犬の種類によっては、毛をカットすることがある。暑さを和らげるためや、毛並みを整えるためという他にも、おしゃれのためにカットをする飼い主は多いだろう。
おしゃれなカットを楽しめる犬種の代表としては、プードルが挙げられる。プードルといえば、今ではテディベアカットが主流だろう。しかし、それ以前の定番としては、胸・足首・顔回りの毛を整え、そのほかの毛は大胆に刈るというものだった。
実はこのユニークなプードルカットは、おしゃれのためではなく、きちんとした理由がある。いったいどういうものなのだろうか? 今回は、そんなプードルの雑学を紹介しよう。
【動物雑学】プードルカットには理由がある
【雑学解説】プードルカットは狩猟犬としての効率を考えたカット!
今では愛玩犬として多くの人に愛されているプードル。しかし、もともとプードルは狩猟犬だったのだ。
ハンターと一緒に狩り場へ入り、ハンターが撃ち落とした鳥を取ってくるのがプードルの仕事である。プードルが獲物を回収する場所は、地上だけではない。池に落ちた獲物も回収する必要がある。
プードルは忠実な性格なので、冷たい水だろうが恐れずに飛び込む。しかし、忠実であるからこそ無理をしてしまうこともある。そこで、プードルをパートナーにするハンターたちは考えた。「何か実用的なカットはないだろうか?」と。
そして開発されたのが、あの独特なプードルカットだ。頭の毛は頭を守るため、胸回りは冷たい水から心臓を守るため、腰や間接回りの毛はケガから腰や関節を守るために残された。
その他の毛は、プードルが泳ぐ際に水の抵抗を受けないように大胆に刈る! こうして、あのプードルカットができたというわけだ。体の重要な部分には毛を残し、そのほかの毛を刈ることで、プードルが狩猟犬として効率良く動けるようになった。
私は昔、あのカットはおしゃれのためにやっているもので、プードルはカットを楽しむ犬種なんだと思っていた。しかし、狩猟犬として意味のあるカットと知ったときは、当時の人々のプードルへの愛や気遣いを感じたものだ。
狩猟犬として活躍するプードルを見てみよう!
動画サイトで、狩猟犬の訓練をするプードルの動画があったので見てみよう。
あの定番のプードルカットをしているプードルではないが、プードルは本来このような犬だったことが伺えられる。
今では可愛くて人気の高いプードルだが、このように意外な一面もあるものだ。
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【追加雑学】プードルは毛が抜けにくい犬種である
プードルに関して、もう1つトリビアを紹介しよう。実は、プードルは毛が抜けにくい犬種である。犬といえば、抜け毛で悩む飼い主は多いことだろう。私もシーズーを飼っているのだが、季節の変わり目の抜け毛にはびっくりする。
しかし、中でもプードルは毛が抜けにくい。いったいどうしてかという理由を解説する前に、犬の毛の生え方について軽く説明しよう。
犬の毛の生え方には、2種類ある。ダブルコートとシングルコートだ。
毛の種類 | 特徴 |
ダブルコート | 太くてしっかりしたオーバーコートと、保温効果のある柔らかいアンダーコートの2種類の毛がはえている。 |
シングルコート | はえる毛が、ダブルコートでいうオーバーコートのみ。 |
この中でプードルは、シングルコートに分類される。そして、プードルの毛並みは巻き毛。そのため毛が抜け落ちにくいのだ。
とはいえ、抜け落ちにくいだけで実際には抜けている。他の毛に絡まって落ちていないだけなのだ。放っておくと毛玉の原因にもなるので、毎日のブラッシングと、定期的なトリミングは欠かせない。
ちなみに、元フィギュアスケート選手の浅田真央(あさだまお)はプードルを飼っているのだが、その理由が「毛が抜け落ちにくいから」。
実は浅田真央は犬アレルギーをもっているのだが、毛が落ちにくいプードルだと症状が出にくいため、プードルをペットに選んだそうだ。
この理由を聞いたとき、私はプードルの良さを感じたものだ。すべての犬アレルギーの人が飼えるわけではないかもしれないが、犬が好きだけど犬アレルギーの人でも飼えるということは、良いことではないだろうか。
雑学まとめ
今回は、かわいいプードルについての雑学をご紹介してきた。愛玩犬として愛されるプードル。しかし、もともとは狩猟犬だった!
定番のプードルカットは、プードルが狩猟犬として活躍するための効率を考えて開発されたカットだ。
知らないと「プードルはおしゃれを楽しむ犬だから、ああいうカットがあるんだ」と思うかもしれないが、あのカットはある意味仕事着のようなものである。そう思うと、あのユニークなカットに、どこかカッコよさを覚えるものだ。
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