みなさんは海外の国歌をどれだけ知っているだろうか。サッカーのワールドカップなど、スポーツ中継を見ているとまれに耳にすることはあるが、記憶に残っていない人も多いだろう。筆者もその一人である。
そもそも、筆者は日本語しかわからないので、海外の国歌を聴いてもちんぷんかんぷんだ。そのため、関心をもてといわれてもなかなか難しい。
そんな海外の国歌について面白い雑学を聞いた。それは大国アメリカの国歌はもともとイギリスの「歌」だったというのである。てっきり、イギリスの国歌を流用でもしたのかと思ったが、どうやらそうではないらしい。
【世界雑学】アメリカ国歌はもともとイギリスの歌
【雑学解説】アメリカ国歌のメロディはもともと社交クラブの公式ソング
まず、以下の動画でアメリカ国歌である「星条旗」を聴いてもらいたい。
アメリカらしい雄大な印象を受けるメロディだ。だが、この国歌の歌詞こそアメリカ人が考えたものの、メロディはもともとイギリスの社交クラブで生まれたものだという。いわば民間の歌謡曲のような存在だったのだ。
一体なぜそんな曲がアメリカ国歌になったのか?
アメリカ国歌に使われているメロディは本来「天国のアナクレオンへ」という楽曲のもの。この曲はロンドンでコンサートなどを主催していた社交クラブの公式ソングとして誕生した。
そのため、メロディは一緒でも元の歌詞はぜんぜん違うのである。本来の歌詞は酔っ払いをモチーフとしたもの。大衆でも馴染みやすい内容だったため、ロンドンに留まらずアメリカなどでも流行した。
フランシス・スコット・キーの詩が歌詞になったアメリカ国歌
アメリカ国歌の歌詞は、フランシス・スコット・キーというアメリカの弁護士が、1812年の「米英戦争」での経験をもとに書いた詩がもとだ。
戦争中、彼はアメリカのボルチモア港という場所でイギリスの船に拘束されてしまう。長い砲撃戦あと、船からアメリカの国旗「星条旗」を目撃したその経験や心情を詩として書き記した。
イギリスの船から解放された後、彼がその詩を周囲に披露したところ、流行っていた「天国のアナクレオンへ」のメロディで歌われることになり、次第に広まったのである。つまり、いわゆる「替え歌」が定着していったのだ。
それから100年以上経過した1931年に「星条旗」というタイトルで、アメリカ国歌として採用された。なぜ、そこまで出世したのかの経緯はわからなかったが、アメリカらしい出来事といえるだろう。
以上がアメリカ国歌が誕生した経緯である。国歌というと由緒あるお堅いイメージがあるが、まさか社交クラブのような民間の場で生まれたものが、国歌となっていたとは驚きである。
もしかしたら、他の国でもこういったユニークな経緯で生まれた国歌があるのかもしれない。機会があれば調べてみたい。
スポンサーリンク
【追加雑学】イギリス(イングランド)国歌は複数ある
さて、アメリカ国歌はもともとイギリスの歌であることを紹介したが、ではイギリスの国歌はどんなものなのだろうか。調べてみると、なんとイギリス国歌は複数あることが判明した。正確にはイギリスというより、イングランドの話である。
イングランドでは正式に国歌として定めている楽曲はないが、国歌として認知されているものが複数あるそうだ。
代表的な曲は「女王陛下万歳」である。どんな曲かは以下の動画で聴いてもらいたい。
イギリス王室といえば世界的にも有名だが、時代によって女王ではなく男性の王様だった場合、この曲は「国王陛下万歳」というタイトルに変わるそうだ。歌詞も変更されるとのこと。なんとも面白い話だ。
他にも「希望と栄光の国」・「エルサレム」といった曲が国歌として扱われることがある。また、スポーツの国際大会などでは、男女によって「女王陛下万歳」と「希望と栄光の国」を使いわけることがあるらしい。
ちなみにイングランドと同じくイギリスを構成する国のひとつ、スコットランドでは「スコットランドの花」という曲が非公式国歌として知られている。
機会があれば色々と聴き比べてみてほしい。
雑学まとめ
今回はアメリカとイギリスの国歌についての雑学をお届けした。
普段はあまり関心を向けることのない海外の国歌だが、調べてみると面白い話がいくつもあるものだ。オリンピックやサッカーワールドカップの中継を見る際は、あらためて聴いてみたいと思う。
みなさんも国歌をはじめ各国の違いや特色に色々と目を向けてみてほしい。
おすすめ記事
-
世界一の長さ。ギリシャ国歌が長すぎる…!【動画あり】
続きを見る