体型に気を遣っていても、油断するといつの間にか太っていることがある。皆さんも健康診断などで経験したことがあるだろう。自分が思っていたよりも体重が増えていると、非常にショックである。
なかには、脂肪が増えてきて体が重く、体調が優れなくなっている人もいるのでは?
しかし、太ることは体にとって不健康なだけではなく、脳にも良くない影響を与えることがわかった。
今回は、太ることで頭が悪くなるかもしれない雑学について紹介しよう。太り続けていると、脳が老化していくのだ。
タイムリミットは4年である。う~ん、長いような、短いような。
【人体雑学】太ると頭が悪くなるかもしれない…!
【雑学解説】BMIが増えると認知機能が低下していく
アメリカのアリゾナ大学の研究で、体重と認知機能の関係について調べたものがある。この研究では、イギリスに住んでいる21,500名の15年分の健康データを使用して、2年~4年ごとに全員のBMIと認知レベルを調査した。
その結果、BMIが4.34ポイント上がるごとに、認知機能が2.22か月ほど老化することがわかった。
また、CRPの数値が2ポイント上がるごとに、認知機能が1.85年ほど老化することもわかった。
ここで出てきたCRPとは、C反応性タンパクを略したもので、簡単に説明すると体の中で炎症が起こっているときに、血液中で上昇するタンパク質である。肝臓やその他の臓器・全身の炎症・細胞の破壊などで数値が上がる。
ちなみに、BMIが4ポイントほど上がるというのは、身長170cmの人が約12kg太ることになるので、かなり太らないと出てこない数値ではある。
それでも、太ることや体内で炎症が起きることで、脳の認知機能が低下するというのは恐い話だ。
研究者は、「BMIが高くなるほど、炎症のレベルが上がる。これらの数字は小さいものだが、加齢と同時にこの現象が起きるため、臨床的には十分に意味がある。」といっている。
また、「体重が増え始めると、次の4年間で体内のCRPが急上昇する。CRPが増えると、その次の数年で認知機能の変化が起きる。
BMIの変化によって全身に炎症が起こり、認知機能の低下が予測できるのだ。体重を減らすことは、体にも脳にも良い。」ともいっている。
つまり、「太る→脳が炎症を起こす→脳の機能が低下する」という流れになるわけか。
肥満も炎症も恐ろしい。体も脳も健康でいるためには、スリムになる。もしくは標準体型をキープした方がいいのだろう。
スポンサーリンク
【追加雑学】太ると脳が縮む可能性がある
太っている人を追い込んでいるようで申し訳ないが、もう一つ太ることが脳に悪影響を与える研究がある。
これはイギリスのラフバラー大学の研究で、9,652名の男女を対象にして、体脂肪の測定と脳のサイズのスキャンを行なった。
その結果、体脂肪が多くなるほど、脳の灰白質が小さいことがわかった。
灰白質は脳の神経細胞の中心となる細胞体が集まっているところなので、灰白質が小さいということは、脳の神経細胞が少ないということになる。
研究者は、「肥満の人は脳の灰白質が小さい傾向にあった。この現象は、特に中年期において顕著だ。ただし、脳の構造に異変が起きたから太ったのか、肥満のせいで脳の構造が変わるのかはよくわからない。」といっている。
つまり、脳の灰白質が小さいことが原因で太っているのか、太ったことで脳の灰白質が小さくなったのかは、まだ分からないということか。
いずれにしても、太っている人の脳が小さい可能性は高い。なるべく肥満は解消した方が良さそうだ。レッツ! ダイエット!
雑学まとめ
今回は、太ると頭が悪くなるかもしれない雑学についてご紹介した。
多少の体型変化は良いとしても、大きく太ると脳の認知機能が下がる可能性があることがわかった。肥満によって、脳が炎症を起こし、機能が低下するからだ。
その炎症を鎮火するためにも、太っている人や太ってしまった人はダイエットして、標準体型に戻しておきたい。
体をスマートにして、頭もスマートにしよう。…なぜだろう、この最後の表現が妙に恥ずかしい。顔が少し炎症を起こしてきたようだ。
おすすめ記事
-
しぶとい。脂肪細胞の寿命はどれくらい?【白色脂肪細胞】
続きを見る