お寿司はマグロに始まりマグロで終わるといってもいいほど、マグロほど庶民に愛されている魚はいない。
外洋を高速で泳ぎ回るマグロを見ると、寝ている姿を想像できないかもしれない。マグロは寝るのか? 寝ないのか? 実ははっきりとはわかっていないのだが、知られざるマグロたち回遊魚の睡眠を知れば、その進化の凄さがわかるはずだ! 今回はそんな、回遊魚たちの睡眠についての雑学を見ていこう!
【動物雑学】マグロなどの回遊魚は眠らない?
【雑学解説】マグロは止まると呼吸ができないため動き続けている
金魚や鯉が口をパクパクしているのを見たことがあると思う。
魚が口を動かしているのはエサを欲しがっているのではなく、口から水を取り入れてエラを動かし、水に溶け込んでいる酸素をエラでこし取るための行動だ。
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しかし、マグロなどの回遊魚はエラを自分で動かすことができないため、口を開けながら泳いで、強制的にエラに水を送り込んで酸素をゲットしているのだ。そのため、泳ぐことを止めるとエラに酸素がいかなくなり、しまいには窒息死してしまう。
ではマグロは寝るか? 寝ないか?
この答えは、人間の睡眠に当てはめると、「マグロは寝ない」ということになる。
しかし、最も有力な説は、完全には寝ないが、夜になると動きを遅くすることで代謝を下げ、エネルギー消費を抑えているというもの。このとき、最低限必要な機能以外は寝ているという説と、消費エネルギーを減らしているだけという説の両方がある。
どちらの説が正しいかはわかっていないが、マグロは呼吸のために泳ぎ続けているということだ。
【追加雑学①】イルカは脳の半分寝る
イルカは私たち人間と同じ哺乳類なので、エラ呼吸ではなく肺呼吸。肺で空気を吸わなければ呼吸をすることができない。そのため定期的に水面に出て、頭の上にある鼻腔で呼吸をしている。完全に寝てしまうと水の中で窒息してしまう。
水族館で、片方の目をつぶっているイルカを見たことがないだろうか? 実はそのイルカは睡眠中なのだ。イルカやクジラは脳全体が寝るのではなく、脳が半分ずつ寝るという半球睡眠をしている。
脳の半分の機能で、呼吸などの生命維持活動と周囲の警戒を行い、緊急時には完全に起きて行動ができるようにしているのである。常に飛び続けている渡り鳥も、同じ半球睡眠で睡眠をとっている。
ただ、飼育されているイルカは外敵から身を守る必要がなくなるため、爆睡してしまう場合もある。水族館では以下の動画のように、爆睡しているイルカを見られるかもしれないぞ。
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【追加雑学②】マグロの刺身が赤いのは?
筋肉には、速筋と遅筋の2種類がある。速筋は瞬発力に優れているが、持久力がなく、糖質をエネルギーにしている。一方、遅筋は収縮速度が遅いので、力は弱いがスタミナがあり、酸素と脂質をエネルギーにしている。
マグロはずっと泳ぎ続けているため遅筋が発達しており、多くの酸素を取り込めるようにヘモグロビンが多い。そのヘモグロビンの色が赤いため、マグロは赤身となっている。
一方ヒラメやカレイは白身魚だが、基本的に砂地でじーっとしていて、エサが通りかかったときに瞬時に捕食する行動をとるため速筋が多い。普段はあまり動かないため筋肉には多くの酸素を必要とせず、ヘモグロビンの量が少ないことから白身になっているのだ。
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【追加雑学③】「魚」に「有」でマグロと読む理由
魚の名前を漢字で書くときには、魚へんにその魚に由来のある漢字をつけて表すのが普通だ。例えば、魚に堅でカツオと読むが、これはカツオブシが堅いことからわかるし、魚に春でサワラと読むが、サワラは春が旬の魚だ。
では、なぜ魚へんに「有」でマグロになるのだろうか? 「有」という漢字に何か意味が隠されているに違いない!
国語辞典で「有」を調べると、「存在すること」「所有すること」…どうもマグロのイメージには合わないぞ。さらにもう一つの意味では、「広い範囲を囲む」…うん! これだ!
ぐるぐると回る魚=回遊魚ということで、「The・回遊魚=マグロ」ということだろう。
雑学まとめ
回遊魚についての雑学、いかがだっただろうか。身近な魚でありながら、睡眠については完全に解明されていないマグロ。人間であれば、半分寝て半分起きているなんて考えられない。つらすぎる。いつも睡眠不足だ。しかもずっと泳ぎっぱなし。
こんなに頑張っているマグロ、残さず食べなければバチが当たるぞ!
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