雨の日はなんだか気分が沈む人も多いのではないだろうか。空が暗いせいで、不思議と気分まで暗くなってしまったりする。
しかし、雨は私たち人間にとっても動植物にとっても、なくてはならないものである。雨が私たちにもたらすのは憂鬱な気分などではない。
そのひとつとして今回の雑学では、雨に濡れると美しさが際立つ花を紹介したい。これを読んだら、雨の日も少しだけ好きになるかもしれない。
【自然雑学】雨に濡れると透明になるサンカヨウ
【雑学解説】サンカヨウとはどんな花?
漢字では「山荷葉」と書き、「山に咲く蓮のような葉をもつ花」という意味合いがある。山に咲く蓮とはどのような花なのか。
サンカヨウの葉には切れ込みがあり、その葉の上に乗るように花を咲かす姿が蓮に似ているから、という説もあるようだ。
花期は5月から7月で、高さは30センチから70センチ。茎の先に直径2センチほどの白色の花を数個つけ、葉は大小2枚だ。不思議なことに花は小さい方の葉につき、大きい方の葉にはつかない。しかも3日から1週間程度しか花は咲かないという。
そして、今回紹介したい理由であり最大の魅力は、雨に濡れると花びらが透明になることである。濡れるとどうして透明になるのか、詳しく解説していこう。
濡れると透明になる理由
サンカヨウの花がなぜ透明になるのか、実は詳しいことはわかっていない。しかし有力だとされている説では、濡れることで光を吸収しなくなり、本来なら散乱する光が散乱しなくなるためではないかというのだ。
光を吸収? 散乱? 専門的なことは難しいため、日常生活での出来事に置き換えてみるとわかりやすい。たとえば、白いTシャツを着ているとしよう。普通に着ただけではもちろん白いままであり、透けることはない。しかし、濡れるとどうだろうか。
白かったTシャツが透け、肌の色がはっきりと見えるようになる。サンカヨウが濡れると透明になるのは、この理屈と同じだというのだ。
ただしサンカヨウの場合、濡れた瞬間に透明になるのではない。ある程度の時間濡れつ続け、花の内側に水が浸透し、その水の粒子がまとまったとき光の散乱が収まる。透明になるのはそのときである。
もちろん乾くと元の白い花に戻るため、タイミングが良くなければ透明になったサンカヨウを見ることはできない。
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【追加雑学①】サンカヨウの実は食べられる
サンカヨウは、花が枯れたあとに濃い青紫色で白い粉を帯びた実をつける。その実は食用として、味わうことができるのだ。
ちょうど熟したときに食べると甘いらしく、おいしいという人もいるが、熟す前に食べた人には酸味があるため不評だという。見た目はブルーベリーとよく似ており、酸味があることから、味もブルーベリーと似ているようだ。
【追加雑学②】サンカヨウが有名になったCM
ロート製薬のハダラボ白潤という化粧水のCMに、サンカヨウが登場する。肌の透明感を訴えるために、サンカヨウは一役かっているのだ。
放送された初めの頃は、濡れると透明になる花の存在は多く知られていなかった。そのため、まるでCGで作られたかのようなイメージをもった人も多いのではないだろうか。
しかし調べてみると実在することがわかり、花が好きな人・山登りが好きな人のブログなどでサンカヨウが登場することも多くなったように思う。
美しい透明の花を動画で見てみよう!
これが、濡れると透明になる花・サンカヨウである。予想を遥かに超える美しさだ。
白いTシャツが濡れた様子と表現してしまって、なんだか申し訳ない気持ちになってしまった。まるでガラス細工のようで、とても神秘的な花である。
雑学まとめ
サンカヨウについての雑学、いかがだっただろうか。雨の中の苦しい登山中に、こんなにも美しいサンカヨウが見れたなら、憂鬱な気分も吹き飛ぶことだろう。
さらにサンカヨウは3日から1週間程度しか咲かない花であるため、自然の中でたまたま透明になっているサンカヨウが見られたら幸運である。
この花を見るために、雨の降る日でもわざわざ登山する価値があると、個人的には思う。動画からでも伝わるこの美しい花の実物を、いつかこの目で見てみたいものだ。
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