食べ物の由来

"いくら"は日本語じゃなかった!"鮭の卵=いくら"の理由とは?

zatsugaku

雑学カンパニー編集部

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いくらの語源はロシア語という雑学

日本の伝統食・寿司。新鮮な魚介類たちを味わうたびに、この国に生まれてよかったと感じる。トロ・穴子・うに・カンパチ…。想像しただけでもよだれがでてきそうだ!

だがサーモン、お前はダメだ! ほかのネタは和食を代表してちゃんと日本語なのに、なぜサーモンだけ英語なのか。鮭(もしくはシャケ)でいいじゃないか!

お前が腹を痛めて生んだいくらはちゃんとしているのに…。って、え? いくらも日本語じゃない!? ということで今回は、いくらの語源についての雑学を紹介していくぞ!

【生活雑学】いくらの語源はロシア語

孫ちゃん
あ~、お寿司食べたいな~。いくらとサーモン、親子で食べたいな~。
おばあちゃん
親子っていうけどねぇ、もともと「いくら」って別に鮭の卵だけを指すわけじゃないんだよ。
孫ちゃん
えっ?いくらって鮭の卵じゃないの?
おばあちゃん
いくらはロシア語でね、「魚の卵」って意味なんだよ。魚の卵ならみんないくらってことだねぇ。

【雑学解説】いくらはロシア語で「魚の卵」

いくらってロシア語で何を意味するかについてのトリビア

日本では鮭の卵を指す「いくら(икра)」という言葉。これはロシア語由来のもので、本来は「魚の卵」という意味だ。つまりそもそもは鮭の卵だけを表す言葉ではない。

ロシア語ではキャビアも数の子もいくらだし、タラコだっていくらになるのだ!

孫ちゃん
へぇ~!数の子とかタラコも「いくら」になっちゃうんだ!

え…じゃあ、ロシア語でいくらって言われたら、どの魚の卵かわからんやん! と、思った人も安心してほしい。たしかにロシア語で魚卵は全部いくらだが、以下のように呼び分けられているぞ。

メモ

  • いくら…「赤い魚卵」(красная икра クラースナヤ・イクラー)
  • キャビア…「黒い魚卵」(чёрная икра チョールナヤ・イクラー)
  • 数の子…「黄色い魚卵」(желтая икра ジョールタヤ・イクラー)
  • タラコ…「ピンクの魚卵」(розовая икра ローザヴァヤ・イクラー) 

なるほど、色で区別されているわけだな。わかりやすい!

なお、ロシア語でいくらを発音する場合、最後の「ラ」は巻き舌となるので「イクルァー」と言うのが正しい。巻き舌が苦手な人はロシアでいくらを食べられない可能性があるぞ!

孫ちゃん
それはまずい。巻き舌練習しとかないと!
おばあちゃん
あんたロシアに行くのかい。
孫ちゃん
あ、いや、行かないけど…。

日本で鮭の卵をいくらと呼ぶようになった理由

なぜ鮭の卵をいくらと呼ぶようになったのかについてのトリビア

ところでなぜ、日本でわざわざロシア語のいくらを使っているのだろう。しかも鮭の卵だけ。

…考えてみてほしい。鮭といえば、日本だと北海道など北の海に住む魚…つまりロシア方面。そう、実は日本でいくらが食べられるようになった背景には、ロシアが大きく関わっているのだ。

日本に現在のようないくらの食べ方が伝わったのは、1900年代初頭、丁度、日露戦争が行われていたころか、それより少しあとの「日露漁業協定」が結ばれたころだという。

詳細ははっきりしないが…

  • 日露戦争で捕虜になっていたロシア人が食べていた
  • 日本がロシア領で鮭・マス漁をするようになり、ロシア人と食文化の情報交換をするようになった

という、いずれかの理由で、今のいくらの食べ方が日本に伝わったという。

もちろんそれより前にも、北海道や東北地方では鮭の卵を食べる文化があったが、そういった鮭漁が盛んな地域だけの文化で、全国的には知られていなかったのだとか。

またご存知の通り、鮭の卵には大きくふたつの状態があって、以下のように呼び分けられている。

  • 筋子…卵巣をそのまま取り出したもので、卵がつながった状態
  • いくら…卵をバラバラの粒状にほぐした状態

このように呼び分けられているのは、ロシア人がバラバラになったものをたまたま「いくら」と言って食べていたからだという。

実際、状態によって呼び分けたほうが都合がいいため、日本でも「筋子・いくら」と呼び分けるのが一般的になっていったのだ。

おばあちゃん
ただ、この呼び方が全国区になるのは1960年ごろの話で、それまでいくらは「はらこ(腹子)・はららご」なんて呼ばれていたようだねえ。
孫ちゃん
じゃあ、お寿司屋さんで「はらこくださーい!」なんていう人もいたのかな。

ちなみに、これは定かではない話だが、当時ロシア人は鮭の卵をキャビアの代用品として食べていたため、勘違いした日本人がいくらを「これがキャビアだ!」といって出回らせたなんて話もある。

たしかに外国文化になじみのない時代の日本人にありそうな勘違いだけど…。

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いくらの歴史は平安時代から

このようにいくらという呼び方や、その食べ方が全国区になっていったのは大正~明治にかけての話。しかし前述のように一部の地域では伝統的に食べられていた食材でもある。

その歴史はかなり古く、最初期のものだと、平安時代中期の律令の詳細が記された『延喜式(えんぎしき)』という書物にも、いくらが食べられていた事実が登場する。

ここでは「内子鮭(うちこざけ)」と記され、卵を身ごもった鮭を醍醐天皇が食べていたことがわかっているのだ。

そのほか、江戸時代には東北地方のご当地を訪れた伊達政宗に、現在のいくら丼に近い「はらこ飯」なるものが振る舞われた記録も残っている。

ロシアとの交流がきっかけになっていなかったら、今でも「はらこ」と呼ばれていたかも?

さて、いくらの雑学をたっぷり堪能したところで、とっておきの飯テロ映像も紹介しておこう。

北海道は薄野の「海味 はちきょう」さんの名物「つっこ飯」。どんぶりから溢れない範囲ならいくら乗せ放題の豪快メニューだ! 残したら店員さんにビール奢らなきゃダメだけどね!

【追加雑学】あの国民的アニメの登場人物をロシア語で呼ぶとなんかマヌケ…

あの国民的アニメの登場人物が間抜けなものについてのトリビア

いくらといえば、やっぱり国民的アニメ『サザエさん』の話題は欠かせない! …といっても、今回のターゲットはいくらちゃんじゃなく、ワカメちゃんなのだが。

いつもパンツ丸出しでなんかマヌケなワカメちゃんだが、ロシア語で彼女の名前を呼ぶと、さらにマヌケになる。

実はロシア語には「w」の発音に該当する文字がなく、「в」で代用しており、日本語の「ワ」は「ヴァ」と発音する。

つまりワカメちゃんをロシア語で呼ぶと

「ヴァカメ」だ。

そりゃあまあ…パンツ丸出しだしねえ…ということじゃなくて。

孫ちゃん
若干小バカにしてる感じが否定できない…。

もしロシア語版サザエさんがあったとしたら、ワカメちゃんが出てくるたびに暴言を吐かれるという辛い展開が待ち受けている…。

いくらの雑学まとめ

"いくら"は日本語じゃなかった!"鮭の卵=いくら"の理由についての雑学まとめ

こんな雑学を書いていたら、むしょうに寿司屋に行きたくなってしまった。寿司屋に行ったら、バッテラにあん肝ポン酢、旬の食材を使った天ぷらなんかを食べたいものだ。

え、「バッテラ」も「ポン酢」も「天ぷら」ももともとは日本語じゃないって!? 身の回りの純和風っぽい言葉でも、実は外来語由来というものはけっこう多い。

孫ちゃん
え、それ全部日本語じゃないの!?
おばあちゃん
和食は日本の文化だけど、食材の名前が外国の言葉が語源のものもあるわね。

ちなみに、どれもポルトガルとかオランダ、ヨーロッパの言葉だよ。

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