテネに続き、17世紀フランスでもハイヒールは男性御用達アイテムだったのだ。ルイ14世はハイヒールを履いたときの背筋の伸びる感じや、ふくらはぎがキュっと上がる脚線美をこよなく愛し、舞踏会では男女問わずハイヒールを履かせていたのだとか。
男性にいたっては正装を半ズボンにしてしまうほどである。いやいや…フランスの貴族ぐらいしかできませんよそのファッション…。
ちなみに、ルイ14世は「王立舞踊アカデミー」という学校を設立するほどのバレエ愛好家。太陽神に扮して踊った姿が有名で「太陽王」の異名で呼ばれる、いわゆるカリスマ的存在だった。なるほど、そういう人ならファッションを真似されることも多いわけだ。
…ここまでを聞くと、ルイ14世はいかにもハイヒールの美しさに魅せられていたのだな…という話に聞こえるが、実のところ低い身長にコンプレックスがあったから、ハイヒールを履いていたというぞ。
ハイヒールに魅せられていたのは本当だと思うが、背が低いという理由を誤魔化すために「美しい、美しい」と言っていたのだとしたら、なんだかちょっと可愛い気もする…。
「ハイヒールの起源」の雑学まとめ
ハイヒールがまさか汚物除けに使われていたとは…。本当の話なら大人の女性のイメージとは、まったくの真逆である。汚物を避けるならやっぱり長靴のほうがいい気がするのだが、さすがにドレスには合わないか?
今ではウンチが飛んでくるといえば、動物園のゴリラの檻ぐらいである。環境整備の行き届いた現代に生まれて、つくづくよかったと思わされる。