甘くてまろやかでとってもおいしいイチゴジュース。子どもたちはみんな大好きだろう。そんなイチゴジュースだが、色はピンク色だ。はて、イチゴは真っ赤なのに、なぜジュースにするとピンク色になってしまうのだろう?
真っ赤なイチゴは絞っても真っ赤なはずだが…。ということで今回の雑学では、イチゴジュースのピンク色の秘密に迫ってみた。
イチゴジュースの色の正体はなんと…!!
【食べ物雑学】虫が原料の「コチニール色素」とは?
【雑学解説】いろんな食べ物や飲み物に使われている「コチニール色素」
イチゴジュースのピンク色の正体は、「コチニール色素」という染料や食品添加物として利用される色素なのだが、コチニール色素の原料はコチニールカイガラムシという虫である。
コチニールカイガラムシのメスの体を乾燥させて、水やエタノールにつけてエキスを抽出するのだ。つまり、わたしたちはイチゴジュースを飲むとき、虫の体から取れたエキスも一緒に摂取していることになる。
なんとも気持ちの悪い話だ。紹介しておいていえる立場ではないが、知らない方が幸せな話だったかもしれない。
ちなみにこのコチニール色素、ソーセージやかまぼこ、ダノンヨーグルトのストロベリー味などにも使われている。ピンクや赤の食べ物には、イチゴジュース以外にもけっこう使われているのだ。
ちなみに、コチニールカイガラムシはサボテンに寄生する虫で、古くはインカ帝国の時代から染料に使うために養殖されていたらしい。
そして、コチニールカイガラムシはオスとメスで形や役割がまったく違う。オスは蚊のような形をし羽を使って飛び回るが、食べ物は一切摂取できず交尾のために存在する。
メスは固い殻に覆われたダンゴムシのような形をし、一切移動はしないが、植物から栄養を取り入れ、子どもを育てていく。そして色を出してくれるのはメスだけなのだ。
ここまでオスとメスで全く違う生物も珍しいものだ…。
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【追加雑学】抹茶アイスの色の正体は「虫のふん」
意外な色の正体をもうひとつご紹介しよう。抹茶アイスは本物の抹茶さながら、鮮やかできれいな緑色をしているが、その原料はなんと蚕(カイコ)のふんなのだ!
こちらは虫本体ではなく虫の排泄物なので、さらに気持ち悪さが増すかもしれない。しかしふんだからといって侮ってはいけない。この蚕のふんは「蚕沙(さんさ)」という漢方薬としても利用されており、健康にいい成分がふんだんに含まれているのだ。
この抹茶色の原料は「銅葉緑素」と呼ばれ、抹茶アイスだけでなく、抹茶系のお菓子やガムにも使われている。
コチニール色素も銅葉緑素も原料が虫なのでマイナスなイメージがもたれがちだが、別の見方をすれば、自然由来の成分なので安全性が高いともいえる。ものは考えようだ。どうせならポジティブにとらえたほうがいい。
「コチニール色素」の雑学まとめ
いかがだっただろうか。イチゴジュースのピンクの原料は虫のエキスだという、おぞましい事実をご紹介した。コチニール色素はイチゴジュースに限らず、ピンク色の食べ物にはいろいろと使われている。
また抹茶アイスの緑色は、虫のふんが原料となっている。おぞましい事実2連発だ! 知らないほうがよかったことってあるよね…。