最近、体がだるい・疲れやすいなどの症状に悩まされていないだろうか。
ロボットだけでなく、人間にも鉄は必要な栄養素である。とりわけ、鉄分は酸素を運ぶ役割があるなど、人にとって重要な役割を担っている。体調不良に心当たりがある方は、鉄分が不足しているかもしれない。
今回は、そんな鉄分についての雑学を紹介していくぞ!
【人体雑学】成人男性に必要な鉄分の量は釘1本ぶん
【雑学解説】鉄分の主な役割
鉄分には酸素を運ぶ役割と、酸素を受け取る役割がある。
鉄分の役割① 酸素を全身に運ぶ
私たち人間は呼吸によって酸素をとりこみ、血液を通じて全身に送っている。その酸素を運ぶ役割を担っているのがヘモグロビンで、鉄分はヘモグロビンの一部として活躍している。鉄分が酸素とくっつくことで、酸素を全身に運んでいるのだ。
ちなみに、ヘモグロビンは「ヘム」と呼ばれる鉄と、「グロビン」と呼ばれるタンパク質がくっついたものである。
鉄分の役割② 血液から酸素を受け取る
鉄分は、筋肉にあるミオグロビンの一部としても活躍しており、血液中のヘモグロビンが運んできた酸素を受け取る役割を担っている。
つまり、鉄分が運んできた酸素を鉄分で受け取るのだ。まさに体内の酸素業界を牛耳ってるのは、鉄分である。
【追加雑学①】鉄分には2種類ある
鉄分には、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類がある。
ヘム鉄はタンパク質とくっつく鉄分で、肉・魚類などの動物性タンパク質に多く含まれており、体内への吸収率は10〜20%程である。サプリメントなどでよく使用されている。
非ヘム鉄はミネラルとして存在する無機鉄で、野菜・海藻・貝類などの植物性タンパク質に多く含まれており、体内への吸収率は2〜5%程である。食べ物以外では、医薬品によく使用されている。
ちなみに、貝類は一般的に非ヘム鉄だが、赤貝だけはヘム鉄になる。
【追加雑学②】鉄分が不足すると疲れやすくなる
全身に酸素を運んでくれている鉄分が不足すると、鉄分欠乏症と呼ばれる貧血状態になり、様々な体調不良が起きる。
① だるさ・疲労感
② 動悸・息切れ
③ 頭痛・めまい・立ちくらみ
④ 顔色が悪い
鉄分が不足すると、筋肉中で酸素を受け取ってくれるミオグロビンも不足し、筋肉に酸素が届きにくくなる。そのため、体のだるさや疲労感が増加するのだ。また、筋肉が酸欠になることで持久力が低下するので、動悸や息切れが起こりやすくなる。
ちなみに、血液中の鉄分が不足すると、肝臓などで保管されている鉄から補われるので、すぐに貧血になるわけではない。
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【追加雑学③】鉄分の摂れる食べ物
鉄分の摂れる主な食べ物を、4つの系統にわけて解説するぞ!
肉系(ヘム鉄)
豚肉レバー・鶏肉レバー・牛肉レバー など
魚系(ヘム鉄)
アサリ・うるめいわし・かつお・まいわし など
野菜系(非ヘム鉄)
小松菜・ほうれん草・枝豆・切り干し大根 など
その他(非ヘム鉄)
干しひじき・そば(乾麺)・豆乳・青のり など
鉄分の摂取だけを考えるなら、ヘム鉄を含んでいる肉系や魚系がおすすめである。理由としては、ヘム鉄は体内への吸収率が非ヘム鉄よりも高いからだ。
とはいえ、偏った食事は別の栄養素が不足しかねない。野菜系やその他の食べ物からも鉄分を摂る必要がある。
【追加雑学④】効率的に鉄分を摂る方法
もちろん、釘をかじるわけではない。普通に食事をしていると、鉄分(特に非ヘム鉄)は体内への吸収率が低いので、食事においては工夫が必要だ。
ここで紹介するのは、吸収率を上げる方法と吸収を妨げるものを控える方法である。
1.ビタミンCを一緒に摂る
非ヘム鉄は吸収率が低いが、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率がアップする。
例えば、ほうれん草にレモン汁をかけて食べたり、食事のデザートにキウイを用意するなども良いだろう。
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2.食事中のタンニンの摂取を減らす
緑茶やコーヒーに含まれるタンニンは、体内への鉄分の吸収を妨げる効果がある。鉄とタンニンがくっつくとタンニン鉄となり腸で吸収されにくくなるので、食事中や食事直後はお茶やコーヒーを飲むのを控えよう。
ちなみに、鉄分は体内の鉄貯蔵率が少ない場合には吸収率が高くなり、体内に多い場合は吸収率が低くなる。
【追加雑学⑤】血液が赤いのは鉄サビの色
血液が赤いのは、肺でヘモグロビンと酸素がくっつき、酸化してできた鉄サビの色である。つまり、酸化鉄の赤色が血液の赤色なのだ。自分たちの体の中を錆びた鉄が流れているのかと思うと不思議な気持ちになる。
ちなみに、肉の色が赤いのはヘモグロビンの色ではなく、ミオグロビンの色である。
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雑学まとめ
今回は、鉄分についての雑学をご紹介した。鉄分の体内への吸収率の低さには驚いた。特に非ヘム鉄は工夫しないとなかなか吸収できない。摂りすぎも問題はあるのだが、ほとんどを吸収せずに流してしまっているのはもったいない…。
だからこそ、現代人の体調不良の原因の一つに鉄不足が考えられる。特に女性は男性よりも該当する人が多いだろう。釘1本ぶんの鉄分を体内でキープするためにも、食事に注意を払う必要があるかもしれない。
ただ幸いにして、鉄分の吸収を助けるビタミンCは様々な食べ物から摂ることができるので、少し意識すれば大丈夫だろう。