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ジーンズが青色なのはなぜ?リーバイスとジーパンの歴史

雑学カンパニー編集部

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ジーンズの色とリーバイスに関する雑学

ジーンズの色は? と聞けば、ほとんどの人が青色または藍色を連想するだろう。

では、なぜその色が青色なのか? と問われれば、答えられる人はなかなかいないのではないだろうか? まさにこれこそ雑学の極みである。

現代でこそ一般的とされている青色ジーンズだが、当初作られていたジーンズは着色の無い、生成り生地(綿糸で織った着色のない薄いクリーム色の生地)を使ったものであった。ジーンズが現代の青色に変わるまでの歴史に迫ってみよう。

【生活雑学】ジーンズが青色なのはなぜ?

孫ちゃん
ねぇおばあちゃん、なんでジーンズの定番色って青なのかな。
おばあちゃん
それはね、鉱山夫のためにジーンズを作った人の、優しい心から青になったんだよ。
孫ちゃん
え?どういうこと?詳しく聞きたい!

【雑学解説】ジーンズの青色は害虫・蛇を遠ざける!?

ジーンズの青色は害虫・蛇を遠ざける!?についてのトリビア

ジーンズが青いのはインディゴと呼ばれる染料で染められているからであり、元の生地自体は生成りである。インディゴ染めは大変手間がかかる上に色ムラも多い。なぜ、こんな面倒な色をジーンズの色に採用してしまったのか。

ジーンズの歴史は古く、1800年代後半のアメリカのゴールドラッシュ時代に遡る。当時、卸業を営んでいたリーヴァイ・ストラウスは、鉱山で働く鉱山夫たちに頑丈な生地で作った作業着の需要があるのではないかと考え、テントや馬車の幌などで使う頑丈なキャンパス生地を使って作業着の販売を始めた

おばあちゃん
鉱山で働くってのは重労働だから…。作業服も破けにくいものじゃないと仕事にならなかったんだろうねぇ。

”リーヴァイ・ストラウス”、この人物の名前を聞いてピンときた方もいるかもしれないが、この人物こそ、世界的なジーンズメーカーである「リーバイス」社を創業した人物である。

孫ちゃん
私も持ってるよ!リーバイスのジーンズ。

すぐに破けてしまう既存の作業着に辟易していた鉱山夫たちにとって、リーヴァイの作った頑丈なズボンは好評であった。これがジーンズの始まりなのだが、このときのジーンズは前述したように生成りで作られていた。

インディゴ染めで他社ジーンズとの差別化に成功

インディゴ染めで他社ジーンズとの差別化に成功についてのトリビア

どの業界でも、一つの商品に人気が集まれば類似の商品も市場にあふれてくるのはいつの時代も変わらず、キャンパス生地で作られたジーンズは、瞬く間に類似品が出回るようになってしまった。ここで、さらなる一手としてリーヴァイが考えたのが「インディゴ染め」であった。

おばあちゃん
同じようなものが出回るのは、いつの時代も変わらない市場の原理だねぇ。

天然のインディゴには虫や蛇の嫌う「ピレスロイド」という成分が含まれており、害虫・蛇を遠ざける効果があった。また、青色に染めたジーンズは鉱山作業でついてしまう汚れも目立たなくなるなど、まさに鉱山夫のかゆいところに手が届くといったもので、これまた人気を博すこととなる。こうしてリーヴァイの作るジーンズは他の類似品と一線を画すことに成功した。

孫ちゃん
へえ~!害虫とかヘビを寄せ付けない効果があるんだ!虫よけいらないじゃん!

しかし、実はこの「ピレスロイド」。確かに害虫・蛇を寄せ付けない効果はあるのだが、当時のジーンズに施されていた染料に含まれる量は大変に微量で、大きな害虫や蛇を遠ざける効果は期待できなかったのでは、ということが現代では明らかになっている。もう少し科学が進んでいれば、青色ジーンズの誕生はなかったのかもしれないのだ。

孫ちゃん
え…なんだぁ。効果ないんだ。がっかり~。

天然インディゴは希少なため、大量に抽出することはできず、大量生産には向かなかったが、のちに合成インディゴと呼ばれる人工の染料が開発され、リーヴァイの作った青色ジーンズの流通は一気に世界中へ広まっていったのである。

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【追加雑学】ジーンズソムリエ資格認定試験

ジーンズソムリエ資格認定試験についてのトリビア

このような歴史から、現代に至ってもなお奥の深いジーンズの世界だが、そんなジーンズにまつわる資格試験があることをご存知だろうか?

孫ちゃん
えっ、ジーンズの資格試験!?おばあちゃん知ってた?
おばあちゃん
おばあちゃんでもさすがにこれは知らなかったよ。どれどれ、どんな資格なんだろうねぇ。

その名も「ジーンズソムリエ資格認定試験」。ジーンズのソムリエとは初耳だが、ジーンズに関する深い知識を持ち、その魅力と価値を正しく伝えるジーンズのアドバイザーである。ジーンズソムリエは先ほど記述した歴史背景はもちろんのこと、生産工程や品質管理、流通や素材、縫製について学び、製造や販売の過程で活躍しているとのこと。ずいぶん専門性の高い資格である。

おばあちゃん
ずいぶんと本格的に学べる資格なんだねぇ。

倉敷ファッションセンターが実施するジーンズソムリエ資格認定試験は、年1回、9月に実施され、択一式49問と小論文1題からなる筆記試験を突破することで、合格認定される。合格率は64%前後と易しめではあるが、しっかり対策を講じなければ安心できない数字となっている。ちなみに受験料はテキスト代を含めて8,130円

面白いのはこの試験、一度合格しても何度でも受験することができるのである。

毎年刷新される試験問題は、日々発展するファッション業界の知識を踏襲した内容となっており、1度合格した者が、2度目、3度目の試験を合格することで、その知識を研鑽していくというのだ。

おばあちゃん
洋服屋さんなんかに勤めてると、そういう知識も役立つんだろうねぇ。
孫ちゃん
洋服屋さんって…。アパレルショップね…。

複数回試験に合格した者は「ジーンズソムリエ資格認定試験 2回合格者」や合格回数を★の数で表したりと、資格そのものもマイナーだが、試験制度もマイナーな試験だ。

雑学まとめ

ジーンズが青色なのはなぜ?リーバイスとジーパンの歴史についてのトリビアまとめ

今回はジーンズにまつわる雑学をご紹介してきた。世の中のジーンズが青色なのは、世界的ジーンズメーカー「リーバイス」社の、ゴールドラッシュ時代の鉱山夫への想いから染まったものであった。

その実、インディゴにはそこまでの害虫・蛇除けの効果はなかったものの、そこには営業に長けた世界的ジーンズメーカー創業者の知恵と戦略が詰まっていた

おばあちゃん
鉱山夫さんのためにっていう優しさと、会社としての先見の明。作ったときは、まさかここまで人気商品になるなんて思ってなかっただろねぇ。

現代で使われている合成インディゴには害虫・蛇除けの効果は全くないので、ジーンズで山道などに入るときは虫よけスプレーなどを携帯することを強くお勧めする

孫ちゃん
ほんと…。虫よけいらないって思わず喜んじゃったよ。

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