普段何気なく使っているファッションアイテムだが、全てのものには設計された経緯が存在する。たとえば、デニムパンツ。かつて労働者が着ていた服が洗練されて、現代においてみんな一着は持っているアイテムになっていたりするものだ。
それは日常的に使用しているバッグも同様だ。
様々な種類があり、仕事用・プライベート用・宿泊用など、使い分けている方も多いのではないだろうか。
今回の雑学ではそんなバッグの中でも、もともとはキャンプ用品として広まり、現代では日常使いのバッグとして定着したトートバッグに着目しようと思う。
【生活雑学】トートバッグの由来
【雑学解説】トートバッグの由来は?もともとキャンプ用品だった
トートバッグのもともとの用途は、キャンプなどにおける氷や水の運搬用。
トートバッグといえば、たいていキャンバス生地で作られた大きな口を持ち、角ばった形状で持ち手が二本着いたバッグというイメージがあるだろう。
しかしながら、1900年ごろまではキャンプで氷や水を運搬する際に使う手提げ袋として活用されていた。その頃には正式な名称はなかったそうだが、1900年以降にトートバッグという名称が定着していく。
現在ではトートバッグの製造で有名なブランドもあるほどに、ファッションアイテムとして定着しており、きれいめなファッションやマリンスタイルなどに合わせているコーディネートがファッション誌ではよくみられる。
しかしながら、もともとはアウトドア向けの商品として開発されていたのだ。
【追加雑学①】現代で広く認知されているトートバッグの大元
トートバッグを広く認知させたのは、アメリカの企業であるL.L.Beansだ。
1944年に発売した際には、ボートバッグ。現在販売しているものに関してはボート・アンド・トート・バッグが正しい名称となっている。
当時は現在ほど冷蔵技術が発達しておらず、キャンプなどの際には氷を運ぶ必要があったが、普通の生地では外気温が中に伝わってしまって氷が解けてしまう。そのため、厚手の生地を使う必要があり、デニムの倍ほどの厚みをもつ生地が採用されることとなった。
それが現在のトートバッグにも受け継がれており、当時の製法を受け継いでいることを売りにしているブランド(L.L.Beansを含む)では非常に厚手な生地を使用している傾向にある。
そうして、製造されたバッグはキャンプを好む人間に愛用され、トートバッグという愛称がひろまった。
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【追加雑学②】トートバッグのファッションアイテムとしての躍進
トートバッグという名称が広まるにつれ、女性の手提げ鞄として活用されるようになったが、これがブレイクのきっかけではない。トートバッグがブレイクしたのは、アメリカの大学生がその特性に惹かれて、通学カバンとして使用しだしたからだ。
もともと重たい氷を運搬しても問題がない強度を持つように作られているため、多数のテキストやノートを入れても型崩れせず気軽に使えるトートバッグを愛用する学生が増えた。そのブームは東海岸の若者たちにも広まり、普段使いできるバッグとして定着。
やがて日本にもアイビーアイテムとして定着し、現在ではブランドごとに特色を出す目的で、様々な素材で作られたトートバッグを購入することができるようになった。
【追加雑学③】近年の日本でのトートバッグ
最近ではファッション性を持たせるために小ぶりなトートバッグがよく見られるが、これは女性の手提げかばんとして定着し始めたころ(追加雑学②にて先述)の歴史を繰り返しているのではないだろうかと筆者は考える。
ファッションの世界では、流行は十年単位で繰り返すといわれているから、その影響だろう。
雑学まとめ
今回の雑学ではトートバッグの由来に関して述べた。
もともとは頑丈で容量がある氷や水を運搬するためのキャンプ用に作られ、その頑強さとテキストを気軽に放り込める容量から、アメリカの学生たちが通学カバンとして利用していくにつれて日常づかいできるバッグとして広まり、現代でもファッションアイテムとして利用されているトートバッグ。
多くのファッションアイテムには由来があり、もともとは非常に実用的なものが多かった。この雑学記事をきっかけに読者諸氏が興味を持ってくれたら幸いだ。
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