豊かな香りとスッキリとした後味で世界中から愛されるお茶。日本人には欠かせない飲み物であり、その種類は非常に豊富だ。そんななかで、私たちに馴染み深いお茶といえば、緑茶・紅茶・烏龍茶だろう。
色も香りも味も違うこの3つだが、実は同じ葉っぱからできていることはご存じだろうか? 今回はこの雑学について詳しく解説していこう!
【食べ物雑学】緑茶・紅茶・烏龍茶の茶葉は同じもの
【雑学解説】お茶の違いは発酵の違い
まずはじめに、茶葉について説明していこう。茶葉を作るには、ツバキ科の「カメリアシネンシス」という木の葉っぱを使う。この「カメリアシネンシス」の葉っぱを摘んで、加工を行った後に発酵させて製造する。
この茶葉の発酵のさせ方によって、緑茶・紅茶・烏龍茶と、製造されるお茶が変わってくるのだ。なお、茶葉の場合は菌を使った発酵ではなく、葉っぱにもともと含まれている酸化酵素によって発酵される。
緑茶の作り方
緑茶は、最初に摘んだばかりの葉に熱を加えることで発酵が起こらないようにし、もみほぐし乾燥させることで製造される。そのため、「不発酵茶」と呼ばれる。
特徴として、なにより種類が豊富ということがある。日本各地にご当地の緑茶があり、その数はなんと60種類以上! なんという多さだろう。
私たちが普段飲む緑茶は、いわゆる「煎茶(せんちゃ)」と呼ばれる緑茶で、茶葉に日光をたくさん当てて育てられる。
一方、「玉露(ぎょくろ)」と呼ばれる高級茶は、逆に太陽の光を遮って育てられる。この差により、渋さや甘さに違いが出てくるのだ。
多種多様なお茶が存在するこの日本。国内で旅行にいったときには、ぜひご当地の緑茶をチェックしてみよう!
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紅茶の作り方
紅茶は、葉から水分を取り除く「萎凋(いちょう)」という作業を行い、もみほぐし、赤く色づくまで完全に発酵させてから、乾燥させて製造される。このような製造するため、「完全発酵茶」と呼ばれている。
実は、紅茶はお茶の中でも、世界で1番製造・消費されていることをご存じだろうか?
流石は世界中で飲まれているだけのことはある。ちなみに、生産量が1番多い国はインドというから驚きだ。インドには、インド式のミルクティーの「チャイ」などがあり、国民は紅茶をよく飲んでいるそうだ。
紅茶といえばイギリスのイメージが強いが、案外インドも負けていないようだ。
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烏龍茶の作り方
烏龍茶は、葉をしおれさせた後に紅茶と同じく茶葉を発酵させてもみほぐし、ある程度発酵させてから乾燥させることで製造される。完全に発酵させるわけではないため、「半発酵茶」と呼ばれている。味よりも香りが重要視されているお茶だ。
烏龍茶といえば茶色いというのが日本人の認識だが、台湾には緑色の烏龍茶があるのをご存じだろうか? 名前は「凍頂烏龍茶(とうちょううーろんちゃ)」という。
緑茶に似た色で、爽やかな味わいと、どこか甘みを感じるお茶だという。日本人の口にはきっとピッタリだろう。
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【追加雑学①】英語「ティー」は中国語の「茶(テー)」が由来
お茶は英語で「ティー」というのは知っているだろう。この「ティー」という言葉は、中国にある福建(ふっけん)の言葉の「茶(テー)」が由来となっているのだ。たしかに発音が似ている。
さらに、スリランカなどの南アジアの一部の国や、オランダなどのヨーロッパではお茶のことを「テ」と呼んでいる。ふーむ、どうやらお茶を呼ぶうえで、「テ」という言葉を使うのは必須のようだ。
【追加雑学②】玄米茶は緑茶と白米からできている
コンビニなどでも買うことが可能な知名度の高いお茶、玄米茶。名前からして、白米の一段階前である玄米を使って作ったと考える人が多いだろう。
しかし、玄米茶は玄米ではなく、蒸して乾燥させた白米を炒って、緑茶と合わせて作られているものだ。
もちろん玄米から作られたお茶もあるが、白米から作られた玄米茶には、原料に玄米と表記されていない。意外や意外、玄米茶は本当は白米緑茶だった!
【追加雑学③】 ちょっとだけ発酵させた「白茶」がある
烏龍茶よりも発酵を早く止めて作る、白茶(しろちゃ)というお茶がある。
白茶という名前だが、白い色をしたお茶というわけではない。「白毫(はくごう)」という茶葉に、白い産毛のようなものがあったことから、そう呼ばれるようになったのだ。
緑茶に比べて透明度が高い薄い色をしていて、後味に甘みを感じるのが特徴。
また、緑茶の3倍の抗酸化作用と、栄養も豊富であり、健康に気をつけたいときなどに飲んでみるといいだろう。受験シーズンなどにはもってこいではないだろうか?
お茶の雑学まとめ
今回の雑学で緑茶・紅茶・烏龍茶は同じ木の葉っぱから作られ、茶葉の発酵の違いによって、それぞれのお茶になるということが分かった。あれだけの見た目も香りも味もバラバラだというのに、発酵の違いだけでここまで差がでるとは。発酵の力、おそるべし…。
1つの茶葉でこんなにも楽しませてくれるお茶は、とても興味深いものである。だからこそ、今なお世界中で愛され、その土地特有の飲み方が存在しているのかもしれない。