河童と聞いて、あなたはどんなイメージを浮かべるだろうか? 頭にお皿が乗っていて、背中には甲羅があって、川に住んでいて…。そして、キュウリが好物といったところだろうか。
そういえば、河童といえばどうしてキュウリなのだろうか? 体が緑色だから? いやいや他にも理由があるかもしれない。
今回は、そんな河童に関する素朴な疑問にまつわる雑学を解説していこう。
【生活雑学】河童が「キュウリが好きな理由」が怖い
【雑学解説】本当は怖い河童のキュウリ好きの秘密…!
河童のキュウリ好きの理由に関しては、さまざまな説がある。その中の1つが、「きゅうりの味が人間と似ているから」という恐ろしいものだ。
河童といえば、尻子玉(しりこだま)のイメージもあるのではないだろうか。尻子玉というのは、人間のお尻にあるとされている架空の臓器だが、胃や腸などの内臓ではないかとも考えられている。これも河童の好物だ。
他にも河童は人を川に引きずり込むなど、人間に対して恐ろしい存在となっている話がある。中には友好的な話もあるのだが、尻子玉や川へ引きずり込む話を見ると、人間を獲物として見ているようだ。
架空とはいえ尻子玉という臓器を食すということは、人間を食べることになる。そこで出てきたのがキュウリだ。
なぜなのかは調べても分からなかったが、キュウリが人間の味に似ているとされ、「川に入る前にきゅうりを投げ入れれば、河童に引きずり込まれない」という俗信が生まれた。こうして「河童=キュウリ好き」という方程式ができあがったのだ。
まさに「本当は怖いキュウリ好きの理由」といったところだろうか。やはり河童も妖怪。そういった恐怖から、河童にキュウリを捧げるようになったのだろう。
しかし、人間の代わりのキュウリでも満足してくれるとは…人間は河童にとって歯ごたえがあってみずみずしい獲物なのだろうか?
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【追加雑学】ザクロも人間の味に似ているという話が
河童にとってのキュウリは人間の代わりだったが、他にも人間の代わりに出される食べ物がある。それがザクロだ。結構有名な話なので、知っている人もいるかもしれない。
ザクロが人間の味に似ているというのは、仏教の話から来ている。仏教の世界に、鬼子母神(きしもじん)という女の鬼神(きじん)がいた。
彼女は子だくさんの母親で、子育ての栄養を付けるために、なんと人間の子供をさらって食べていたのだ。
それを見かねて対処したのが、お釈迦様。何をしたのかというと、鬼子母神の子供の1人を隠した。
もちろん半狂乱になって探し回る鬼子母神。なかなか見つからず、ついにお釈迦様に助けを求めてきた。そして、助けを求めた彼女にお釈迦様はこう言う。
「あなたにはたくさんの子供がいるけど、1人を失っただけでもこうやって嘆き悲しんでいる。それでは、あなたよりもっと少ない、ただ1人の子供を持つ人間の母親の悲しみはいかほどだろうか」
鬼子母神がお釈迦様に教えを乞うと、さらにお釈迦様はこう続けた。
「私の教えに帰依(きえ=拠り所)して、人々を襲うのをやめなさい。そうしたら子供に会えますよ」
そうして鬼子母神は仏教に帰依して、子供に会うことができた。今では仏教を守護する鬼神の1人となっている。
そして、このときお釈迦様が鬼子母神に人間の代わりに与えたのがザクロだった。そのため、鬼子母神の像はザクロを持っていることが多い。
「人間を食べる代わりに別の食べ物を食べる」というのは、河童と似ている。それにしても、本当に似ているのかは別として、よく代用品が思いつけるものだ。
雑学まとめ
河童のキュウリ好きの理由は諸説あるが、その中の1つに「人間の味に似ているから」という恐ろしいものがあった。やはり河童も妖怪。キュウリで満足してくれてよかった…。
しかし、この雑学を知ると、キュウリをまた違った目で見てしまいそうだ。ある意味知りたくなかった雑学かもしれない…。
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