2016年を代表するアニメ映画といえば「君の名は」がランクインすることだろう。映像の美しさに加え、作中歌である「前前前世」・「スパークル」とのマッチ感に感動した人も多いのではないだろうか。
新海誠監督といえば「君の名は」以前にも、「秒速5センチメートル」や「雲のむこう、約束の場所」など、知る人ぞ知る名作を生み出してきた。そんな数ある作品の中で、大々的に取り上げられることは少ないが、実は人気を博している作品がある。
「言の葉の庭」という作品は、「新海監督の映画の中で一番好き」という声が多々上がることのある隠れた名作なのだ。あらすじや見どころとともに、この作品をご紹介しよう!
【サブカル雑学】「君の名は」と関係あり!?新海誠監督の隠れ名作!「言の葉の庭」
【雑学解説】「言の葉の庭」ってどんな映画?
キャッチコピーは「愛よりも昔、孤悲(こい)のものがたり」。
この映画は、夢に向かってただひたすら前進する男子高校生と、昼間からビールを飲んでいる謎の女性の恋物語である。この作品はとても静かな恋物語で、ライバルが出てきて悲しむ主人公や、それを慰めにくる同級生なんてものは存在しない。
新しい恋愛映画だと個人的には捉えている。ネタバレに注意しながらあらすじもご紹介していこう。
「言の葉の庭」あらすじ
靴職人を目指す高校生タカオは、雨の日の1時間目の授業はサボること、そして庭園で靴のデザインをすることに決めていた。ある雨の日、いつもの庭園に行くと、ビールを飲んでいる謎の女性ユキノがいた。
どこかで会った気がするタカオがユキノに尋ねると否定しながらも、「雷神(なるかみ)の 少し響みてさし曇り雨も降らぬか君を留めむ」という謎の言葉を残し去っていく。
そこから、雨の日だけに訪れるふたりの時間の中で、お互いの存在が心の中に留まるようになっていく。料理が得意なタカオは、料理下手なユキノのためにお弁当を作り、ユキノはそのお礼にとタカオが欲しがっていた靴作りの専門書をプレゼントする。
しかし梅雨が明けると雨の日は少なくなり、次第にふたりが会うことも減っていった。夏休みが明けた2学期、タカオが通う学校でユキノと再会する。古典の教師であるユキノが、庭園でビールを飲んでいた理由をタカオは知ることになる。
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筆者的「言の葉の庭」の感想・見どころ
今までの新海作品も映像がとても美しい。「君の名は」にいたっては、彗星が空を流れる場面なんかはほんとうにきれいだと思った。
しかし今のところ、映像美でいうと個人的にはこの「言の葉の庭」が堂々の1位である。この作品の中でたびたび出てくる庭園の、揺れる木の見事な再現具合に圧倒される。初めて見たときは、ほんとうにアニメなのか疑ったほどの美しさだった。
そしてなんといっても、ストーリーである。こんな静かな恋愛アニメを見たことがなかった。高校生と女性の恋愛ものというと、親に反対され世間に反対され逃げるように駆け落ちしたが、見つかって引き離されるといった王道が頭をよぎる。
この作品は、そんな場面をひとつも描いていない。ドロドロな関係になりがちな設定なのに、さすがは新海作品! 新海ワールド全開の、新しい恋愛映画を確立していると思う。恋愛ものが苦手な人でも、すっと心に入ってきやすく、見やすい映画ではないだろうか。
作中歌である、秦基博さんの「Rain」は流れてきた瞬間に鳥肌が立ち、泣きそうになるような感覚を覚えたことも記憶にある。
できることなら実際に見てもらいたいが、いち早くこの作品の素晴らしさを少しでも伝えたいため、予告編の動画を貼っておこうと思う。
【追加雑学】「言の葉の庭」のユキノが「君の名は」に?
古典教師であるユキノが、「君の名は」にちらっと登場するのはファンの中では有名な話である。
「君の名は」のヒロイン三葉が、授業で黄昏時について勉強しているシーンがある、そのときに教えているのが、「言の葉の庭」のユキノ先生なのである。
この作品を見たあとに「君の名は」をもう一度見るのもおもしろいかもしれない。
雑学まとめ
今回は、新海監督の隠れ名作「言の葉の庭」についての雑学を紹介した。
「言の葉の庭」に興味をもっていただけただろうか。映画や本を読んで得られる感情や知識は生涯を通して財産になる、と昔教えてもらったことがある。
貴重な時間を割いてこの記事を読んでくれている方には、ぜひこの作品を見て、またさらに自分の中の何かが増える瞬間を感じてほしいと思う。
見て損することが決してない、ほんとうに名作だと個人的には思っている。新海誠最新作「天気の子」も非常に楽しみだ。
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