スポーツを観ていて、「なぜこんなことをするのだろう?」と思うことはたくさんある。たとえば、サッカーの試合で入場時に子どもと手を繋いで入場したり、レスリングの試合でハンカチを持っていたり…。
そのなかでもいちばんの疑問は、野球の監督はなぜユニフォームを着ているのか? である。
他のスポーツでは、監督はスーツやジャージを着て指揮を執っているのに、なぜ野球だけユニフォームなのか? 自分がプレイするわけでもないのに…。
そこで今回の雑学では、野球の監督がユニフォームを着ている理由について解明していきたい。
【スポーツ雑学】野球の監督はなぜユニフォーム姿なのか?
【雑学解説】野球の監督がユニフォームを着るのはフィールドに入るから?
そもそも、野球規則には「選手は全員同じユニフォームを着ること」という規定はあるが、監督やコーチの服装に関するものは存在していない。
つまり、スーツやジャージを着ても何ら問題ないのである。それでは、なぜユニフォームを着用しているのだろうか? これに関しては、いくつかの理由が存在しているようだ。
選手が監督を兼ねることが多かったため
まず、野球はかつて専属の監督はおらず、選手が監督を兼ねることが多かった。その影響から、監督もユニフォームを着ることになったとする説がある。いわゆる「代打、オレ」ってやつだ。
日本でも野村克也や古田敦也などの選手兼監督が有名なだけに、これはかなり有力な理由だろう。
監督がフィールドに出入りするため
また、ほとんどのスポーツでは、監督やコーチがグラウンドやコートなどに入ることを禁じられているが、野球の監督は選手交代や投手へのアドバイスなどでフィールドに入ることもある。
そのため、選手と同じ舞台に立つから服装も同じにする…という慣習から、監督もユニフォームを着用するようになったようだ。
もはや当たり前の光景として見ていた監督のユニフォーム姿だが、歴史的な背景や実務的な理由など、いろんな要素が絡んでいたのには少し驚きである。
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【追加雑学】メジャーリーグにはスーツ姿で指揮をとる監督がいた
ここまでは、野球の監督がユニフォームである理由を考察してきたが、逆にユニフォーム以外の服装で指揮を執った監督はいないのか? という疑問をもつ方もいるだろう。
実はメジャーリーグにおいて、スーツ姿で指揮を執った監督がいるのである。しかも、50年もの長きに渡ってだ!
その人物の名は、コニー・マック。
1894年から3年間、ピッツバーグ・パイレーツで選手兼監督を務めたのち、1901年に創設したばかりのフィラデルフィア・アスレチックス(現・オークランド・アスレチックス)の監督に就任する。
その後、1950年までの50年間スーツ姿で指揮を執りつづけ、9回のアメリカンリーグ制覇と5回のワールドシリーズ制覇を達成している名監督なのだ!
もちろん、当時もユニフォーム姿の監督ばかりであったが、コニー・マックはとても細身であり、ユニフォームが似合わないと考えたためスーツで指揮を執ることにしたらしい。
ちなみに、コニー・マックは1934年(昭和9年)には日米野球でアメリカ側の監督として来日しており、ベーブ・ルースやルー・ゲーリッグなどの名選手を率いて日本との試合に臨んでいる。
こちらが、その際のコニー・マックの姿だ。
なお、メジャーリーグでは、コニー・マック以外にスーツ姿で指揮を執った監督はいないとのこと。
細身で長身の老紳士といった風貌のコニー・マックのスーツ姿を見たら、他の監督はスーツ姿での采配に二の足を踏むのも仕方ないことかもしれない。
雑学まとめ
今回の雑学でご紹介したとおり、野球の監督がユニフォーム姿なのには、意外と納得の理由があった。
たしかに、スーツ姿でノックする監督やコーチは違和感しかないし、もはや監督のユニフォーム姿は野球文化といってもいいだろう。
とはいえ、たまにはビシッとしたスーツ姿で采配を振るう監督が出てきてもいいのではないだろうか? きっと話題になり、野球人気を盛り上げること間違いなしだと思うのだが…。