背中? 頭? の上から噴水のように潮を噴き上げるクジラ。そういえば、海の中でクジラに食べられた人が、潮と一緒に外に出てきたなんて場面を、アニメで見たことがあるぞ。アニメやイラストの影響もあり、ほとんどの人がクジラが潮を吹く姿をイメージできるだろう。
しかし、クジラの種類によって潮の吹き方が違うということはご存知だろうか。吹き上がる潮の形で、遠くからでもクジラの種類が見分けられるというのだ。しかも…クジラが吹いているのはじつは潮ではないらしい。
というわけで今回の雑学では、クジラの潮吹きについて調べてみたぞ!
【動物雑学】クジラの潮の吹き方はクジラの種類によって違う
【雑学解説】クジラの潮吹きの形で、種類が特定できる
まず、クジラは大きく分けて、「ハクジラ類」と「ヒゲクジラ類」の2種類に分類できるそうだ。この種類で、潮の出方が違うのだ。
ハクジラ類の特徴
歯が生えており、イカや大きめの魚を主食にしている。潮を1本吹き出す種類だ。じつは、イルカはハクジラの仲間で、大人になっても4m以下の小型ハクジラのグループをさす呼び名だそうだ。
ヒゲクジラ類の特徴
口にヒゲが生えており、歯はない。潮は2本吹き出す種類だ。小魚やプランクトンを海水ごと捕らえて、口にあるヒゲで海水をかきだしてから、エサを飲み込むのだそう。
このように、潮が1本なのか2本なのかで、どちらの種類のクジラなのか見分けがつくらしい。そして、潮を吹き出す方向や大きさなどで、クジラの種類も特定できるというからおどろきである。
離れた場所からでも、潮吹きの形でクジラの種類を特定することは、捕鯨や生態の研究におおいに役立つということだ。
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【追加雑学①】クジラは実は潮を吹いているのではない
クジラから吹き出ているのは、「潮」だと思っている人が多いのではないだろうか。もちろん私もそう思っていたのだが、じつは「潮」の正体は、クジラが吐く「息」なのだ。
クジラは私たち人間と同じ哺乳類。水の中では呼吸できない…。私たちが泳ぐときに顔をあげて息継ぎをするのと同じように、クジラは海面に出てきて息継ぎをしているわけだ。
クジラの鼻は頭の上の部分にあり、肺の中で温められた息が、冷たい外の空気中に一気に吐き出されるため、水しぶきのように見えるのだという。これが、クジラの潮吹きの正体なのだ。
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「クジラの潮吹き」を実際に動画で見てみよう
マッコウクジラの潮吹きを映した動画である。ホエールウォッチングの様子だ。
マッコウクジラは、ハクジラ類に属しているから、潮は1本。しかもちょっと特徴的で、息を吐き出す鼻が頭の先端にあり、大きく斜め前方? にぶわーっと1本潮をふくように見えるのだ。
こんなに近くで見ると、すごい迫力だ!
【追加雑学②】クジラは人間と同じ哺乳類!海中で授乳もするぞ!
卵からかえるのではなく、親のお腹から産まれ、乳で育つ哺乳類。クジラも哺乳類で、海の中で生活しているのだが、人間と同じように海中で出産し、授乳もするのだ。
しかし、陸上で生活する哺乳類のように乳房があるわけではなく、お腹の下のほうにある切れ目のような部分にある乳腺から、乳を出すらしい。それを子クジラが吸い込んで育つのだそう。
雑学まとめ
今回の雑学では、クジラが吹き出す潮について紹介した。潮の形でクジラの種類を特定しているとは…。どのクジラも同じように、潮を吹いているのだと思っていた。アニメで描かれる噴水のような潮のイメージが強かったのだろう。
たしかに、なんのために海面に潮を吹きだすのか、疑問に思ったことがあった。しかも、海水だと思っていたのだが…。なんと「息」だったとはおどろいた。
温かい息が、冷たい空気に触れることで、水しぶきのように見えるクジラの潮吹き。あたたかい地域よりも、気温が低い地域のほうが見えやすいらしい。私たちが寒い日に外で吐く息が白く見えるのと、どうやら同じ原理のようだ。
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