映画にもなるような、かなりドラマチックな波瀾万丈の人生を送っていたマリー・アントワネット。彼女を見た人すべてが認める美貌の持ち主でお肌もすべすべ。
かわいらしいお嬢さんである反面、ワガママ・軽率で残念という悪評も高い。そんな彼女が当時のファッションを牽引していた?
アムラー・ハマダーより何世紀も前に、「アントワネッター」を生み出した彼女のファッションについての雑学をご紹介しよう! 著者は女だが、参考にするポイントはあるのだろうか…。
【面白い雑学】マリー・アントワネットはヨーロッパのファッションリーダーだった!
【雑学解説】マリー・アントワネットの斬新なファッションの数々
オシャレが大好きなマリー・アントワネット。彼女のオシャレっぷりはいろんな漫画や映画でも取り上げられるほど有名で、今でも憧れの存在。
それは一人の女性との出会いから始まる。マリー・アントワネットが王妃になってまもなく、ローズ・ベルタンというファッションデザイナーを紹介された。彼女とマリー・アントワネットはいつも二人でお部屋にこもって、新しい「カワイイ」を考えていた。
誰もが息をのむ美貌の持ち主と最高のデザイナーがタッグを組めば、それはもう流行るしかないという好条件。マリー・アントワネットの新しいファッションは瞬く間に広まっていった。
そしてそれは国内だけにとどまらず、スペインやポルトガル、ロシアの上流階級の女性にも話題の的になり、ヨーロッパ中のファッションリーダーとなって、アントワネッターがどんどん増えていったのである。
香水革命児だったマリー・アントワネット
当時、おフランスではお風呂に入る・シャワーを浴びるといった習慣がなく、わりと、いやけっこうお不潔な環境でトイレなんかもない状態。窓の外に糞尿を投げ捨てていたというパンクな状況であった。
それゆえに人々の体臭も想像通りで、それをごまかすために、ムスクなど動物系のかなりキツイ香りをふりかけまくっていたという。寿司屋には絶対に行けない。
一方マリー・アントワネットは、小さい頃から入浴する習慣を教えてもらっていたので、入浴は日課であり、この記事を書きながらすでに美女特有のいい香りが漂ってくる気がする。
彼女はキツイ香りを好まず、ほんのり甘いバラやユリ、ハーブなど、植物系のナチュラルな香りを身にまとっていた。やがて入浴の習慣も広まり、貴族たちの間にも彼女の好む軽やかな香りが広まっていった。
扉を通れないドレス、作っちゃいました。
ウイーンにいた頃やフランスに嫁いだあとも、もともとは決められた服を着ていたのだそう。オンナノコなのにつまんないわとも思っていなかったようだが、彼女の美貌や地位によって、だんだんと周りからの注目度は増し、注目されるにつれ、ビジュアルに気を使うようになっていった。
そこで先程述べたデザイナーとの出会いによって、身につけるドレスのクオリティはどんどん高まっていき、フリルやリボンのついたデザインで乙女心をくすぐった。
当時、上半身はこれでもかというくらいにコルセットで締め付け、下半身はパニエでふんわりさせたスカートで、ウエストをいかに細く見せるかというファッションが流行していた。が! もっと大きくもっと大きくと、スカートのボリュームはどんどん大きくなり、扉に引っかかって通れないこともあったという。
盛り髪と白髪ヘアーのムーブメント
一昔前によく見かけた「盛り髪」だが、彼女は髪を盛って高く結い上げるこの盛り髪も考案したとされる。より高く、より大きく。
大きさだけにとどまらず、飾りにも草木や動物の模型をあしらった「庭ヘアー」や、船の模型をあしらった「舟盛りヘアー」を打ち出し、世間の目を惹いた。どん引きの方の「ひいた」じゃないよね、きっと!
そして美しい白髪ヘアーは、なんと小麦粉を頭からお肌までかぶっていたというのだ。小麦粉をかぶり、頭には鳥かごや薔薇の刺さった花瓶が乗っている。
かなりエキセントリックな気もするが、ムーブメントを起こせそうな雰囲気は満々にある。そして実際起こっていた。
斬新すぎるファッションが理解できない
もともとはニキビのためなどに使われていた黒いパッチを、白い肌を際立たせるために貼り付ける。
それだけ聞けば、まああることかな、チャームポイントとしていいんじゃないと思うが、それは星・三日月・ダイヤ・ハートなどを適度にちりばめるといった様子で、もうファッションがわからなくなってきた。
マリー・アントワネット発!11月3日はハンカチの日
実は、ハンカチが現在の四角い形になったのも彼女の影響というのだ。ハンカチはけっこう昔からあるようで、古代エジプト時代から存在した。
もともと首に巻いたり日よけにしたりと様々な形があった。しかし当時のヨーロッパでは、贅沢な品物としてハンカチを持ち、様々な趣向を凝らせたものだった。刺繍や宝石がくっついていたり、形も様々だったり。長方形や三角形、さらに円形や卵形などがあり、誰がゴージャスかを皆競い合っていた。
それを嫌ったマリー・アントワネットが「正方形に統一してよ」と言ったことから、旦那様のルイ16世が「嫁、ハンカチ正方形にしろってよ」と、「ハンカチは縦横同じ長さにせよ」と法令を布告した。
そして彼女の誕生日である11月2日に近い祝日(11月3日)を「ハンカチの日」としたのである。
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【追加雑学】「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」の真相
マリー・アントワネットのことについてあまり知らなくても、このセリフは知っているだろう。
「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」だ。
実は、自由奔放わがままガールの発言ではなかったとされる説もある。実際には、彼女のことを疎ましく思っていた他の貴族たちの作り話で、実際の彼女はとても心優しい人であったとか。
また別の説では、このお菓子とは、正確に訳すとブリオッシュのこと。パッと見だと、通常のパンよりも卵やバターがふんだんに使用されていて甘く、お菓子に近いという扱いで、「この贅沢娘が!」と思われがちだが、実はこのブリオッシュ、パンよりも安い小麦粉が使われていた。
要するに彼女が言いたかったのは、パンの半分の価格であるブリオッシュでいいじゃないという意味だったそうだ。
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雑学まとめ
今回は、自分勝手で好き放題、浪費癖により国をも傾けた、いけ好かないフランス王妃というイメージであった、マリー・アントワネットのファッションにまつわる雑学をご紹介した。
悪名高き彼女だが、オシャレが大好きで、それは周りのみんなもついていっちゃうくらいのパワーの持ち主、実は心優しい、ちょっとだけ浮世離れしてるけどキュートなお嬢さんという一面もあり、三角のハンカチにならなかったことに感謝をしようと思う。