スポーツの試合で、対戦相手の実力があまりにも違いすぎてワンサイドゲーム(圧勝すること)になってしまうことはよくある。ひどいときは、片方が1ポイントも取れずに四苦八苦してしまう。
卓球ではこういったときに、相手に1点取らせてあげるという暗黙の了解があるようだ。なんと紳士的なスポーツなのだろうか。
今回の雑学では、卓球の暗黙のルールについて詳しく迫ってみよう。
【スポーツ雑学】卓球は相手に1点取らせてあげるのが暗黙のルール
【雑学解説】卓球の暗黙ルール!わざとミスして相手に1点取らせてあげる
卓球は1セット11点マッチ、3セット先取で勝利となる。あと1点でゲームセットとなる10点を取った時点で、まだ相手が1ポイントも取っていないときは、わざとミスして相手に1点取らせてあげるのだ。
これはもちろんルールには明文化されてはおらず、暗黙のものでしかない。しかし、このルールを知っている人にとっては、守って当然だという雰囲気が感じられる。
テレビで中継するような大きな大会でも、時折このルールは見受けられる。そしてわざとミスした瞬間、会場内に拍手が巻き起こる。まるで、行儀のいい子どもを褒め称えるかのごとく。
そもそもこのルール、「ラブゲーム(相手に1ポイントも与えずに奪ったゲーム)で勝ったら相手のメンツをつぶしてしまう」という理由で中国の選手が始めたらしいが、逆に、相手に対する冒とくとなっている恐れがある。
スポーツの世界は真剣勝負なのだから、どんなときでも全力を出して点を取りに行くべきではないか。むしろ完膚なきまで叩きのめした方が、相手に対する敬意を込めた行いだ、といえるのではないだろうか。
わざとミスされたほうからしたら「もう勝ちが決まっているからって、舐めやがって…」と逆に怒りを感じることだろう。どうしても相手に1点取らせたいのなら、初めから1-1で試合をスタートさせればいいのではないかと感じる。
しかし、このルールのおかげで、卓球の素人である私が、今をときめく15歳の新星、張本(はりもと)くんと卓球で対戦しても、間違いなく1点を取れることになる。負けて当然なのだから、負けたことよりも張本くんから1点取ったことのほうが私の記憶には残るだろう。
そう考えると、このルールも捨てたものではないと感じる。さらに、卓球のルールは他にもあるのだ。
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【追加雑学①】意外と知らない卓球のルール
卓球はただラケットでピンポン球を打ち合うスポーツだと思っている人は多いが、意外と知られていないルールがあるので紹介しよう。卓球を行うときにこうしたルールをさらっと実践すると、あの人は一味違うなと思われるだろう。
ルール①ラケットは自由
卓球のラケットといえば、赤と黒のラバーが印象的である。実はラケットの決まりはこの色合いだけで、ラケットの形や大きさには制限がないのだ。
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『とんねるずのスポーツ王は俺だ!』という番組の卓球対決で、木梨憲武が卓球台ほどの大きさがあるラケットをもちだすことがあるが、実際の試合であのようなラケットを使っても、ルール上は問題ないのだ。
ルール②勝手に汗を拭いてはいけない
卓球はかなり疲れるスポーツなので、試合中はとても汗をかく。しかし、試合中に勝手にタオルで汗を拭いてはいけないのである。選手が各々好きなように汗をぬぐってしまうと、スピーディな試合進行を妨げてしまうからだ。
汗を拭ってもいいのは、両者の得点の合計が6の倍数のときだけである。
【追加雑学②】必殺レシーブ「チキータ」とは?
必殺レシーブ「チキータ」をご存知だろうか? サーブに対して強烈な横回転をかけることで、バウンドしたときに、あらぬ方向にまがるレシーブのことなのだ。
チキータという名前の由来は、バウンドしたときにバナナのように曲がることから、「チキータ」というバナナの品種にちなんで名づけられた。
チキータの動画を上にあげてみた。たしかにバナナのようなすごい曲がり方をしている。これだと返すのがさぞ大変だろう。
雑学まとめ
今回の雑学では卓球の「相手に1点取らせる暗黙のルール」をご紹介してきたが、いかがだっただろうか。0点で終わってしまってはあまりに相手が不憫だから、と思いやって取り入れられたルールだそうだ。
しかし、実際にやられた相手は逆に腹が立ちそうである。また真剣勝負のスポーツの世界においてはあるまじきことのように感じる。このルールがあるべきかそうでないか賛否両論あるが、相手の立場を思いやる紳士の行いであることは間違いない。
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