世界には200弱の国がある。場所も違えば、文化も違う。しかし、違うのはそれだけではない。そう、国の広さもそれぞれ全然違うのだ!
世界一広い国は簡単に思いつく。ロシアである。日本は、大きい方から数えて62番目。では、世界一狭い国は一体どこだろう?
ということで、今回は世界最小の国についての雑学をご紹介しよう。
【世界雑学】世界最小の国はバチカン市国
ところで、世界最小の国がどこか知ってる?それは「バチカン市国」なのよ!
【雑学解説】国際連盟が認めている国家の中で最小なのはバチカン市国
国といっても、様々な基準がある。調べてみると、どうやら独立した国家には、国民・国土・政府・外交能力の4つの要素が必要らしい。ここでは、世界的に広く国家として認められている国、つまり国際連盟(国連)が承認している国家に限定して調べてみた。
国連承認国の中で国土面積が最小の国は、バチカン市国だ! その面積はわずか0.44平方kmである。狭い…狭いが、一体どのくらい狭いのだろうか…?
どうやら、バチカン市国の面積は、東京都にある代々木公園(0.54平方km)とだいたい同じくらいらしい。広めの公園と同じくらいの大きさの国家。ただ歩くだけならば、半日もあれば国土全部を歩けてしまうだろう。
では、そんなバチカン市国はどんな国なのだろう?
簡単にいうと、キリスト教カトリックの総本山がある国だ。キリスト教の最高位聖職者・教皇(法王)のいる国ともいえる。イタリアの首都ローマの中にあるので、イタリア語が通じる(公用語はなんとラテン語!)。
世界最小の国とは言っても、ヘリポート・貨物鉄道・郵便局・電話局・放送局など、施設は意外と整っている。
さらにバチカン市国は国全体が世界遺産だ。今でも沢山の古いものが残っているので、雑学好きとしては見逃せないところが多い。
世界中からキリスト教徒が集まるサン・ピエトロ大聖堂や、世界的な巨匠の作品があるバチカン美術館などなど。さらには、ダン・ブラウンによる大ベストセラー『ダ・ヴィンチ・コード』など多くの作品の舞台となっているので、本当にネタが尽きない。
先ほど半日あれば全土を歩けそうといったが、実際に見物するとなると、1日あっても足りないに違いない…。
バチカン市国は国連承認国?国連加盟国?
ちなみに、バチカン市国は、厳密には国連に加盟していない。もちろん、国家としては承認されている。しかし、政治的な中立を保つため、国連の意思決定に関わらない(投票権を持たない)オブザーバー国家として、国連に参加しているのだ。
投票権を持つ国際連合加盟国の中で、最も面積が小さいのはモナコ公国で、その面積は2.02平方kmである。
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【追加雑学①】バチカン市国は、昔はもっと大きかった?
国全体が世界遺産になるほど、歴史のあるバチカン市国だが、現在のかたちになってからはそれほど時間が経っていない。1929年に教皇庁とイタリア政府の間で結ばれたラテラノ条約によって、今のような小さな国家として成立した。
しかし、キリスト教は1929年より昔からあるではないか。教皇のいる国というのは昔からあったのではないか?
調べてみると、かつては、バチカン市国の前身ともいえる教皇領があったことが分かった。この教皇領、つまりは教皇が直接所有し治める領土は、8世紀半ばに始まったらしい。世界的に信頼されているブリタニカ百科事典によると、もっとも拡大した16世紀前半には、北はパルマから南はカンパーニャまで、イタリア半島全体に広がっていたという。
小さな国は大きく、大きな国は小さくなるかもしれないと思うと、なかなか面白い。
【追加雑学②】バチカン市国よりも小さい「自称」国家がある?
今回は国連に認証された国家に注目したが、世界には国連どころか他の国家にほとんど認証されていない、自称国家(ミクロネーション)というものが存在する。その中にバチカン市国よりもはるかに小さい国があったので、ほんの少しだけ紹介したい。
その自称国家は、シーランド公国。その面積は、なんと0.00055平方km! 国土が海上要塞のみなので、本当に狭い。
残念ながら、どの国からも明確に国家として認められていないので、世界最小の国家とはここではいえない。しかし、万が一承認されれば、間違いなく世界で一番小さい国といえるだろう。
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雑学まとめ
今回は、世界最小の国についての雑学を紹介した。公園ほどの小さい国があるというのも驚きだが、その国家がキリスト教の中心というのもなかなか興味深い。
世界最小の国バチカン市国。その狭さとは裏腹に、多くの物語が隠れていそうである。