南アフリカに位置する「レソト王国」は、「アフリカのスイス」「天空の王国」などと呼ばれる国である。「いや、スイスはヨーロッパでしょ」なんてツッコミはご遠慮願いたい。そのぐらい、美しい景色が見られるということである。
そんなに綺麗なのか…と興味をそそられるところだ。そしてレソト王国の景色が美しいことには、世界に誇れるとある理由がある。日本人には想像もつかないその暮らしに、きっと憧れるはずだぞ!
【世界雑学】世界一標高の高い国「レソト王国」とは?
レソト王国は国土のほとんどが1,400メートルを超える山岳地帯。山道が多いため、メインの移動手段は馬。
【雑学解説】南アフリカ最高峰の山の上にある国!レソト王国
レソト王国は、国土のほとんどがドラケンスバーグ山脈の山岳地帯になっているため、国全体の標高が1,400メートルを超えている。最高峰は3,482メートルで、これは南アフリカ全体を含めても一番高い。
要するに「南アフリカで一番高い山の上に国がある」という感じだ。国民全員がハイジのような暮らしをしているといっても過言ではない。「天空の王国」の異名はだてではなく、文字通り世界でもっとも標高の高い国なのだ。
山の上の国ということで想像もしやすいように、畜産が特に盛んで国土の65%が放牧に利用されている。主要な街を離れると広い道もないので車やバスが通れず、馬での移動がメインになる次第だ。
ちなみに鉄道はあるにはあるが、主に国外へのアクセスに使われるもので、駅は国境にある首都マセルにしかない。秘境とはこのことだ。
以下の動画には、レソト王国の見どころがギュッと濃縮されている。ヤバイ…マジでリアルハイジではないか!
途中に登場する滝は「マレツニャーネの滝」といい、その落差はアフリカ大陸でも最大の192メートル。レソト王国ではこのような圧巻の自然が体感できる。
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爽やかな気候!冬にはスキーも楽しめる?
アフリカといえば熱帯の気候を思い浮かべるが、レソト王国はその標高にあるがゆえ、爽やかな気候で、日本同様に四季もある。そのため住んでいる人たちもウール地のブランケットを羽織っていたりと、アフリカらしくない装いだ。
冬にはなんと雪が積もって、スキーまでできるというぞ! アフリカでスキーができるだなんて、想像したこともない!
なんでも現地では「アフリスキー」などと呼ばれているらしい。そのまんまだが、わかりやすいネーミングである。
【追加雑学】レソト王国はとっても小さい!これからの発展が楽しみな国
レソト王国の国土は、日本でいえば四国より少し大きくて、九州よりはやや小さいぐらい。国と呼ぶにはかなりミニマムだ。その立地にしても、周囲をグルっと南アフリカ共和国に取り囲まれ、まるで「国のなかに国がある」みたいな状態になっている。
標高やアフリカらしくない気候も合わせて、非常にユニークな国なのだ。
またその小ささからもわかるように、国力も決して高いとはいえない。経済に関しても最近でこそ繊維産業や観光事業が伸びているが、そもそも遊牧民として暮らしてきた人たちなので、まだまだこれからといった感じである。
そうやって国の発展に奮闘する様子も、田舎の町おこしを彷彿とさせ、なんとなく好感を覚える。
ちなみに実は日本との友好度が高く、2016年11月には、レソト国王が東日本大震災の被災地を訪問しているぞ。きっと地域の繋がりが強く、他者を思いやる心をもった国民性なのだろう。
雑学まとめ
世界で一番の標高に位置する国、南アフリカのレソト王国。
その全貌は車もバスも通れない、豊かな自然に囲まれた国だった。国外からアクセスできる駅がひとつしかなく旅行には少々骨が折れるが、都会に疲れた現代人がおもむけば、リフレッシュできることは間違いない。
筆者の「行ってみたい国リスト」にもバッチリ組み込まれた! 自然を堪能したいなら、ぜひレソト王国へ!