モフモフでまんまるの可愛らしい姿から、ペットとして飼うお宅も増えている「フクロウ」。フクロウとふれ合えるカフェがテレビ番組などで取り上げられたり、大人気映画「ハリー・ポッター」シリーズにも魔法の力で手紙を届けてくれるフクロウが出てきたりと、近年その人気は高まっている。
ところでみなさんは、フクロウの動きを見ていてなにか不思議に思ったことはないだろうか? 前を向いていると思ったら、首だけうしろに回すあの仕草。わたしたち人間にはとてもマネできない、あのフクロウ特有の大胆な首の動き…。
なぜフクロウは、あんなにも首を回すことができるのだろう? …今回の雑学では、フクロウのよく動く首のヒミツについて調べてみたぞ!
【動物雑学】フクロウの首がすごく回るのはなぜ?
【雑学解説】フクロウの首のヒミツは首の骨の数にあった!
フクロウがあんなにも自由に首をまわすことが出来るのには、フクロウの頸椎(けいつい)とよばれる首の骨が、他の動物にくらべて多いことが関係している。
たとえば、わたしたちヒトの頸椎の骨の数は7個あるのだが、首を動かせる範囲は約90~100度ほどとされている。ためしに筆者が首を回してみた結果、ななめ後ろが少しみえるくらいのものであった。
対するフクロウは、なんと14個も頸椎に骨があり、首まわりの骨が多い生きもの。つまり、首を回しやすい構造になっているのだ。
ヒトの倍の数の首の骨があるフクロウは、なんと右と左それぞれ270度も首が回せる!! 回りすぎである。
フクロウの首がすごい回る理由は、骨の多さにあった!
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【追加雑学①】首が回るようになったのは、フクロウの目の位置が原因?!
さて、ここで一度、フクロウの動画を見ていただきたい。フクロウの目の位置に注目してみると、ほかの鳥たちとの大きな違いに気づく…。
スズメ・カラス・ニワトリなど、ほかの多くの鳥たちは目が側面についている。それらの鳥とフクロウは、いったい何が違うのか。
それは、フクロウがするどい爪とくちばしをもつ猛禽類で、獲物を狩る肉食動物であることが大きく関係している。目が前についていると、獲物を見つけやすいのに加えて、獲物までの正確な距離感をつかむことができるので狩りがしやすい。
そのためフクロウは、目が前についている。そのせいでもともとの視野が110度と狭いが、首を270度回すことで視界を広げているのだ…! 広がった視界を十分に活かして獲物を見つけ、捕食して生きている。
【追加雑学②】フクロウが首を回す理由は「音」
フクロウが首を回す理由には、「見えづらいうしろを見るため」ともうひとつ、「まわりの音を聞いて、情報を集めるため」ということがある。
フクロウのあの平たい顔には、音を集めるためのおもしろいヒミツが隠されている。それは顔全体が「パラボラアンテナ」のような機能をもっているということだ。首を回して顔に音を集め、その情報を耳へと送っている。
フクロウの「首を回す」という行為は、生きるための情報を得る目的がある。体の特徴を活かすことで無駄な音を立てることなく、静かな夜でも獲物を見つけ、狩ることが出来るのだ。
雑学まとめ
今回は、フクロウの首の秘密についての雑学を紹介した。鳥好きの筆者は、実際にフクロウを見に行ったことがあるのだが、そのときは昼間であまり動かない彼らを見てなんだかピンと来なかった。
グルグルと首を回すことは、フクロウが生きるための知恵が詰まっていたんだなあと今では分かる。夜中に行動をする彼らは、首を回すことでうまく自分のごはんにありついていたのだ。
今回フクロウについて調べたことで、今度会ったときはもっとしっかり見てみたいきもちになった。