20歳を祝う行事として全国で行われる成人式。
生まれ育った故郷を離れて一人暮らしをしていた私も、このときは故郷へ帰り、地元での式典に出席したり、なつかしい顔ぶれと解禁になったお酒を飲んだ思い出がある。うん十年前の話であるが…。
最近では、各地で荒れた成人式のニュースを、なんだか情けないような気持ちで見ているのだが、そもそも成人式はいつから始まったのだろうか。海外でも成人式ってあるの?
というわけで、今回の雑学では「成人式」について調べてみたぞ!
【生活雑学】成人式の始まりは?
【雑学解説】最初は、戦後の若者を励ますために行われた
第二次世界大戦が終わり、日本の各地が焼け野原となり、人々が悲しみと虚脱感に打ちひしがれていたころ、埼玉県北足立郡蕨(わらび)町(現在のわらび市)で1946年11月22日に、20歳の成人を対象に「青年祭」が行われた。
これからの日本を担う若者たちを勇気づけよう! そんな思いから、当時の蕨町青年団が主催し、地元の小学校の校庭にテントを張り3日間にわたって開催されたのだという。
現在のような、男性はスーツや袴、女性は振袖といった華やかな格好ではなく、男性は国民服(戦時中に定められた男子の服)、女性たちはもんぺ姿で参加したそうだ。
この青年祭が、復興に励む当時の国民の共感を呼び、全国に広まっていったのが、成人式の始まりである。
この青年祭に政府も影響を受け、1948年に公布された祝日法により、「成人の日」を1月15日に定め、全国で式典が行われるようになった。現在では祝日法改正により、1月の第2月曜日が「成人の日」とされている。
小さな町の青年団が若者を励まそうと始めた青年祭が、今や日本の文化の一つともいえる成人式のルーツなのである。
【追加雑学①】成人式に女性が着る振袖には理由がある
成人式を華やかにする振袖。実はこの日に振袖を着る理由がちゃんとあるのだ。
大昔、男性からの求婚への返事を、長い袖を振って答えたことから、振袖は未婚女性が着るものとして定着した。着物は日本のいわば民族衣装。なので、振袖は未婚女性が着る第一礼装なのである。
また、袖を振ることは、厄払い・魔除け・身を清めるといった意味があるそうだ。人生の節目である日に、第一礼装である振袖を着ることは、身を清め、これからの幸運を祈り、そして大人の仲間入りをする…といった意味が込められているのだ。
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【追加雑学②】こんなの嫌だ!世界のツライ成人式
世界には、驚きの成人式がある。いくつかご紹介しよう。
バヌアツ
バンジージャンプ。ヤマイモのツルを持参し、自分の足に結び付けて高さ30メートルのやぐらの上から飛び降りる。ツルには伸縮性がなく、まさに命がけである。
アフリカ マサイ族
ライオン狩り。怖くて行けないものは一人前と認められず、村の行事にも参加できず結婚もできない。臆病者は生きていけないのである。
アマゾン サテレ・マウェ族
毒アリ入り手袋に両腕を突っ込む。毒アリに当然かまれる…。瀕死の状態になり、苦しみに耐えたものこそが大人になれるという。それだけの強さがなければアマゾンでは生き残れないということか。
日本人でよかった…。マジで。
【追加雑学③】南極にいる自衛隊員の成人式
自衛隊では、故郷で行われる成人式と勤務日程が重なり、成人式に出席できない隊員のために、各地の駐屯地で成人式を行っている。中には戦車と綱引きをするという駐屯地も…。
海上自衛隊では、成人の日を南極で迎えた隊員にも、南極で成人式を行ったという。
南極での成人式を伝える動画を発見!
南極で成人式を迎えた、観測船「しらせ」の乗員4人のコメントが素晴らしい!
南極での成人式なんて素敵だなぁ~。勤務日程の関係でやむを得ず成人式に南極にいる彼らのために、成人式を行う部隊も素晴らしいと思う。
成人としてのこれからの抱負を、しっかりと語る姿がカッコいい!
雑学まとめ
今回は、成人式にまつわる雑学を紹介した。
もともと戦後の若者を励ますことから始まった成人式。20歳になったことを祝ってもらい、大人になった自覚をもつための成人式だが、大事な式典で大騒ぎをする若者も、中にはいるようで…。
子供と大人の境界線である成人式。たしかに、その日が来たからすぐに大人としての自覚が芽生えるわけではないのだが…。一生に一度の晴れの日を、ちょっと背筋をのばして、すがすがしい気持ちで迎えて欲しいなと思った。