ハイエナといえば人の獲物を奪ったり、ずる賢く卑怯な動物であるという印象が強い。アニメの中でも悪役にキャスティングされることが多い動物の上位ではないだろうか。
しかし、よく考えると実際のハイエナについて詳しく知らない。本当にアニメで描かれているようなわかりやすい悪役なのか?
卑怯で他人の物を奪う残忍な姿で描かれることの多いハイエナの本当の姿を、雑学として解説していこう。
【動物雑学】ハイエナは意外と自分で狩りをすることが多い
【雑学解説】サバンナの掃除屋ハイエナは狩りが得意
獲物を横取りし、死肉を漁るといった悪いイメージしかないハイエナ。しかし、実は狩りがとても上手だという。
ハイエナと聞いてほとんどの人が想像するのは、おそらくブチハイエナと呼ばれるハイエナだろう。小さめの耳に、ヒョウ柄のようなブチ模様のあるハイエナ。写真などでは獲物の血で口が真っ赤になっているのを見たことはないだろうか。
ブチハイエナは最高時速65キロ、チーターには及ばずともその最大の売りは並外れたスタミナである。動物界でトップクラスとの呼び声も高いそのスタミナを武器に狩りをするのだ。
短時間で仕留めることは想定しておらず獲物を仲間から引きはがし、じわじわと時間をかけて疲れさせたところを一気に仕留める。食べている6割以上を自分たちでハントしているにもかかわらず、横取りイメージが強いとは不憫だ。
少し長い動画だが、仕留めるまでに時間をかけるそのしつこさをわかってもらえるだろう。ハイエナが捕えた獲物をライオンが横取りすることもあるという。自然界では奪い奪われるのが道理であるため、ハイエナが横取りばかりしているというのは誤解だ。
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【追加雑学①】ハイエナの種類
現生のハイエナの種類は、ブチハイエナ・シマハイエナ・カッショクハイエナ・アードウルフの4種である。同じハイエナ科だが、見た目や生態は少しずつ異なる。
アードウルフにいたっては、主食がシロアリという珍しいタイプのハイエナだ。アリクイのようにシロアリを食べる姿がかわいいと人気が出てきている。
決してシロアリだけ食べているわけではなく、昆虫や小型の哺乳類・鳥類・動物の死骸を食べることもある。動物の死骸を食べるあたり、主食がシロアリといえどハイエナであるという印象を受ける。
シマハイエナ・カッショクハイエナについては、死肉を漁ることも多いが昆虫やフルーツも食べる雑食である。
ブチハイエナは前述のとおり、自分で狩りをすることが多い。種類によって様々な特徴はあるが、やはり死肉を食べるといった点はハイエナの特徴であるようだ。
【追加雑学②】ハイエナ=悪者というイメージが強い理由
死肉を食べるということが、まず第一に悪役に仕立てられやすいのではないかと思う。死んだ動物の肉を食べるとは、浅ましく残忍であるイメージが刷り込まれる。
さらに、ハイエナの顎の力は1平方センチあたり70キロの力があり、骨をも噛み砕くことが可能であるといわれている。その力によって、他の動物が食べることのできなかった骨まで食べるのだ。
他の動物も噛み砕く力があれば骨まで食べていることだろう。ハイエナはもって生まれたその力のせいで、卑しい動物のように思われがちなのである。
視点を変える(ハイエナ贔屓で考える)と、肉食動物が生きていくために犠牲になった動物を最後まで残さず食べるのだから、なんだかいいやつにも思えてくる。
「サバンナの掃除屋」といわれるほど、捕食された動物を無駄にしないその姿勢はなかなかのものである。
雑学まとめ
ハイエナに関する雑学を紹介してきた。ハイエナは種類によって異なるが、自分の食べているものの6割を自ら獲っているといわれている。横取りすることももちろんあるが、それはハイエナに限ったことではない。
卑怯なイメージが根強いハイエナの印象を変えることは難しいが、実は優秀なハンターであることが少しでもわかってもらえれば嬉しい限りである。