正月に食べるものの定番といえばお餅だ。ここぞとばかりにお餅を食べてしまい、正月太りしてしまう人は多いだろう。また、お餅をのどに詰まらせて病院に搬送されるご老人が多いこと。餅はよく噛んで食べることを徹底してほしい。
さて、お餅はおめでたいときに食べるものというイメージが定着しているが、そもそもなぜお餅はおめでたいときに食べるのだろう。今回はこの雑学について調べてみたぞ!
【食べ物雑学】おめでたいときにお餅を食べるのはなぜか?
【雑学解説】貴族が行事のお祝いのときに食べていたから
日本の食べ物のイメージが強いお餅だが、もとは東南アジアから伝わったといわれている。稲作の伝来とともにお餅も伝わったらしい。日本=お米みたいに考えていたが、餅どころかお米でさえも日本のものではないのだ。
実際、お餅がいつから日本で食べられるようになったのか、正確なことはよくわかっていない。
文献では「風土記」や「養老令」など、奈良時代の書物に「餅」という単語が使われていたことが確認できるので、遅くてもこの時代には広まっていたのではないかと予想できる。ものすごい歴史ある食べ物なのである…。
時代は進み平安時代に入ると、お正月や桃の節句などの年中行事が決められた。そしてお餅はこうした各行事の際に、お祝いの一品として天皇や貴族に振る舞われるようになったのである。ちなみに桃の節句とは3月3日のこと。そう、ひな祭りを行う日だ。
このなごりで、現在もお正月などのおめでたい席で、お餅が食べられるようになったといわれている。たとえば、お正月には「鏡餅」・桃の節句では「菱餅」・端午の節句なら「柏餅」のように、それぞれの行事を表すお餅が登場する。
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当時のお餅はお偉いさんたちだけに振る舞われる高級品で、一般の人たちは食べることはなかった。今でいうフォアグラやトリュフのような位置づけだろうか…。
一般の人たちがお餅を食べるようになったのは江戸時代になってから。田んぼが増え、米作りの技術も向上したのでたくさんのお米がとれるようになり、一般の人に与えられる余裕が出てきたらしい。
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【追加雑学①】餅の語源
「どうしてお餅というのか?」。その語源だが諸説ある。
植物の「モチノキ」が由来しているという説
モチノキは、ガムのように野鳥をくっつけてとらえる「トリモチ」の主成分。ゴキブリホイホイの鳥バージョンだ。このトリモチとお餅はどちらもねばねばしていて似通っているため、ここから名前が付けられたというもの。
満月を意味する「望月」説
鏡餅はまんまるで、お祝いのときに出てくるお餅は平らで丸い。丸くて望月のようだから、そこから「モチ」と呼ばれるようになったという説だ。
長持ちする、持ち歩きが可能な携帯食という意味での「モチ」説
昔は餅は小さくて腐りにくいので、携帯食として重宝されていたらしい。今でいうカロリーメイトのようなものか。
あとは台湾語で餅を意味する「モワチー」が由来との説もある。語源はこのようにたくさん説があるが、どれが正しいものか判明していない。
【追加雑学②】正月に餅つきする理由は?
日本では正月に餅つきをする文化が根付いている。
正月になると以下の動画のように、こぞって餅つきする。
これはさすがに高速すぎるが、そもそもなぜ日本では、正月に餅つきをするのだろう。
日本には古来より「稲作信仰」というものがあり、稲には「魂」や「霊」が宿ると考えられていた。そんな稲から取れるお米は人々のパワーを高める特別な食べ物とされ、その米を使って作られた餅は特に神聖な食べ物だと考えられていた。
そのため、1年のなかでも特別な日であるお正月には、餅つきをして餅を作るようになったのだ。今までなにげなく食べていたお餅だが、こんな神聖な食べ物だったとは…。これからは敬意を払って食べることにしよう。
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雑学まとめ
今回はお餅についての雑学を紹介してきたが、いかがだっただろうか。おめでたいときにお餅を食べるのは、平安時代の貴族たちが各年中行事のお祝いの席のたびにお餅を食べていたので、このなごりであるらしい。
なぜお餅なのかという点だが、古来、日本には稲作信仰があり、稲から取れた米で作られたお餅はとても神聖な食べ物だと考えられていたので、お祝いの席で振る舞われたそう。
お正月という特別の日に餅つきをして餅を食べるのもこのためなのだ。