お恥ずかしながら、筆者は紅茶の種類がよく分からない。有名な「茶葉」は名前くらいなら知っているが、最近ではいろいろな香りつき茶葉が販売されている。おまけに舌を噛みそうな長いカタカナ名まで…。
そんな無知な筆者でも「オレンジペコ」は聞いたことがある。だが、実はオレンジペコはオレンジ味ではないという雑学を、つい最近耳にした。
えっ、なぜ? オレンジ味じゃないのになんでオレンジなの? そもそもペコって、某甘味処の舌を出したカワイイ女の子しか知らないよ?
【食べ物雑学】紅茶の「オレンジペコ」の意味とは?
【雑学解説】オレンジペコは「茶葉の等級」のこと
無知な筆者はてっきりオレンジ味の紅茶だと思っていた。疑いもなく「オレンジペコ」という品種名なのだと思っていた。
ところが、オレンジペコとは「茶葉の等級」を表す言葉だという。紅茶の等級は独特で、品質や味の良さという分け方ではなく、葉っぱが生えている位置で等級分けされているのだそうだ。
具体的にいうと、穂先から数えて1番の新芽が「ティップ」。2番の若葉が「オレンジペコ」。3番葉を「ペコ」・4番葉は「ペコスーチョン」・5番葉は「スーチョン」と呼ぶ。なんだかちょっとかわいい。
よくあるダージリン・アッサム・セイロンなどの紅茶名は、生産地の名前そのものである。紅茶の名前はこのパターンが多いらしい。
ところがオレンジペコは「葉っぱがどの部分から生えてきたか」を指すので、たとえば「ダージリンのオレンジペコ」とか、「アッサムのオレンジペコ」も存在するのだ。
紅茶店で知ったかぶりをして「オレンジペコ下さい」と頼むと、店員さんも困って「オレンジペコってたくさんあるんだけど、どの銘柄・ブランドのオレンジペコですか?」といわれてしまうだろう。
茶葉の等級とサイズが分かりやすい動画!
紅茶の茶葉は「生えて来る位置=等級」と、「茶葉の大きさ」で分けられている。筆者でも分かりやすくてたいへん助かった動画をご紹介する。
おすすめ記事
-
お茶の雑学!緑茶/紅茶/烏龍茶の茶葉は一緒!なにが違う?
続きを見る
スポンサーリンク
【追加雑学①】「オレンジ」と「ペコ」はそれぞれ由来が違う
なんだかかわいい紅茶の等級名だが、なぜオレンジペコというのか。実は「オレンジ」と「ペコ」はそれぞれ由来が違う。
オレンジに関しては諸説あり、
- 茶葉や淹れたときのお茶の色が鮮やかなオレンジ色だから
- 紅茶の輸入で幅を利かせていたオレンジ・ナッソー家にあやかって
- 中国人が昔茶葉にオレンジで香りをつけていたから…などなど。
ペコは、茶葉の新芽に生える白い産毛を中国では白亳(pak-Ho=パイハウ)と呼んでいて、それがなまって伝えられたという説が有力だ。
【追加雑学②】オレンジペコの味はブランドによって全く違う
オレンジペコといっても銘柄はたくさんあるので、オレンジペコはこんな味! という確実な表現はできない。しつこいようだがオレンジの味は全くしない。
ただ、新芽に近い位置の葉なので、渋みが少なく素直な味に仕上がるのが特徴らしい。ダージリンに多く、アッサムやケニアにブレンドされているパターンも多いのだとか。
このため、あっさりしていてミルクティーにむいていると理解しておこう。
ただし、ブレンドの配合や「オレンジペコ」という商品名をどの配合につけるかは各紅茶ブランドの自由だ。同じオレンジペコでも、ブランドが違うと全く異なる味になるので注意しよう。
おすすめ記事
-
ミルクティーはどうやって生まれた?紅茶とミルク、どっちが先?
続きを見る
オレンジペコの雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。紅茶の茶葉を調べると、その膨大な品種名と分けかたにクラクラしてしまった。少なくともオレンジペコはオレンジの味がしないということはたしかだ。
いまではオレンジペコを商品名としてつけている紅茶ブランドも多く、そのうち「この味・この配合がオレンジペコ!」と区分されることもあるかもしれない。
正直、ティーバッグの紅茶でさえ気品を感じてしまう私にとって、美味しければどのブランドでも構わないというのが本音だ。
某有名な紅茶ブランドの説明ページでは、「オレンジ・ナッソー家との関係は全くありません。」と断言されていたが、「なんでもいいじゃん、かわいいんだから」というのが筆者の意見である。