学生の頃、幾度となくお世話になった三角定規。そういえば、使っていた三角定規の真ん中には穴が空いていたような気がする。あの穴、なんのための穴なんだ?
小学生の頃は、あの穴に鉛筆を突き刺して三角定規をくるくると回していたが、間違ってもそのための穴ではないだろう。
では、あの穴は何のためにある穴なのか。実はあの穴にはしっかりとした理由があったのだ。今回の雑学では三角定規に穴が空いている理由について紹介していこう。
【生活雑学】三角定規の中心に穴が空いている理由
【雑学解説】三角定規の穴は、摩擦を減らし、空気を抜き、変形を防ぐためにあった
三角定規は普通の定規と違い、平行線を書くときなど、紙の上をスルっと滑らせながら使うことが多い。
そんな三角定規の天敵とも言えるのが摩擦だ。ただでさえ普通の定規よりも紙と触れる面積が大きいため、紙の上を滑りにくい。
しかし、真ん中に穴を空けることにより見事にこの摩擦を減らし、紙の上をスルスルと動かせるようになっている。一見何の意味もないような穴なのに、かなり重要な役割を担っているようだ。
三角定規と紙の間の空気を抜くため
三角定規に穴が空いていないと、紙にくっつけようとしたときに、中に空気が入り込んで安定した線が引けなくなる可能性もある。これは、ふつうの定規と比べて三角定規の面積が大きいためだ。安定した線が引けないと、それは定規としての役割を果たしているとは言えないだろう。
そこで活躍するのが真ん中の穴だ。真ん中に穴があることによって、中に入り込んだ空気が真ん中の穴を通じて抜けやすくなっており、紙と三角定規の密度を高める役割を担っている。
ただし空気が抜けて紙と三角定規の密度が高まると、安定する反面ぴったりとくっつき過ぎて取りづらくなるデメリットがある。たとえば下敷きも、紙や机にぴったりとくっついて中々取れなかった経験があるだろう。
そんなデメリットですら自身で解決してしまうのがこの穴だ。ビバ穴! くっついて取りづらいなら、穴に指をひっかけて取ってしまえばいいのだ。
三角定規の変形を防ぐため
三角定規は主にプラスチックでできている。つまり熱で変形しやすいため、夏は若干大きく、冬は若干小さくなってしまう。
しかし、定規というものは正確な長さを測るために用いられる道具だ。夏と冬で大きさが変わってしまってはたまったものじゃない。
そんな時に役に立っているのが真ん中に空いている穴である。この穴が熱による伸縮を調整することによって、三角定規の変形を抑えているのだ。凄いぞ穴!
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【追加雑学】三角定規の穴はなぜ丸が多い?
ここまで三角定規の穴は凄いということを解説してきたが、1つ疑問が残る。「穴だったら形はなんでもいいのではないか?」ということだ。
「摩擦を減らす・空気を抜く・変形を防ぐ」と一人何役もこなす穴だが、この穴が四角でも星型であってもその役割は変わらない気がする。しかし、市販の三角定規の穴は丸いことが多い。実はこれにも大きな理由があったのだ。
もし三角定規の穴を四角や星型など角があるデザインにしてしまうと、角の部分に力が集中してしまい、そこからひび割れが生じて破損の原因になるのだ。
そのため、力が均等に分散する丸い穴が1番優れている。そこまで考えて空けられた穴なのだ。
雑学まとめ
今回は三角定規の中心に空いた穴の理由を、雑学としてご紹介した。何気なく空いている穴だが、めちゃくちゃ重要な役割を担っている穴だということがわかった。
この理由を知ってしまうと、もう鉛筆を突っ込んで三角定規をくるくる回すといった恐れ多いことはできないだろう。
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