あなたは自分の声を録音して聞いたことがあるだろうか。ケータイのボイスメモや、ムービーに入った声を聞いて、「え? 自分ってこんな声してるの?」と感じた人もいるはずだ。
これは録音機器の仕様などではなく、その録音された声こそが、他人から聞いたあなたの声である。知らなかった人にとっては、ある意味ショックな事実だろう。筆者も自分の声を録音して「うわ…気持ち悪…」と、思ったことがある。
しかし、どうして自分が普段聞いている声と、録音した声がそこまで違うのだろう。今回はそんな音の聞こえ方の雑学に迫る!
【人体雑学】自分の声を録音すると違う人の声に聞こえる理由とは?
【雑学解説】聴覚器官への音の伝わり方によって、聞こえ方は変わる
録音した自分の声が普段聞いているのとまったく別人に聞こえるのは、自分が発しているときと録音したもので、聴覚器官への音の伝わり方が違うからだ。
音が空気の振動によって伝っていることは、中学校の理科でも習うだろう。これを「空気伝導」という。他人の声や録音された声は、基本的にこの空気伝導によって鼓膜へと届いている。そして鼓膜の振動が情報となって脳へ届くことで、人間は音を認識しているわけだ。
この「振動が情報になる」というのがポイントで、実は情報となる振動は、必ずしも空気によるものとは限らない。そして人間が声を発すると、同時に振動するものがある。骨だ。
発声によって骨が振動することで、聴覚器官にもその振動が伝わり、それも音の情報となって脳へと届いている。これを「骨伝導」という。
つまり人は自分の出した声を聞くとき、空気伝導と骨伝導の2つが混ざった音を聞いているのである。一方、録音された自分の声は空気伝導のみで伝わってくる。このせいでそれぞれが、まったく別人のように聞こえてしまうのだ。
ちなみに骨伝導は、空気伝導よりも高周波成分が伝わりにくい性質をもっている。よって、録音された声は普段聞いている自分の声より高く聞こえるはずだ。
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【追加雑学】骨伝導を利用したイヤホンがある!
最近は頭蓋骨全体を振動させることで音楽を聴ける、骨伝導イヤホンなるものが登場している。
従来の耳に突っ込んで聴く方式のイヤホンとは違い、骨伝導イヤホンは耳の裏の軟骨などに機器を当てて振動を伝える。そのため耳の穴が塞がらず、音楽を聴いていても周りの音はハッキリ聞こえるというぞ!
そういえば筆者も外で音楽を聴いていて、車の音が聞こえずに危ない思いをしたことがあったっけ…。
ちなみに音質は骨伝導ということもあって、少しこもった感じになりやすいようだが、これも工夫次第という声は少なくない。いずれにしても新感覚のイヤホンということで、筆者は興味津々である。
以下にレビュー動画も紹介しておこう!
動画内で「遠くで鳴っているラジオのような音」といっていたが…どんな音なのか非常に気になる!
紹介されているもの以外にもさまざまな商品が出ているので、気になる人はAmazonなどでもチェックしてみては?
雑学まとめ
自分の声が録音するとまったく別人に聞こえるのは、「空気伝導」と「骨伝導」という、聴覚器官への音の伝わり方が原因だった。
ただ録音した自分の声にガッカリしたという人も安心してほしい。変な声に聞こえるのは、単に自分が聞き慣れていないだけの話である。周りの友人に声の印象を尋ねてみると、案外「イケボだよね!」なんて言ってもらえるかもしれないぞ。