「城」と聞いて、思い浮かべるのはどんなものだろうか? 崩れた遺跡かもしれないし、よく保全され観光客に公開されている無人の城かもしれない。はたまたファンタジーの世界に出てくる想像上の建造物かもしれない。
城にも色々あるけれども、実は中にはいまだに人が住んでいる現役の城も世界には存在する。ということで、今回はそんな現役の城についての雑学だ。ロマンある豪華な建物、その古い歴史を垣間見ることができるかも?!
【世界雑学】世界最古であり最大級の居城は「ウィンザー城」
【雑学解説】現在も王族が住んでいる城で、世界最古かつ最大規模なのは、ウィンザー城
居城とは、王族や貴族などの領主が日頃住んでいる城のことである。つまり、居城が存在するには、そこに住む領主が必要なのだ。
しかし、近代化した現在、本来城の主人であった領主という身分そのものがない国が多くなってしまった。土地の所有者はいても、所有地を治める領主はいないことが多いのだ。
では、現在も居城は存在するのか? 答えは、イエス。
今も英国や北欧諸国には王族がいる。
ここで、本題である。居城の中で、世界で一番古いのはどの城か? 最大規模なのはどれか?
どちらの答えも、英国イングランド南部にあるウィンザー城なのだ! この城の管理をしているロイヤル・コレクション・トラストのページにも、世界最古・最大の居城であると誇らしげに説明されている。
ウィンザー城は11世紀に造られた!
ウィンザー城の建造は、さかのぼること11世紀に行われた。造ったのは、フランス北部から攻めてきたウィリアム1世だという。
1066年にイングランドを征服したものの、よそ者ウィリアムの周りは敵だらけ。拠点としたロンドンの西側を守るために、1070年ころから城を造り始め、城の完成まで16年かかったという。
その後も、ウィリアムの跡を継いだ君主たちが増改築を繰り返し、52609平方メートルにまで拡大した! これはおよそ東京の代々木公園と同じくらいの広さだ。この中に、居住空間だけでなく、大広間・ギャラリー・チャペルなど豪華な施設が詰まっているのだ。
このウィンザー城の様子を確認できる動画を発見した! 英国王室による公式動画なので、音声は英語のみだが、城の広さだけでなく、その豪華な様子が伝わってくる。
動画の途中に、火事の様子が流れるが、実は1992年にウィンザー城は火事で建物の2割ほどが焼けてしまったことがある。5年間かけて修復作業をし、現在では動画を確認してもその被害は分からない。
城に毎日、女王陛下がいらっしゃるわけではない
この城に住んだ英国国王・女王は、エリザベス2世で40人目だという。面白いことに、この城を建てたウィリアム1世は、ウィンザー城を要塞と位置づけ、住むことはなかった。
ちなみに、女王が住んでいるといったが、毎日というわけではない。地図を見ればわかるが、この城のあるウィンザーは政治・経済の中心であるロンドン中心部からは距離がある。車で移動すると1時間くらいかかるようで、公務をするのに少し不便なのだ。
そういうわけで、平日は国会のすぐそばにあるバッキンガム・パレスで過ごし、週末は都心の喧騒を逃れて少し離れたウィンザー城に移動するのである。女王がいるときは王室の旗、いないときはイギリス国旗が掲げられるので、人々はその旗の種類で女王がいるかいないかを知ることができるのだという。
女王のいないときは、一般人にも公開されているので、ぜひその古さと大きさを実際に感じてみたいものだ。
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【追加雑学】領主の住んでいない城で、最古かつ最大級なのは?
せっかくなので、昔は居城であったが、今は誰も住んでいない城についても、調べてみた。
世界で最も古く・大きいのは、チェコの首都プラハにあるプラハ城だ。
870年に創設された後、拡張され、10世紀ごろには現在と同じくらいの約70000平方メートルの大きさになっていたという。その城内には、宮殿だけでなく、教会・庭園・学校など様々な施設があり、さながらひとつの街のようだ。
これだけ広くて色々な建物があれば、1日や2日見ただけでは全体をつかめなさそうだ。これはきっと住んでみなくては、全部を見きれないに違いない。
とても幻想的でファンタジーの世界に入ったのではないかと思うほど素敵なお城が映っている。
雑学まとめ
今回は、今も王族に使われている居城についての雑学を紹介した。1000年近く昔に建てられた建物に国王や女王が住んでいることにも驚きだが、その広さもひとつの王族の住居と考えると目を見張るものがある。
もし城に住めるとしたら、読者のみなさんはより歴史の古い大きな城と、比較的新しい小さな城、どちらが良いか? そんなことを考えてみるのも面白いかもしれない。
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