テレビで統計が出ていたが、スイカを食べるとき塩をふるのは年配の人に多いようだ。祖父たちと同居していた筆者も、実家では当然のように塩をふって食べている。日本の夏らしい風物詩といえるだろう。
ところが世界的に見ると、スイカに塩をふるのは日本だけの風習らしい。それどころか塩ではない、実にさまざまな調味料でスイカを食べていた。そう、スイカは国によってフルーツにも野菜にもなる、不思議な食べ物だったのだ…!
【食べ物雑学】スイカの食べ方は世界各国さまざまで超おもしろい!
【雑学解説】いろんな国のスイカ事情
まず、スイカの皮を酢漬けにする国はけっこう多い。イタリアンピクルスがその代表例だ。日本でもスイカの皮を漬物にする地域があり、東北出身の筆者にとっては、スイカの皮の漬物は「おばあちゃんの味」である。
人によっては、スイカの漬物と聞いただけで驚くかもしれないが、世界中を見渡すとこんなの序の口。
ギリシャでは、特産のフェタチーズを添えて食べるのが定番だ。羊の乳から作った真っ白なフェタチーズは、そのまま添える以外にミントや赤タマネギと和え、スイカのサラダを作ることもあるんだとか。
辛い物が大好きなチリでは、スイカなどのフルーツにトウガラシやチリソースをかけるそう。甘い果物のはずなのに、完全に野菜感覚である。
なかでも一風変わっているのが、アメリカで流行っている食べ方。なんと、皮に穴を空け、ラム酒やウォッカのビンを刺し、そのまま実に酒が回るのを待って食べるという…。スイカにビンごと突っ込んだ写真を見たときは、わが目を疑った。
ちなみに、筆者が試して一番気に入ったのはイタリアの食べ方で、レモン汁をふりかけるだけ、というもの。単純だがさわやかな味になってとっても美味である。酸味が好きな人は、ぜひレモンやライムで試してみてほしい。
【追加雑学①】どうしてスイカに塩をかけるの?
日本でスイカに塩をかけるのは、先にも書いたとおり年配の人が多い。水分とミネラルの豊富なスイカ、塩をかけると熱中症対策にぴったりだが、実は先人が塩をかけていたのにはもっと別の理由があった。
塩には「味の対比効果」と呼ばれる科学的な効果がある。少量の塩気を味わったあとで甘いものを口にすると、その対比で甘さを強く感じるというものだ。
今でこそ日本のフルーツはとても甘く品種改良されているが、昔はスイカが今ほど甘くなかったという。そのため昔の人はスイカを少しでも甘く味わおうと、少量の塩をふりかけて食べていたのだ。
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【追加雑学②】スイカの切り方にもお国柄が出る
突然だが、スイカを切り分けたときの形を想像してみてほしい。あなたが日本人なら、きっと大きく切ってそのままかぶりつくか、三角形に切り分けたものを思い浮かべたのではないだろうか。しかし、この切り方も、実は世界各国さまざまだという。
スイカが年中食べられる熱帯地域などでは、なんとスイカ専用カッターがあり、均等に切れるようになっている。とっても実用的だ!
また、スイカの外皮をすべて剥いてしまう方法もある。上下を切り落としたら外皮を上から下へどんどん剥いていき、あっという間にスイカを丸裸に! 皮をつけた状態を見慣れている我々からすると、皮をすべてむくというのは目からウロコである。
なかでも、アメリカ式の切り方は簡単で食べやすいと、世界中でブームの兆しがある。スイカを半分に切ったあと、タマネギのように縦横正方形に切り分けていく方法だ。こうすると、スティック状の長方形に切れたスイカが出来上がる。見慣れない形だが、たしかにとても食べやすそうだ。
アメリカ式が日本でも流行。とっても便利で食べやすいスイカの切り方動画
アメリカ式の切り方が分かりやすく見られるのがこちらの動画! 丸ごとのスイカを買ったら、ぜひ挑戦してみてほしい。
雑学まとめ
単純な筆者は、スイカといえばそのまま食べる以外になにも思いつかなかったのだが、ところ変わればスイカも料理。ジュースやデザートの素材に、サラダに、スープにと大活躍である。
私はさすがにチリソースやトウガラシをふって食べてみようとは思わないが、もしも試した方がいたら感想を聞かせてほしい。いろいろな食べ方や切り方を試して、自分好みのレシピを開発してみよう!