旅行で初めて訪れた町は、その町並みを見ながら歩くだけでも楽しい。海外は日本とは違った外観の建物が多いし、日本国内でも地域による特徴が家の造りに表れている。
岡山県には赤色に染まる町があるらしい。赤色に染まるとは、夕日で町全体が赤く見えるのだろうか? 夕日に染まる町だったら、とてもロマンチックだ。
今回の雑学記事では、どんな町なのか、岡山県の赤色に染まる町について調査した。また、岡山県以外にも色に特徴のある町が存在するのか調べてみると、この世界にはカラフルな町がたくさんあるとわかったぞ!
【生活雑学】岡山県には赤色で統一された「吹屋ふるさと村」がある
【雑学解説】赤色塗料の生産地だったので町も赤色に統一された
岡山県の赤色に染まる町は、高梁市(たかはしし)にあるらしい。高梁市の吹屋(ふきや)という地区が、赤色に染まる町だそうだ。どんな町なのか、動画で見てみよう。
鮮やかな赤色の派手な町を想像していたが、想像は外れたようだ。落ち着いた赤茶色で建物が統一され、現代とは思えないレトロな町並みが続いている。行ったことがないのに、懐かしい気持ちになってきた。
町がこのような赤色に染まっているのは、町の産業と関係がある。江戸時代の末期から明治時代にかけて、吹屋地区はベンガラという赤色の塗料の生産が盛んだったため、建物もベンガラ色で統一したのだ。
吹屋地区のベンガラは現代でも文化財などの修復に使われる、高級塗料である。高級塗料が生産地だからという理由だけで、町の建物に使われるのだろうか? 自分たちで使うより、売ったほうがお金になるのに。
建物にベンガラを使ったのは、ベンガラで財を成した人々らしい。しかし、お金持ちが好きなように豪華な家を建てたにしては、町並みが統一されている気がする…。
なんと、吹屋地区の町並みは、計画的に造られたものだった。ベンガラでお金持ちになった人々は自分の家の豪華さよりも町の景観を優先し、ベンガラの赤色に染まる美しい町を作り上げたのだ。心意気がかっこいい!
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【追加雑学】世界各国には様々な色で統一された町がある
赤色に染まる吹屋地区のような、建物の色が統一された町は他にもあるのかと気になった。海外なら、もっとカラフルな色の町がありそうだ。
調査した結果、世界中にいろいろな色の町があることが判明した。その中でも観光地として人気のある、3つの町を紹介しよう。
スペインの白い村「アルコス・デ・ラ・フロンテーラ」
スペインのアンダルシア州には「アルコス・デ・ラ・フロンテーラ」という町がある。この町は建物が白色で統一され、「白い村」とも呼ばれている。
アルコス・デ・ラ・フロンテーラはスペインの歴史保存地区に指定された「白い町の街道」の玄関口でもある。アルコス・デ・ラ・フロンテーラ以外にも、スペインには白い町がたくさんあるのだ!
スペイン旅行に行く機会があれば、白い町めぐりをしてみるのもいいかもしれない。映画のような、ヨーロッパらしい白い町並みを見ることができるぞ。
モロッコの青い街「シャウエン」
鮮やかな色彩の町を見たいなら、モロッコの「シャウエン」がおすすめだ。日本ではシャウエンと呼ばれることが多いが、英語では「シャフシャウエン」が町の正式名称である。
シャウエンは建物が青色に染め上げられた「青い街」だ。水色や濃い青色などニュアンスの異なる青色が使われており、幻想的な青い町並みが広がっている。
なぜ青色に染め上げたのかについては、青色を神聖な色とする説や、虫除けに効果的とする説などがあるようだ。神秘的な青い町並みが虫除けのためでは、あまりにも現実的すぎてせつない…。
インドのピンク・シティー「ジャイプル」
インドのラージャスターン州にある「ジャイプル」は「ピンク・シティー」という呼び名をもつ。その呼び名のとおり、旧市街の建物がサーモンピンク系の赤みがかったピンク色に染められているのだ。
ピンク色の建物なんて、メルヘンでかわいい。しかし、ジャイプルで見られるのはただの建物ではない。なんと、宮殿までもがピンク色に染め上げられているのである!
ジャイプルのハワー・マハルは「風の宮殿」とも呼ばれ、小窓がずらりと並んだピンク色の外観が美しいと人気の観光スポットだ。宮殿内部の見学もできるので、宮殿暮らしに憧れる人は行ってみてはどうだろう。
雑学まとめ
今回は岡山県には赤色に染まる町があるという雑学と、世界の様々な色の町について解説した。白い壁は日本でも見かけるが、青やピンクの町まであったとは驚きである。
町の色を統一しようとしても、現代ではなかなか難しい。いきなり「あなたの家を黄色にしてください」なんて言われても困る。色が統一された町は、貴重な場所なのかもしれない。