体の仕組み

しぶとい。脂肪細胞の寿命はどれくらい?【白色脂肪細胞】

雑学カンパニー編集部

雑学カンパニーは「日常に楽しみを」をテーマに、様々なジャンルの雑学情報を発信しています。

人間の脂肪細胞の寿命は約10年という雑学

「ダイエット」…それはわれわれの永遠のテーマではなかろうか? 筆者は体重が増えないように、朝と夜毎日体重計に乗っている。食事は、だいたいいつもカロリーを計算しつつ摂取している。

たまに暴飲暴食するが、その後はいつもよりさらに節制をするように心がける…といった生活だ。まぁ、それでも若干太ったけど。

そんなストイックな生活を送っていたにも関わらず、約1年の海外留学後に日本に一時帰国すると、「ひさしぶり」のあいさつより先に、「あれ、太った?」というあいさつをされることが多かった。

…さて、「太る」ということは「脂肪が増える」ということであるが、脂肪細胞の寿命は長い。それゆえにやっかいな存在なのである…。

今回の雑学テーマは、この「脂肪細胞」について詳しく解説していくので、ぜひ見ていっていただきたい!

【人体雑学】人間の脂肪細胞の寿命は約10年

ダヴィンチさん
白色脂肪細胞は細胞の中では最も長生きで、その寿命は約10年なんだよ。
科学者くん
10年も生きる細胞なんてあるんですね!…ところで、白色脂肪細胞って何ですか?

【雑学解説】白色脂肪細胞の寿命は約10年

白色脂肪細胞の寿命は約10年についてのトリビア

白色脂肪細胞とは、中性脂肪を貯めこむ働きを持つ細胞のことだ。

これは全身に散らばっているのだが、特に上腕部・背中・下腹部・お尻・太もも・内臓の周りに多く存在している。一般的には、これらの部位には脂肪が付きやすいといわれているが、これはこの白色脂肪細胞が影響している。

この白色脂肪細胞の寿命は、10年程度といわれている。皮膚細胞の寿命が1か月程度、赤血球の寿命が4か月程度。これらと比べても白色脂肪細胞は格段に長生きする細胞なのはお分かりであろう。

それほど長い寿命を持つがゆえ、この細胞は少々やっかいなのだ。

科学者くん
細胞が長生きするって、ボクたちの体に良さそうな気がしますけど…。

おすすめ記事

人間の細胞は6~7年で入れ替わるという雑学
人間の細胞は6〜7年で入れ替わるぞ!入れ替わらない細胞もあるが…

続きを見る

白色脂肪細胞はダイエットをしてもなくならない

実は、食事制限や運動などを行っても、白色脂肪細胞は完全に「消滅」するわけではない

この細胞が「徐々に小さくなっていく」ことで、体脂肪が減少して痩せていくのである。逆をいうと、ダイエットによって完全に白色脂肪細胞が消えるわけではないから、暴飲暴食を繰り返せばこの細胞はまた大きくなっていくのである。

過剰なカロリー摂取によって、なんと通常の3~4倍まで細胞が成長してしまうこともある。脂肪が気になる人は、日ごろから食生活に気を付ける必要があるだろう。

ダヴィンチさん
数個だけならともかく、無数の細胞が3~4倍に増えると考えると…ぞっとするね!

スポンサーリンク

【追加雑学】脂肪細胞には3種類ある

脂肪細胞には3種類あるというトリビア

さて、脂肪細胞には、上記でご紹介した白色脂肪細胞以外にも、褐色・ベージュと計3種類あることをご存知であろうか?

「脂肪」細胞というと、なんだか太ってしまいそうな細胞な気もするが、実は「痩せる脂肪」というものも存在するのである。

① 白色脂肪細胞

まず、すでにご紹介済みの白色脂肪細胞は、エネルギーを体内に貯えておくためのもの。いわゆる「太る脂肪」である。

「わしゃ太りとうない! なんで脂肪を貯めこむ必要があるんじゃい!」と叫びたくなってしまうところである。しかし、脂肪を貯えておくことで、緊急時にその脂肪をエネルギーとして使うことができるので、生物が生存するためには必要な機能なのだ…。

ちなみに、普通体型の成人でこの白色脂肪細胞は、250~300億個程度あるといわれている。

科学者くん
太る脂肪が億単位であるなんて…ボクのお母さんが知ったら絶叫しそうです…!

② 褐色脂肪細胞

褐色脂肪細胞は、体内のエネルギーを熱に変換して外に放出する役割を持つもの。白色脂肪細胞とは反対に、「痩せる脂肪」である。

この脂肪細胞は、赤ちゃんのころにはたくさんあるのだが、成長とともにその数が減少していくのだという。中年になると太りやすいといわれるのは、この褐色脂肪細胞の数が減ることも一因のひとつといわれている。

この褐色脂肪細胞の主な分布部位は、首周り・肩甲骨周り・脇下・心臓や腎臓の周りだ。たしかに、このあたりには脂肪が付きづらい。

③ ベージュ脂肪細胞

ベージュ脂肪細胞は、2012年にその論文が発表されたばかりの新しく発見されたもの。白色脂肪細胞が寒冷の刺激によって変異したものである。

この脂肪細胞は、褐色脂肪細胞と似た熱を作り出す働きを持つ。「白」と「褐色」の中間だから「ベージュ」とは、なかなか安易なネーミングである。

さて、ベージュ脂肪細胞は、寒いところにいたり、適度に運動することによってその数が増える。しかし、その寿命は短く20日程度でそのほとんどがなくなってしまうという。つまり、痩せたい人は日々運動をする必要があるということだ。

ダヴィンチさん
痩せたい場合、食事制限だけでなく運動もプラスしたほうが良さそうだね。

雑学まとめ

長生き…!脂肪細胞の寿命はどれくらい?【白色脂肪細胞】についての雑学まとめ

今回は脂肪細胞についての雑学をご紹介した。脂肪細胞には3種類あり、それぞれ白色脂肪細胞・褐色脂肪細胞・ベージュ脂肪細胞となっている。

その中でも、体にエネルギーを蓄えておくための白色脂肪細胞の寿命は10年と長い。これはダイエットをしても消滅するわけではないので、暴飲暴食をすればまた細胞は大きくなってしまう。

一方、褐色脂肪細胞やベージュ脂肪細胞は体から熱を放出する働きを持つ痩せる脂肪だ。褐色脂肪細胞は年齢とともに数が減少し、ベージュ脂肪細胞は寿命が短い。

太るときはあっという間なのに、痩せるのには時間がかかってしまうのは、これらの脂肪細胞が影響しているのであろう。あーあ、人生ってうまくいかねぇなぁ…。

科学者くん
ボクのお母さんは年中ダイエットをしているけど、白色脂肪細胞と戦い続けている状態なんですね…。
ダヴィンチさん
まあ…そうかもね…。体重コントロールは、白色脂肪細胞が大きくならないように日々の積み重ねが大事だからね。

おすすめ記事

脳の神経細胞は一度ダメージを受けると、二度と新しくならないという雑学
脳細胞は小学生までで成長が止まる。しかも修復できない。

続きを見る

いま読まれている記事

  • この記事を書いた人

雑学カンパニー編集部

雑学カンパニーは「日常に楽しみを」をテーマに、様々なジャンルの雑学情報を発信しています。