武道・格闘技

空手の"瓦割り"が簡単に割れる理由には秘密があった…!

空手の「瓦割り」はなぜ瓦を使うのか?に関する雑学

空手といえば「瓦割り」。みなさんもテレビなどで目にしたことがあるのではないか。

達人にしか成し得ないスゴ技のように見える瓦割りには、「やっぱり鍛えてる人は違うなあ!」などと感心させられる。

しかし…実はこの瓦割り、仕組みを知っていれば大半の人にできる芸当なのだ。え…? 鍛えてなければあんなに硬い瓦が割れるわけないじゃないか…。いやいや、それが割と簡単に割れてしまうんだって!

今回の雑学ではそんな瓦割りの秘密をお教えしよう。

【スポーツ雑学】空手の「瓦割り」はなぜ瓦を使うのか?

マッチョ課長
新人ちゃん、瓦割りをしたことは?
新人ちゃん
ないですないです!だって、きっと私の力では割れませんよ~。
マッチョ課長
瓦割り用の瓦は割れやすいように出来ているんだ。それも、ケガしないような瓦を使っているから大丈夫!

【雑学解説】瓦割りに使われる瓦は割れやすく作られている

試し割りがしやすいものが瓦についてのトリビア

空手のパフォーマンスにいつも瓦が使われている理由は、その形状から割れやすく、拳で突いたときにケガをしにくいからだ。以下が瓦がほかのものよりパフォーマンスに向いている理由である。

  • 天然のものではなく、素材が均一
  • 曲線状だから重ねたときに隙間が生まれ、力の逃げ場がある

たしかに単純に力を示すなら岩でも木でも、なんでもよさそうなものだが、わざわざ人工的に作られた瓦を選ぶのは、割れやすい条件が揃っているからだったのか!

さらに空手に使われるのは"割る専用"に作られた「熨斗瓦(のしがわら)」という種類の瓦で、なんと割れやすく考慮された板チョコのごとく、裏側には丁寧に切れ目が入っているのだ!

新人ちゃん
そんな瓦があるんだ!

以下の動画のように、タオルなどを敷いて突きを入れるのはマストだが、素人でも割に簡単に割ることができる。

マッチョ課長
この肉体美を表現するために、何度瓦を割ったことか…!
新人ちゃん
(それは自慢になるのかな…)

熨斗瓦はぱっと見では普通の瓦と見分けがつかない。しかも割ったときは普通より豪快で気持ちのいい音がするというおまけ付きである。

念のために言っておくと、熨斗瓦ではない瓦は人間の骨よりも頑丈なので、瓦割りに使うと普通に骨折する。どんなに力自慢でも、悪ふざけは絶対にやめておこう!

マッチョ課長
使用する用途が違うからな。

瓦割りは力試しではなく度胸試し

ここまで読んで「なんだ、瓦割りってとんだ茶番じゃないか…」と思ってしまった人もいるだろう。

しかし勘違いしてほしくないのは、瓦割りの本質は力試しではなく、度胸試し…要は精神力を磨くことにあるということだ。

いくら熨斗瓦とはいえ、瓦は瓦。割れやすいといっても、実際に素手で殴るのはかなり度胸がいる。

そして綺麗に割るためには、真っ直ぐ力を加える必要があるので、割る際に躊躇するようなことがあればケガをしてしまう。躊躇なく真っ直ぐに突きを入れる…これが空手家の精神力を養うにはうってつけの修行なのだ。

新人ちゃん
やっぱりケガする場合もあるんだ~。私にできるのかな…

ガチの空手家による瓦割りは、素人のそれとは気迫が全然違うぞ!

チョップじゃなくてエルボー!? 失敗したらビリビリするやつだ…。

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【追加雑学①】熨斗瓦は空手用の瓦ではない

普通の瓦を使っての瓦割りは超キケンというトリビア

割れやすく作られているといっても、熨斗瓦は決して空手のパフォーマンスのために作られた瓦ではない。建築現場でも普通に使われるものである。え! 簡単に割れる瓦を使うなんて欠陥住宅じゃん!

いやいや、そうじゃなくて…。日本家屋であれば、熨斗瓦はどんな屋根にだって使われている。屋根の設計上、半分に割った瓦が必要になる場面があるのだ。

日本家屋の屋根を見ていると、頂上の部分で水平に何枚も瓦が積み上げられていることがわかる。これを棟(むね)という。

頂上の部分は形状の問題で瓦に隙間ができ、雨が入ってきやすいため、何枚も瓦を重ねた棟を作る必要があるのだ。

そして普通の瓦を水平に積み上げていては、安定した棟を作ることなどできない。棟は通常より小さいサイズの瓦を左右にそれぞれ重ね、あいだに藁土などを敷き詰めて隙間を埋めながら積み上げられていくのだ。

そう、熨斗瓦はこの棟用の瓦で、そもそも半分に割ってから使うものなのである。

以下の動画は棟の補修工事の様子だ。半分に割られた熨斗瓦が使われていることがわかる。

焼いてから割るのはコスパ削減のため

熨斗瓦をわざわざ割って使っているのを見ると「最初から小さい瓦を2枚焼けばいいんじゃね?」などと思ってしまうが、割って使うようになっていることにだって理由はある。

小さい瓦を2枚焼くより、大きい瓦を1枚焼くほうが、焼くときに場所を取らないのだ。つまり瓦の製造過程のトータルも考えて、焼きあがってから半分に割ったほうがコスパがいいのである。

ちなみにもちろん、大工さんたちはみんなハンマーを使って瓦を割っている。空手で使われるようになったのは、ハンマーで簡単に割れる様子を見て「素手でも割れそうだな」と考えた人がいたからかも。

【追加雑学②】瓦割りの世界記録は82枚!

割れやすい熨斗瓦を使っているといっても、数十枚を割れるとなればもはや達人の域。なんと、アメリカには82枚の瓦を割り、現時点の世界記録を樹立した男がいる! その名も「ランディ・リッチー」だ!

マッチョ課長
まるでマンガの世界だな!
新人ちゃん
それにしても、よくこれだけの瓦を用意しましたね~。

ランディは「オメガ・フォース・ストレングス・チーム」という、タレント集団のリーダーで、実は格闘家ではない。

チームのモットーが「パワー系のチャレンジをすること」で、このほかにも車を持ち上げるなど、過激な挑戦をいくつも行っているぞ! 瓦割りにも3年以上の練習を要したというし…日本の過激系YouTuberとは気合いの入り方が違う。

世界記録が日本の空手家じゃないのはちょっと残念だが…そもそも武道を極めるなら、ここまで派手なパフォーマンスは必要ないしな…。

【追加雑学③】瓦割りを試せるお店がある

日ごろ溜め込んだストレスを発散したいあなた。瓦、割りたくないですか? 実は空手道場に入門しなくても、気軽に瓦割りを体験させてくれるお店がある。その名も「かわら割り道場」だ。

料金は基本的に一枚500円で、割る枚数が多くなるほど割引きが適応されていく。初心者は2000円で5枚のコースがおすすめだ。

実際に瓦を割るときもスタッフの指導のもと、グローブを付けて行うので安心。以下の動画のように女性の参加者もたくさんいる。女性でも5枚までなら8割の人は割れるというぞ!

割った瓦は建設業者が引き取るらしく、まったく無駄がないのも素晴らしい。

かわら割り道場本店へのアクセスは以下の通り。関東・甲信越・愛知にも支部があるので、興味がある人は一度足を運んでみよう!

雑学まとめ

今回は意外と簡単に割れちゃう瓦割りの雑学を紹介した。まさかそもそも割るために作られた瓦があるなんて…。しかもれっきとした建設用で、日本家屋の屋根には漏れなく熨斗瓦が使われている。空手のパフォーマンスはその特性を利用した偶然の産物だったのだ!

といっても記事のなかでも説明したように、空手家が瓦割りをするのは力より精神的な意味が大きい。決して「いやいや、誰でも割れるんでしょ」などと思って見ないように!

新人ちゃん
私もそんな目線で見ちゃいそう…
マッチョ課長
さっそく、瓦を持ってきたぞぉ~。さぁ、割って割って!
新人ちゃん
……

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