奈良公園には、およそ1200頭のもの鹿がいる。もちろん、全てがもりもり食べてウンチをするわけだから…あまり想像はしたくない。
しかし、予想に反して公園の中は超キレイ!? 嫌な臭いもないし…、職員が掃除をめっちゃ頑張っているんだなと思ったが、どうやら違うようだ。
その秘密はある習性を持った虫にあるという。鹿と虫の意外すぎる共存関係について、詳しく解説する。
【面白い雑学】奈良公園の鹿のウンチは虫が掃除している
【雑学解説】奈良公園には鹿のウンチを食べる虫がいる
日本にはウンチを食べるコガネムシなどの糞虫が、およそ150種類生息している。その中の50種類が、奈良公園に集まっているというのだ。
ウンチを食べて、細かく分解! 1200頭いる鹿のウンチは1日で1トンにもなるが、それでも公園内はキレイなままである。
人間は一切掃除をしていないとのことだから、その能力は凄まじい…。産み付けられた卵まで一緒に食べてしまうため、ハエもほとんど発生しないそうだ。
鹿の糞は食物繊維が豊富なので、糞虫にとっては超ご馳走らしい。苦労せずとも食事にありつける奈良公園は、糞虫の楽園といってもよいだろう。
【追加雑学①】奈良公園に生息しているフンコロガシ【動画】
糞を食べる虫といえば…黒いフンコロガシを思い浮かべる人は多いだろう。たしかに奈良公園に生息している糞虫は、フンコロガシの一種である。
しかし、イメージに反してその姿はとても色とりどり…! 茶色や黒など地味めのカラーから、緑や赤っぽいものまで様々だ。
なかでも目を引くのが、オオセンチコガネ。日本中に生息しているが、奈良にいる個体は特別で、ルリセンチコガネとも呼ばれている。他と違って、なんとも鮮やかな瑠璃色をしているのだ。
動画でもルリセンチコガネが解説されている。ほんとにグラデーション掛かったきれいな色合いだ。
トンボやハエから逃げ惑うくらい虫は苦手だが、たしかにちょっとだけキレイかもしれない…。奈良公園に行く機会があったら、少し探してみようかな。
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【追加雑学②】奈良公園の鹿はほとんどが野生
奈良公園にいる鹿は、国の天然記念物に指定されている野生動物だ。誰かに飼われているわけでもなく、エサ付けされているわけでもない。
主食はそこらへんに生えている芝で、デザートは観光客から貰う鹿せんべい。奈良公園の鹿は鹿せんべいを持っていると、お辞儀をしてくれる。
しかし、実際の野生の鹿はなかなか危ない…。奈良ではないが、追いかけ回されたことがある。エサを片手に大量の鹿に囲まれた時は、命の危険を感じたものだ。可愛い顔をしているが、油断は禁物である。
奈良公園の周囲では鹿が道路を普通に歩いている。鹿飛び出し注意なんて看板もあるほどなので、奈良に行く時は交通事故に気をつけよう…。
【追加雑学③】奈良公園の芝は鹿の影響で小さい
奈良公園の芝は一般的な芝と比べると、小さく成長が早い。なんと、鹿が食べ続けることで、独自に進化したのである。
刈らなければ伸びない芝を、鹿がガツガツ食べて整える! 芝刈りは一切不要なんだとか…。通常なら芝刈りだけで年間100億ほどかかるので、まさに鹿様様だ。
しかも、糞虫が分解した鹿のウンチは、芝にとって良い肥料になる。お互いの食料を提供しながら、良い関係を築いているのだ。
奈良公園の雑学まとめ
虫が持つお掃除パワーに、とても驚いた…! 清潔な公園で鹿と触れ合えるのは、他ならぬ糞虫のおかげである。
糞虫というと汚く感じるが、仕事熱心な縁の下の力持ちなのだ。奈良公園での共存関係は、理想的といって良い。
この雑学を知っていれば、奈良公園での散策がより楽しくなるだろう。