1日のほとんどを寝て過ごすというナマケモノ。とにかく動きたくない…。エサを探すのもめんどくさい…。そんなどうしようもないヤツだと思っていたのだが…。
実はナマケモノは、動きたくないから動かないのではなく、エネルギーを使いたくないから動かない。動かないから食事もわずかですむ…といった具合に、まさに省エネ生活をしている動物なのだ。
しかし、この省エネ生活がいきすぎてしまい、お腹いっぱいでも餓死することがあるという。
意味不明…。
いったいどういうことなのだろうか。というわけで、今回の雑学記事ではナマケモノのおどろきの生活を紹介しよう。
【面白い雑学】ナマケモノは、お腹いっぱいでも餓死することがある
【雑学解説】ナマケモノは、体の動きだけでなく内臓の働きもスローすぎて死んでしまうことがある
ナマケモノは私たちと同じ哺乳類なのだが、大きく違うのは、変温動物だということだ。ほとんどの哺乳類は恒温動物で、どんな気温でも一定の体温を保つ生き物である。
恒温動物は、たとえば暑いときは汗をかいて体温を下げ、寒いときはぶるっと震えて体温を上げる。これらの行動には、かならずエネルギーが必要である。
エネルギーを使えば、その分食べてエネルギーを蓄える必要があり、食べ物を得るために、動き回り、狩りをするのだ。
一方、変温動物は、まわりの気温に応じて体温が変化する生き物である。自分の体温を維持するためのエネルギーは必要ない。動かなければエネルギーを使うこともなく、またエネルギーをためておく必要もないため、ナマケモノは非常に小食だ。
どれほど少食かというと…1日8グラムの葉っぱを食べれば十分らしい。8グラムって、いったいどれぐらいの量なのかピンとこないが、たとえば斜めにスライスしたきゅうりの1枚が4グラムであるから、2枚で8グラム…。
これだけの量で、ナマケモノはじゅうぶん生きていけるそうだ。
食べたものを消化するのに1か月かかる
わたしたち人間は、内臓のはたらきによって食べ物を消化し、栄養分を吸収する。しかしナマケモノの場合は、胃の中にいる微生物が食べた物を分解して、栄養分を吸収するのだ。しかも、消化するのにおよそ1ヶ月かかるという。
ナマケモノは、消化活動にすらエネルギーを使わず、栄養の吸収も「他人まかせ」なのだ。
ナマケモノはなぜお腹いっぱいでも餓死するの?
ナマケモノは、内臓の微生物の消化活動がスローすぎて、生きていくために必要な最低限の栄養すら吸収できないときがあるのだ。
微生物の動きが弱っているときなど、お腹にいっぱい食べ物が入っていても、消化が間に合わず栄養分に分解されない…。
栄養を吸収できなければ、生きることはできないため、ナマケモノはお腹いっぱいでも餓死してしまうのである。
【追加雑学①】ナマケモノは雨の日が続くと、餓死する確率が高くなる
変温動物であるナマケモノは、だいたい24度から33度のあいだで体温が変化しているそうだ。
しかし、雨の日が続き、体が濡れた状態で気温も低い日が続くと、ナマケモノの内臓にいる微生物の動きが鈍くなるのだ。こうなってしまうと、消化ができず栄養を吸収できない。
栄養の吸収は微生物しだいであるナマケモノは、雨の日が続くと餓死する確率が高くなってしまうのである。
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【追加雑学②】ナマケモノは、動きすぎても死ぬ
ナマケモノは、とにかくエネルギーを使わない生活をしている。
しかし、もし動きすぎて体温が上がってしまった場合…自分で体温を調整することができないナマケモノは、自分の許容範囲の体温をこえると、発熱をおさえることができず、死んでしまうそうだ。
ナマケモノの不思議な生き方
ナマケモノの生き方を詳しく説明している動画だ! とても分かりやすいのでぜひみて欲しい。
ナマケモノがナマケているのは、ジャングルで生き延びるために理にかなった方法だというわけだ。
雑学まとめ
今回は、消化にすらエネルギーを使わない、ナマケモノのおどろきの省エネ生活についての雑学を紹介した。
エサも最小限におさえ、とにかく動かない…。こうして生きのびてきたナマケモノは、「怠け者」というよりも、究極にエコな動物というべきなのかもしれない。
しかし、お腹いっぱいなのに、栄養を吸収できていないことにナマケモノは気づいているのだろうか…と、ふと不思議に思ったが、消化までも他人まかせな生き方をしているナマケモノに、その疑問は無意味だなと思った…。
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