飲み物・お酒

なぜ日本酒は升(ます)に溢れるまで注ぐの?【もっきり】

雑学カンパニー編集部

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日本酒をグラスから升(ます)に溢れるように注ぐのはなぜ!?に関する雑学

最近のブームで、色んなところで見かけるようになった「日本酒」。昔ながらの徳利(とっくり)とお猪口(おちょこ)で出してくれるお店もあれば、ワイングラスにおしゃれに注がれていたり、スパークリング日本酒がシャンパングラスに入っているお店も。

なかでも「おっ!!」とテンションが一気に上がるのは「もっきり」ではないだろうか!? 升に入ったグラスがテーブルに置かれ、溢れんばかりに(いや、実際のところ思いっきり溢れているのだが…)なみなみと注がれる様子に、心躍らない人はいないであろう。

「もっきり」以外にも「盛りこぼし」などとも呼ばれているが、とにかく日本酒好きにとってはたまらない飲み方なのである。なぜだかとってもテンションが上がって、出てくるだけでも嬉しくなってしまうこの「もっきり」。

なぜそんな飲み方をするのだろう? 今回の雑学ではその謎に迫ってみた。

【食べ物雑学】日本酒をグラスから升(ます)に溢れるように注ぐのはなぜ!?

ガリガリさん
日本酒はグラスに目一杯に注ぐことが主流だったけど、それがいつの間にか、『店の心意気』で溢れさせるほど注ぐようになったんだぜ。
ぷよぷよくん
お店の心意気…なんだかかっこいいねぇ。

【雑学解説】日本酒を溢れさせるのはお店の「おもてなし」の心意気

日本酒を溢れさせるのはお店の「おもてなし」の心意気というトリビア

グラスになみなみ注ぐのが一般的だった日本酒。それが次第にエスカレートしていって、グラスからこぼれ出る量が多ければ多いほど、気前の良い粋なお店だと喜ばれるようになったようだ。

たしかにお客さんの立場からすれば、支払う値段が一緒なのであれば、少しでも多く注いでもらった方がお得で嬉しいに決まっている。もちろん私だってそうだ!!

ぷよぷよくん
そりゃあなんでもたくさんあった方がいいもんね。

こうして下町でたくさんお酒を注ぐことが流行りだし、広まっていった。

この飲み方は「もっきり」と呼ばれる。

もともと日本酒は量り売り。升に目一杯、日本酒を注いで量り売っていたのが「盛りきり」=「もっきり」と変化したことが名前の由来なのだという。

実は私もこの「もっきり」という名前は今回初めて知ったのだが、なんだかリズミカルで楽しく「いい名前だなぁ」と気に入ってしまった。

ちなみに昔、居酒屋では1合(180ml)をはかってお客さんに出していたというが、小さいグラスには入りきらなかった。そのためグラスの下に升や小皿を置いて、こぼれた分も合わせて1合としていたことがはじまりだという説もあるようである。

ぷよぷよくん
たっぷり注がれるのはうれしいけど、飲むのって難しそうだね。
ガリガリさん
そんなに難しく飲み方を考える必要はないぞ。

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【追加雑学】「もっきり」の正しい飲み方は?

さあ、なみなみと注がれてテンションが上がったのはいいが、いざ飲もうとなると「いったいどうやって飲めばいいのか分からない!!」と、私と同じように困ったことがあるという人も実は多いのではないだろうか?

そもそも「もっきり」が、まだピンとこないという人のために動画を発見した!

ぷよぷよくん
おぉ、気前が良いねぇ!

そうそう! これだこれ!! 飲みたくてたまらない!

「もっきり」は正しい飲み方よりも、とにかく楽しんで!!

グラスに目一杯に注がれた日本酒は、少しでも動かすとこぼれてしまいそうである。多くの人は、このどちらかの方法で飲んでいるのではないだろうか?

1つ目は、グラスはテーブルに置いたままで、顔を近づけてグラスに入った日本酒をすするという方法。ちょっとお行儀はよくないかもしれないが、せっかくたくさん注いでもらった日本酒をこぼさないという意味では、1番安全な方法といえるかもしれない。

2つ目は、升の中のグラスを傾けて、まずこぼれそうな日本酒をわざと升の中にこぼしてしまうという飲み方である。グラスを持ち上げられそうな量に調整できたら、グラスを升から取り出して飲もう。

3つ目は、そーっと升ごとグラスを持ち上げ、自分の口まで持ってきて飲むという方法である。これもお店などでよく見かける飲み方だが、果たしてどの方法が正解なのだろうか?

正解は…どの方法でもOK!! ということだ。「絶対にこうしなければいけない」というようなルールよりも、飲む人が「楽しむ」ということが大切だということである。

ガリガリさん
酒を飲むのに堅苦しいルールは不必要ってことだな。
ぷよぷよくん
そうだよね。お酒は良い気分の飲むことが大事だもんね。

また1口目が解決したところで、その続き。グラスから日本酒がこぼれないところまできたら、升からグラスを取り出す。そして、おしぼりなどで濡れているグラスの底を拭いておけば、自分の手やテーブルを汚さなくても飲めるであろう。

グラスが空いたら升に残っている日本酒をそこに移し替えて飲んでも、そのまま升に口をつけて直接飲んでもOK。上質な木の升を使って日本酒を出しているところであれば、その升の木の香りを楽しみながら日本酒を味わうのも粋な飲み方である。

飲み方に気を取られてドキドキしていたのでは、肝心の日本酒の風味を味わっているどころではなくなってしまう。自分なりの楽しみ方で、精いっぱい味わい楽しまなければ、作り手の方やその日本酒自体にも失礼な話である!

飲み方も知れたと思うので、次回飲むときは存分にお酒を楽しんでほしい。

雑学まとめ

なぜ日本酒は升(ます)に溢れるまで注ぐの?【もっきり】についてのトリビアまとめ

今回の記事では「もっきり」についての雑学を紹介してきた。お酒の種類によって違う、酒器や注がれ方。日本酒をこぼして注ぐのにはこんな理由があったんだなぁ…。

今まで「これで合ってる!?」とドキドキしながら飲んでいた「もっきり」だが、これからは飲み方も心配せずに楽しめる! ますます日本酒が好きになりそうだ!!

ぷよぷよくん
もっきりって日本人のおもてなし精神や豪快さが現れてる飲み方だよね。
ガリガリさん
そうだな。…もっきりの話をしていたら、オレも日本酒を飲みたくなってきたぜ!

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