食べ物の由来

原料なに…?ゆずこしょうには"こしょう"が使われていない。

ゆずこしょうには「こしょう」が使われていないという雑学

ピリッとした辛みと独特の風味がおいしい「ゆずこしょう」。本家のこしょうと比べると多少料理を選ぶが、お鍋など相性のいいものには本家以上の働きをしてくれる。

まあ料理を選ぶのは、こしょうの別バージョンなのだからしょうがない……って、ゆずこしょうには、こしょうが使われていないだと!? だったらどうしてゆず"こしょう"なんだ? 人気商品に乗っかる販売戦略とか…?

いやいやそんなに浅はかではないぞ。ゆずこしょうがこしょう呼ばわりされている理由には、大昔の人々の生活の知恵が隠されているのだ!

【食べ物雑学】ゆずこしょうには「こしょう」が使われていない

ゆずこしょうの原料は柚子の皮と唐辛子。こしょうを名乗っているのは古来、唐辛子が胡椒の代用品に使われていたから。

【雑学解説】ゆずこしょうの「こしょう」は唐辛子のこと

こしょうといえば、誰もが思い浮かべるのは香辛料に使われる植物の「胡椒」だ。しかしゆずこしょうは柚子の皮と唐辛子を塩で混ぜ合わせた調味料で、胡椒は一切使われていない。

ならなぜ、「こしょう」という名前が付いているのか? それは古来、唐辛子が胡椒の代用品として使われていたためだ。

胡椒は7世紀ごろにはすでに日本に伝わっていたが、熱帯性の植物ということで国内での生産ができず、長らく貴重品として扱われていた。そのため一般階級では同じような辛みのある香辛料として、唐辛子が利用されたのである。

つまり胡椒によく似た香辛料という意味で、唐辛子はこしょう呼ばわりされるようになったのだ。当時の人たちは胡椒を「洋胡椒」、唐辛子を「胡椒」と呼んでいたという。なるほど、それなら柚子と唐辛子を混ぜたものが「ゆずこしょう」となることにも納得である!

ちなみにゆずこしょうの発祥は大分県日田市や福岡県英彦山周辺地域など、九州の柚子の栽培が盛んな場所だといわれている。そのため今でも九州では、「こしょう」が唐辛子を表す方言として根付いているぞ。

何を隠そう、筆者も九州出身だ。祖父母の会話を聞いていると、たしかに洋胡椒と胡椒を使い分けていたのを覚えている。

【追加トリビア①】九州ではゆずこしょうとは呼ばない

実のところ、筆者は地元の九州で「ゆずこしょう」と呼ぶ人を見たことがない。九州では老若男女誰しも、「ゆず"ご"しょう」と呼ぶのである。そのため本州の友人がゆずこしょうと言っているのを聞いたときは違和感を覚えたものだ。

ただのなまりじゃん。といわれればそれまでだが、おそらくこれは胡椒を「ようごしょう」と呼ぶのと同じニュアンスで呼ばれていたからではないか。唐辛子が胡椒と呼ばれていた名残が九州の人の言葉の端々に残っているのは興味深い。

ちなみに九州の人にゆずこしょうと言っても、通じないわけではないのでご安心を!

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そして九州でゆずこしょうと相性バツグンの料理といえば水炊きである。以下に博多の名店「長野」の動画を紹介しておこう。野菜盛りだくさんでいいダシが出そうだ!

【追加トリビア②】赤いゆずこしょうもある

ゆずこしょうといえば青い柚子の皮に青唐辛子を使った、緑色のものがおなじみだが、また違った味わいの赤いゆずこしょうがあることをご存知だろうか。

赤ゆずこしょうは黄色い柚子の皮に赤唐辛子を使ったもので、緑のものより香りが強いのが特徴だ。スーパーで見かけることは少ないかもしれないが、Amazonなどの通販サイトでも手に入るので、ゆずの香りを楽しみたいという人はぜひ試してみてほしい。

ちなみに自作も意外と簡単なようなので、料理好きのこだわり派は自家製ゆずこしょうに挑戦するのも楽しそうだ! 以下に動画を紹介しておこう。

トリビアまとめ

ゆずこしょうには胡椒は使われておらず、その名前は古来、唐辛子が胡椒の代用品として使われていた名残からだった。

胡椒は万能な調味料ではあるが、独特の味と香りではゆずこしょうも負けていない。手に入るものから知恵を絞りだし、高価な調味料に匹敵するものを編み出した当時の人々に乾杯である。九州を訪れた際は、ぜひ本場の「ゆずごしょう」を味わっていただきたい!

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