徳島県・香川県・愛媛県・高知県で構成される四国地方。北海道・本州・九州とともに日本の主要4島を形成し、この中では一番小さい。
88ある、弘法大師ゆかりの寺院を巡る「お遍路さん」は四国を代表する文化であり、近年は世界遺産登録を目指し、県を挙げて活動している。
実は、そんな4県の中に、日本地図から消えた過去がある県が存在する。しかも、一度ならず二度もだ! その県とは…。
【面白い雑学】香川県のトリビアを紹介するよ!
【雑学解説】2度も消滅した香川県…
香川県の前身は、江戸時代まで「讃岐国(さぬきのくに)」と呼ばれていた地域だ。
1871年(明治4年)廃藩置県により、一旦は高松県と丸亀県に分かれるが、すぐに合併。翌年には小豆島(しょうどしま)も加えて、現在の香川県が誕生した。
しかし、1873年(明治6年)、現在の徳島県にあたる名東県(みょうどうけん)に早速吸収されてしまったのだ!
「隣の県なんだしいいじゃん」と思うかもしれないが、いくら隣といえど、県民性や地域文化は同じではない。極端な例を挙げるが、もし京都と大阪が合併したら上手くやっていけるだろうか? つまりそういうことだ。
結局、香川県はこの2年後に分離独立し、名東県そのものも、わずか4年9か月しかもたなかった。
しかし、香川の受難はこれだけでは終わらない。自由を勝ち取ったのもつかの間、1876年(明治9年)になると、今度は愛媛県に編入されてしまったのだ!
またしても消滅の憂き目を見た香川県民は、「香川は香川なの! どことも一緒にしないで! お願いだから香川に戻して!」と必死の訴えを起こす。
そして12年後の1888年(明治21年)、ようやく悲願の香川県復活! 以後、現在に至るまで香川県は無事、どの県の植民地ともならずに自主独立を保っている。
ちなみに、「香川」の由来は「香の川」。現在の香川郡のあたりは樺(かば)の木がたくさんあり、川の流れによって運ばれたいい香りが地域を満たしていたため、「香川」という地名になったという。
そんな香川が讃岐時代から守ってきた文化が、ご存知「讃岐うどん」だ。
とにかくうどんが好きな香川県民。戦前は「うどんが打てない女は嫁のもらい手がない」なんて言われていたとか…。もちろん現在も、うどんの消費量は日本一を誇っている!
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【追加雑学】これであなたも香川通!意外な香川トリビア
せっかくなので、香川のトリビアをまだまだご紹介しよう!
丸亀製麺は香川の企業ではない
「丸亀」とつくので誤解しがちだが、うどん専門チェーン店・丸亀製麺は、実は香川発祥ではない。なんと丸亀市への出店すらしていないのだ。
それではなぜ「丸亀」なのかというと、創業者のお父さんが丸亀市の隣の坂出市出身だったから。幼い頃からうどんが身近にあったことと、うどんの聖地である丸亀市にあやかって「丸亀」の名をつけたという。
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香川県は日本一小さい県
現在、香川県は日本一小さい県である。しかし! 長らく日本一小さい都道府県だったのは、実は大阪府だった。
1988年に国土算定法が見直されるまで、香川は日本で2番目に小さい県だったのだ。ただし、その後大阪は埋め立て開発を進めて面積を増やしたため、現在は香川県が名実ともにナンバーワンである。
ちなみに、日本一面積が大きい市町村である岐阜県高山市よりも香川県の方が小さい。
日本三大怨霊と縁が深い香川
日本三大怨霊といえば、菅原道真(すがわらのみちざね)・平将門(たいらのまさかど)・崇徳上皇(すとくじょうこう)だ。実は、香川(当時は讃岐の国だが)はこの全員と少なからぬ縁がある。
道真は886年、41歳で讃岐に赴任し、4年間国司を務めた。939年には、役人でありながら海賊の棟梁となった藤原純友(ふじわらのすみとも)が親類である平将門の乱に乗じて蜂起し、讃岐の国府を陥落させた。
崇徳上皇は、1156年の保元の乱で敗れた後、讃岐に流刑となる。「讃岐院」とも号し、地元役人の娘との間に子供をもうけ、京に戻ることなくそのまま讃岐で亡くなった。
将門のみ香川の地を実際に踏んではいないが、意外な縁があるものだ。
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香川県の雑学まとめ
知られざる香川の過去とトリビア、いかがだっただろうか? ちなみに最後の三大怨霊の話は、ホラー大好きな筆者の趣味で紹介させてもらった。この事実に気付いたときはニヤニヤが止まらなかった次第だ。
ところで、「消滅可能性都市」というのをご存知だろうか? 少子化と都会への人口流出で地元人口が減少し、破綻する可能性が高い自治体のことだ。香川県はこの消滅可能性都市率が4県中一番低いが、それでも半分近くが危機にさらされている。
しかし、そこは香川のこと。万が一また消滅したとしても、再びフェニックスのごとく舞い戻ってくるはずだ。