夏の風物詩の金魚すくいは、日本の祭りでは高い確率で目にすることができる。金魚をすくえなくても1匹くらいもらえることが多く、飼った経験がある人は多いだろう。
しかし、金魚すくいの金魚は、ほとんどの場合すぐに死んでしまうと考えられている。一方で、金魚すくいの金魚が長生きした例もある。
実は簡単に実行できる方法で、金魚すくいの金魚を長生きさせることができるのだ。金魚すくいの金魚を長生きさせるコツについての雑学をご紹介しよう。
【動物雑学】金魚すくいの金魚を長生きさせるコツがある
【雑学解説】金魚すくいの金魚は弱っている
実は金魚すくいの金魚は、他の魚の餌などにするための金魚である。
もともと、ペットショップなどで販売する金魚よりランクが低いと判断されており、ひどい環境で飼育されたためかなり弱っている。できれば、金魚すくいのときはできるだけ体調の良い金魚を選んだほうが良い。
細かな判断は素人には難しいが、金魚の体調は背びれに現れる。背びれが立っている金魚は元気で、背びれがたたまれているものは体調が悪い。できるだけ、背びれが立っている金魚をすくうようにしよう。
とはいえ、金魚すくいで金魚を選ぶのはなかなか難しいだろうから、弱った金魚を元気にする方法を考えなけれならない。金魚をすくった後は、まず体力を回復させることが大切だ。
餌を与えると消化器系の負担になる。連れ帰った金魚には、少なくとも3日間は餌を与えないようにしよう。意外に思うかもしれないが、金魚に餌を与えすぎたせいで死ぬことは非常に多い。
食べ過ぎても体の負担になるし、食べきれない餌で水が汚れて、金魚が死ぬケースも多いのだ。
金魚は絶食に強いので、かなり長期間食べなくても死ぬことはない。餌を与えない方が体力の回復につながるのである。
環境を整えて金魚を休ませることが大事
金魚を持ち帰ったら、ビニール袋に入れっぱなしにしておくのは厳禁だ。金魚すくいの水が汚染されている可能性もあるので、早めにキレイな水の中に移した方が良い。
水道水は塩素を抜くために1日太陽の光に当てるか、塩素を抜く薬品を使うようにしよう。水に空気を送るエアレーションがあった方が良いが、あまり強く空気を入れるのも負担になる。使用する場合は弱めに調節しよう。
いきなり水質や水温が変わるのも金魚の負担になってしまう。移し替える水の中に、金魚をビニール袋ごと入れて水温を同じにしていく。30分ほどで、袋の中の水温は容器の水と同じになる。
その後は、袋の中に少しずつ水を加えて、水に慣らしていくとより負担がかからない。
弱ったときや病気のときは塩水浴もおすすめ
雑菌を殺すことと体力の回復のために、塩水に金魚を入れる塩水浴がおすすめだ。0.5%の塩水は金魚にとって最も負担がかからない上に、雑菌を殺す効果もあるため、体力の回復にはうってつけである。
1リットルに5gで、0.5%の塩水になる。塩分濃度は重要で、濃すぎると金魚が死んでしまうこともある。十分に注意しよう。
また、塩水は有益なバクテリアも殺してしまうため、弱ったときや病気のときだけ利用した方が良い。普段は水槽で飼うにしても、塩水浴はバケツなど別の容器で行うようにしよう。
塩水浴は、1週間から2週間ほど行うと良いとされている。塩水に入れて3日過ぎたら、餌を与えても良いが量は少なくすること。
1週間が過ぎたら普通の水に移せるが、少しずつ塩分濃度を減らしていった方が金魚に負担がかからない。
食べ残さない程度の餌を与え水を定期的に換えていれば、金魚が10年以上生きることは珍しくない。最初にしっかりと体力を回復させることが大事である。
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【追加雑学】実は金魚はたくましい
金魚すくいの金魚はすぐに死ぬことが多いせいか、金魚は弱い魚というイメージがあるかもしれない。しかし、金魚はかなり生命力の強い魚だということがわかっている。
日本では川に放流された金魚が増えすぎたことはないという。しかし、海外では金魚が大量発生し、川が金魚で埋め尽くされた例も存在する。
カリフォルニアにあるタホー湖では、50cmを超える金魚が大量に繁殖しているという。これらの地域では、増えすぎた金魚の問題は深刻になっている。
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環境によっては生態系の破壊が心配されるほど、生命力の強い魚なのだ。沖縄でも野生化した金魚が定着している。金魚すくいの金魚も体力を回復して元気になれば簡単に死ぬことはない。
ギネス記録では、43年生きた金魚が登録されている。
雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。金魚の飼い方はさまざまなことがいわれているが、餌を与えすぎないことと定期的に水を換えることが大切である。弱った金魚は塩水浴を行い、しばらく餌を与えないことでかなりの確率で元気になる。
塩水浴は、金魚が病気になったときにも治療に使われる便利な方法で、長期間行っても特に問題はないらしい。常に金魚を塩水で飼うことを考える人もいるようだ。
しかし、塩水は水草も枯らしてしまうし、金魚が慣れてしまって治療効果が望めなくなる。容器を移して、治療用のみにするべきだろう。
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