オードリー・ヘプバーンが初々しくてうっとりとしてしまう、あの永遠の名画「ローマの休日」に出てきた「真実の口」。ウソの心をもつ人が手を入れると噛み切られてしまうという、ドキドキものの口。みなさんの中にも、実際にローマを訪れてそこに手を突っこんだ人も少なからずおられるのではないだろうか。
その「真実の口」は、もともとマンホールの蓋だったという雑学があちこちでささやかれている。驚くと同時に湧き上がってきた思いは、うーん…あのローマのことだからあり得るかも…であった(汗)。
そこで、今回は、その「真実の口」の「真実」を探るべく、いろいろと調査を開始することにした。
【面白い雑学】「真実の口」はもともとマンホールの蓋
【雑学解説】「真実の口」は古代ローマのマンホールの蓋だった、らしい…
あの「真実の口」の顔をよく見てみると、ヒゲだけでなくて、角も生えていることをみなさんはご存知か? どうしてそのようなデザインになったのだろうか?
調べてみると、川の神とか港の神とかいくつか説はあるようだが、ギリシャ神話に登場する海神「オケアヌス」の顔を模して作られたもののようだ。
そこから察せるかもしれないが、古代ローマでは水をとても重要視していた。だから、あの時代にいち早く水道や下水道を整備したといわれている。
そのように水を重要視していた古代ローマ、排水口にも敬意を払って、マンホールの蓋に水を司る神の顔をかたどったものを使ったのだという。ふむふむ、なるほど…。意外にあっさりと一件落着か…。
「真実の口」は屋根の排水をするためのものだった説
と思いきや、このマンホールの蓋説に「待ったあー!」をかけた意見がある。
その意見はマンホールの蓋に使われていたとしたら、もっと劣化しているのではないかというものだ。たしかに、あの「真実の口」はいまだにきれいに原型をとどめている。もし水が流れ落ちていたとしたら、穴のあいている目・鼻・口の周りももっと色が変わっていると思われるのにそれもない。
そのため、マンホールでなくてどこかの屋根の上に設置して、雨水を排水するために使われていたのではないかという説が考えられた。
うーむ、それってどうなんだろう。そもそもあの「真実の口」って、直径が175センチもあって、重さに至っては1.2トンもあるのだ。それをかぶせることができる建物って「どんだけ~!?」である。
屋根からか地面からか、その位置は諸説あるとしても、排水をするために使われたのには変わりがないということだ。
…ということで、まとめると「真実の口」は古代ローマの排水口の蓋だった、という結論になる。
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【追加雑学①】日本にも「真実の口」があるって知ってた?
何が面白くて設置したのか理解に苦しむが、この「真実の口」のレプリカが日本にもあるというのだ。それも大阪や小田原や沼津など、いろいろなところにあるというのだから驚きである。いずれも客寄せパンダの効果をねらってのことだろうが…。
ローマの「真実の口」の前でウソをつけば手がなくなるよといわれると、何だかソワソワしそう。しかし、レプリカの前ではどんなものなのだろうか。「?」マークが連なってしまう。
【追加雑学②】「ローマの休日」撮影秘話!初々しいヘプバーンの動画をご覧あれ
この「真実の口」を一躍有名にしたのが「ローマの休日」だ。この映画は、ヘプバーンのデビュー作ということもあって、撮影の期間、ヘプバーンはとても緊張していたという。(うう、何と愛らしい…。)
そのヘプバーンの緊張をとくために、相手役のグレゴリーペックが、アドリブであのシーンを演じたらしい。そして、びっくり仰天したヘプバーンは本当に泣きだしたというのだ。
どこまで本当かどうかは、今になってはわからない。しかし、そんな撮影秘話を思い浮かべながら、「真実の口」のシーンを見るのもいいかもしれない。
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雑学まとめ
さてさて、世の中(一部だけど)を騒がせた「真実の口」の真相についての雑学をまとめてみた。古代ローマで排水口の蓋として使われていた、ということで一件落着で良さそうだ。
しかし、本当はそれよりももっと知りたいことがある。それはどうしてウソのある人間が「真実の口」に手を入れたらその手が切り落とされるという伝説ができあがったのか、ということである。
私は古代ローマのことだから、おそらく残酷な処刑がベースになっているのだろうと推測はしている。いつかこれについても、論議してみたい。うふふ、楽しみだ。