「ジージージージー」「ミーンミンミン」
夏になると毎日毎日鳴いているあいつら。そう、今日はセミの話だ。
セミの鳴く声が聞こえてくると「夏が来た!」と嬉しくなる。
毎年飽きもせず、大きな声で鳴き続けるセミ。そんな夏の風物詩の彼らだが、実はすべてのセミが鳴くわけではないことをご存知だろうか。今回はそんな、セミの鳴き声に関する雑学をお届けしよう。
【動物雑学】セミのメスは鳴かない
【雑学解説】そもそもメスのセミは鳴くことができない!
多くの虫と同じように、セミは求愛行動のために鳴いている。
幼虫期間に比べ成虫期間が圧倒的に短いセミは、限られた時間のなかでさっさとパートナーを見つけて、子孫を残さなければならない。そのため、一所懸命に大声を張り上げるのだ。
ところが、必死こいて鳴いているセミはオスだけだ。メスは気に入った鳴き声のオスを選ぶだけ。まるで婚活パーティーみたいなセミの求愛だが、メスは単に選ぶ側だから鳴いていないのではない…鳴くことができないのである。
セミのおなかには声を出すための「腹弁」という器官が備わっている。この腹弁を震わすことで、あの鳴き声が出るのだ。
しかし、腹弁が備わっているのはオスだけ。メスには腹弁の代わりに卵を産むための器官が備わっている。男女で役割が違うため、それぞれ役割に適した器官が備わっているのだ。
そのため、セミのオスとメスはひっくり返してお腹を見ればすぐわかる。対になった腹弁がふたつ付いていればオスだし、お尻の先に産卵管が付いていればメスだ。
無駄がなく、よくできた身体である。しかし役割的に仕方がないとはいえ、鳴き声が出せないのは、人間からするとちょっと不便そうだと感じてしまう…。
スポンサーリンク
【追加雑学①】オスのセミの4割は交尾ができない
パートナーを求めて昼夜鳴き続けるオスのセミたち。そう聞くと応援したくなってしまうが、なんと4割のセミの求愛は悲しい結果に終わるという。
実はセミのメスは交尾を一生に一度しかできない。反対にオスは何度も交尾をすることができる。そしてオスとメスの割合はほぼ1対1。
…勘のいい読者はきっとこの時点で察してしまうだろう。
そう、メスに巡り会えずに死んでいくセミがいるのだ。その割合はなんと、およそ37パーセントだといわれている。4割弱のセミたちは、努力むなしく童貞のまま生涯を終えるのだ…。悲しすぎる…。
何度も違うセミと交尾をする恋愛強者のセミがいる一方で、あぶれて子孫を残せないまま土に還っていくセミもいる…。
人間の世界も同じようなものかもしれないが、セミの生涯はハードモード。交尾をかけて懸命に声を張り上げる、熾烈なひと夏の恋の闘いだ。そりゃあんな大声で必死に鳴くのもわかる。
そんな悲しい現実を知ってしまったら、これからはセミの声が悲しい響きに聞こえてきそうだ…。
【追加雑学②】セミのおしっこはただの水?
セミにまつわる噂は多いが、「セミは飛び立つ時におしっこをする」というのもそのひとつだろう。セミを捕まえに行って、ひっかけられた思い出がある人も少なくないのではないだろうか。
彼らが飛び立つときにおしっこをする理由は、「体を軽くするため」だとか「膀胱が弱い」とか諸説あるが、解明はされていない。
しかし、セミのおしっこの成分は解明されている。なんと、ほぼ水。人体への害はまったくないのである。
セミは樹液を吸って生活をしている。ごはんは樹液だけ。そのため、おしっこも自然由来の物質しか含まれていないのだ。彼らのおしっこは、体内の余分な水分と少しの樹液を排出しているだけだという。そのためほとんどただの水分。H2Oだ。
それならセミさん、どうぞひっかけてください…とはさすがにならないけれど、かかっても「まあいっか」くらいにはなりそうだ。
雑学まとめ
今回の雑学ではセミの鳴き声の秘密について紹介した。
セミといえばやっぱり鳴き声が印象的だから、全てのセミが鳴いていると思っていたが、まさか鳴いているのはオスだけだったとは驚きだ。メスは声を出すことができないなんて、ちょっとかわいそうな気もする。
しかし何と言ってもいちばんかわいそうなのは、童貞のまま死んでいくオスだろう…。自然界は厳しい。1匹でも多くのオスゼミに幸せが来ることを願いたい。