人間の脳は10パーセントしか使われていない、と聞いたことがある人も多いのではないだろうか。これは事実ではないとされているが、そういった話が出るほど、人間には秘められた可能性があるということだろう。
身体的な能力を超え、精神的な能力が開花する人も中にはいるのだ。今回はその秘められた人間の能力、「共感覚」についての雑学を解説していこう!
【人体雑学】「共感覚」とは?
【雑学解説】共感覚とは一体どういう感覚なのか?
共感覚についてよくいわれているのは、何かに色がついているというものだ。その何かとは、音であったり文字であったり数字であったりと様々である。
匂いから色を、痛みから色を、中には他人に色がついているのを感じる人もいるという。形から味を感じる場合もある。これまで150種類以上の共感覚が確認されている。
共感覚に共通する特徴
何に色や味を感じるのかは人それぞれだが、その中でも共通する特徴がある。いくつか例を挙げてみよう。
まず、色を感じたりすることは無意識に起こり、自分でコントロールできるものではないということ。見ようとして見ているものではないのである。
次に、最初に感じた色が変化することはないということ。たとえば数字の1についている色は、人によって赤・青・黄色とそれぞれ違う。しかし1は赤だと感じた場合、その色が変化することはないのである。
そして、共感覚には感情が伴うということ。たとえば、時間に色が見える子供が、19時にご飯を食べるよう促すと嫌がったとする。その理由は、その子供にとって19時に感じる色がひどく汚い色で、その汚い色の時間に食事をすることが嫌だった、といった具合である。
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【追加雑学①】共感覚を持つ人の苦労
自分のもつ感覚が人と違うことに気付くのは、おそらく子供のときだろう。本人は、何かに色がついていることが普通であるため、もちろん他の人にも見えていると思っている。
そのことを口に出した際、友達や先生、親からも否定される。おかしなことをいうと心配して、病院に連れて行く親もいるようだ。自分が人とは違うとわかった子供は子供なりに、言わない方がいいことなんだと判断し、その話をしないように気をつけたりする。
決して悪いことではないのに、共感覚というものが世間的に広く知られていないため、そういったことが起こるのだ。共感覚をもつ人は、自分と同じ感覚をもつ人がいることを知るまで不安な日々を送ることになる。
【追加雑学②】共感覚を持つ人と仕事
その特殊な感覚を仕事に活かす人もいるようだ。職種と、どういったことに共感覚を役立てているのか紹介していこう。
共感覚を持つゲームクリエイター。音には色・形・動きがあるという、自分の見えている世界をコンセプトにゲームを作ったそうだ。そこに振動を加え、視覚・聴覚・触覚による共感覚体験を実現したという。
さらにあの有名な「叫び」を描いたエドヴァルド・ムンクも、共感覚をもっていたといわれている。散歩中に聞いた、自然界には有り得ない叫びを描いたというのだが、それはまさしく、強烈な音が叫びのように聞こえた、ということではないのだろうか。
雑学まとめ
今回は「共感覚」についての雑学をご紹介した。人間には、まだ解明されていない不思議な能力が多く存在する。しかし、人と違う能力をもった人の苦労は計り知れない。
理解されることは難しく、うそつき呼ばわりされることだってあるだろう。そうした経験をした人は、自分の能力をひたすら隠して生活するようになる。いつまでたってもたくさんの能力が解明されないのには、そういった背景が関係しているのではないだろうか。
身近な人から、広く知られていない特殊な能力を告白されたとき、理解できなくてもいい。しかし否定はしないであげてほしい。大切な相手ならなおさら、そのことについて知ろうとする気持ちが必要なのだ。
ひとりでも多くの理解者が増え、特殊な能力を持つ人が自分を偽らずに暮らせる世界を作り上げていきたいものだ。
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