肌寒い季節になると、コンビニで肉まんを買うのが楽しみになる。ピザまんやあんまん、角煮まんのような変わり種も年々増えてきて、いろんな味を楽しめるのもまたうれしい。
そうやって肉まんを堪能する時間はまさに至福だ。しかし、ひとつだけ気がかりなことがある。
「あの下についてる紙、いらなくね?」
そう、肉まんを買うとどういうわけか、いつも下に薄い紙がついてくる。どうせ剥がして捨てるのだから、最初からないほうがいいのではないか? などと思っていたが…あの紙には重要な役割があったのだ!
【食べ物雑学】肉まんの下の敷き紙の意味ってある?
【雑学解説】肉まんの下の敷き紙の名前は「グラシン紙」
肉まんの下に紙がついているのは、肉まんを蒸す際、蒸し器の網と肉まんがくっついてしまわないようにである。
なるほど、たしかにふわふわでモチモチの肉まんを、直接網に乗せて蒸せば、蒸しあがった肉まんを持ち上げた瞬間に底が剥がれてしまいそうだ。
ちなみに下についている紙には特殊なものが使われているため、肉まんを崩さずに剥がすことができるのだとか。うむ…そういえば普通の紙ではなかったような。そもそも普通の紙では、蒸すときの水分でふやけてしまうし…。
肉まんの下に潜むソイツの名前は「グラシン紙」。原料のパルプを細かくすりつぶし、表面がツルツルになるように薄くプレスして作られる、ちょっぴり手間のかかった紙である。ツルツルがゆえに肉まんからも剥がしやすいし、耐水性もあるのだ!
ほかにグラシン紙が使われている代表例を挙げると、昔懐かしい紙風船、高級チョコレートの箱のなかに敷かれている紙などがそうだ。たしかに! どちらもツルツルの薄い紙が使われている。
ちなみに「せいろ敷き紙」「セパレート紙」のような名前で売られている場合もあるが、どれも例外なくグラシン紙である。
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【追加雑学①】グラシン紙をきれいに剥がす方法【動画】
グラシン紙はそもそも剥がしやすいように作られているものだが、それでもチルドの肉まんなどを買うと綺麗に剥がれず、皮がボロボロになってしまうことがある。
実はこれは、「温める前に一度グラシン紙を剥がし、貼り直してから温める」という方法で防ぐことができる。以下の動画でもこの方法が紹介されているぞ!
動画後半に登場する、一度剥がして温めたもののほうが、明らかに綺麗に剥がれている。
一度剥がして隙間ができることで、温めた際に紙と肉まんの間に染み出した水分が飛ぶので、くっつくのを防げるのだ。ちなみに電子レンジだけではなく、蒸し器を使う場合にも有効な方法だぞ!
【追加雑学②】グラシン紙はちょっとぐらいなら食べても大丈夫
剥がすのを忘れていて、うっかりグラシン紙を食べてしまったというのも、実は結構よくある話だ。子どもに食べさせると特に多いのではないか?
これに関していうと、食品に直接触れるものである以上、グラシン紙が人体に有害である可能性はほぼない。『食品衛生法第三章』で、基準を満たしたものでなければいけないと定められているからだ。
そもそもグラシン紙の原料のパルプは木材の繊維を細かくしたもので、危険な化学物質は含まれていない。印刷に関しても自然由来の塗料を使っているので安心だという。
ただヤギではないのだから、わかっていてムシャムシャ食べるものではないぞ。飽くまでも「うっかり食べても大丈夫」ぐらいに捉えておこう。
肉まんの雑学まとめ
肉まんの下に潜むグラシン紙は、蒸し網にくっつくことを防ぎ、私たちのもとに綺麗な肉まんを届けるための、まさに縁の下の力持ちだった!
「いらなくね?」なんて思っていたが、無意味なものをわざわざつけるほど、メーカーも暇ではないのだ。さて…今日は肉まん・ピザまん・あんまん、どれにしようかな!