一般的な企業に、社長や部長といった身分があるのと同じく、神社で働いている人にも身分があることを知っているだろうか?
神社で働いている人たちの「ある部分」に注目してみると、その人はどの身分にあたるのかという見分け方ができる。
その部分とは、「服装」だ。神社に行ったときに、思わず見てみたくなる雑学を紹介しよう。
【生活雑学】神社で働く人は、袴の色で身分がわかる
【雑学解説】袴で分かる6つの階級
神職たちは、基本的に白い着物に袴を着用している。実は、階級によって袴の色を変えているのだ。
どの色がどの階級なのかは、以下の通りとなる。
階級 | 色 | その他補足 |
三級・四級 | 無地の浅葱色(薄い青緑っぽい色) | 神社で働く人の最初の色で、若手の人は大体この色。 |
二級 | 無地の紫色 | 中堅クラスの階級の色で、全国では4,500人ほどがこの色。 |
二級上 | 紫色に薄紫の文様入り | ベテラン層(部長や役員級)の色で、全国では2,100人ほどがこの色。 |
一級 | 紫色に白の文様入り |
神社界に貢献してきた人に許される色。 全国でも200人ほどしかいない。 |
特級 | 白色に白の文様入り |
伊勢神宮の大宮司・神社本庁の統理・大きな神社の宮司が着用できる色。 全国でも70人しかいない。 一見真っ白に見えるが、光の当たり方で文様が見える。 |
特級の袴の神職を見る機会は少ないかもしれない。私も二級上までの神職しか見たことがない。
ちなみに、二級から入れられる文様は「八藤丸(やつふじのまる)」と呼ぶ。
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【追加雑学①】身分を表すその他の色
階級によって神職の袴の色が変わるが、そのほかにも身分を表す袴の色がある。
それが、松葉色だ。渋い緑色をイメージしてもらうと分かりやすい。この松葉色の袴は、研修生の他にも、序列に所属していない祭祀(さいし)職員という身分を表している。
また、無地の真っ白な袴を着ている神職を見ることもあるだろう。無地の白袴は神社によって扱いが異なるが、たいてい身分にかかわらず着用できる色として使われている。
【追加雑学②】お葬式用の色の袴もある
お葬式といえば仏教のイメージが強いが、実は神社でもお葬式はできる。この際、神職は身分を問わず鈍色(にぶいろ)という濃い灰色の袴を履く。
ちなみに、お葬式の場合は鈍色の袴の他に衣冠(いかん)や狩衣(かりぎぬ)も着用する。もちろんどちらの色も鈍色だ。
ただ、地域によってはお葬式用の衣装を揃えてないところもあり、その場合は白い装束でお葬式を行うようになっている。
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雑学まとめ
今度神社に行ってみたら、神職たちの袴の色を観察してみたくなる雑学だ。私はまだ一級や特級の神職を見たことがないため、できれば生きているうちに一目見ておきたい。
今回の雑学を知っていると、どの神職が偉いのかが分かると思う。「袴の色」というちょっとした違いだが、かなり大きなことが分かるのが面白い。
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