「名は体を表す(なはたいをあらわす)」という言葉があるとおり、名前は「そのものの実体をよく表すもの」であることが多い。さて、みなさんは「ババア」という名前を聞いたことがあるだろうか? 「え、悪口?」なんて声も聞こえてきそうだが、これは実在する魚の「名前」なのである。
世間的には「反抗期の息子が自分の母に向けて言ってしまい、大人になってから言ったことを後悔するような言葉」ではあるが…。この名前をつけられた魚とは、どんな生き物なのだろう。名前の通りの姿をしているのだろうか?
今回の雑学では、「ババア」について解説していこう!
【面白い雑学】ババアという名前の魚がいる
【雑学解説】魚の「ババア」の名前の由来は?なんでババアなの?
魚の名前がその土地によって変わることはよくあることだが、ババアはなぜこんな悪口みたいな呼び名になってしまったのだろう。
この疑問は、ババアこと「タナカゲンゲ」の姿をよく観察することで解決する。それではさっそくご覧いただこう。
…こちらがその、「ババア」である!
正面から見た顔がどことなく人間に似た顔つきで「おばあちゃん」ぽい、と筆者は感じた。…そう。正面から見たこの「おばあちゃんぽい」姿こそが、ババアと呼ばれるようになった理由そのものなのだ!
しかし、いくらなんでもこれじゃひどいと、「ババちゃん」なんていうちょっと表現をやわらかくした呼び名もあるのだ。あれ? こっちのほうがちょっとカワイイ…?
ちなみに、「ババア」がいるなら、もしかして「ジジイ」がいるのではないかと調べてみたところ(安直である)…なんと! ジジイはいなかったが「オジサン」という魚が存在するというではないか! むむむ…気になる…!
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追加雑学①魚のババアの暮らし。どんなところに住んでるの?
ババアこと「タナカゲンゲ」は、主にサハリンや朝鮮半島などの寒い海域に生息している。日本では北は北海道のオホーツク海から、南は山口県の日本海沿岸まで広く分布しており、水深約100~900メートル、「深海」と呼ばれる場所で暮らしている。
体長は約1メートルほどもある大型の魚で、深い海に住んでいるためか獲れる量も多くない。それによりあまり全国的には出回ることがない、珍しい魚なのだ。
口を閉じていれば優しいおばあちゃんにも見える「ババア」だが、実はどう猛な性格をしており、その鋭い歯と大きく開く口を使い、イカやタコ、甲殻類を食べて生きている。ババアは意外と強い。
追加雑学②魚のババアって食べれるの?
ババアはそれほど量が獲れない魚であるが、実は日本海沿岸の地域などではわりと食べられている。
気になるその味は「タラ」に似ていてクセがなく、から揚げやフライなどの揚げ物にするととても美味しいとのこと。コラーゲンがたっぷりで、鍋や味噌汁に入れても出汁が出て美味だという。
うらやましいことに、鳥取県や島根県などではババアの名前でスーパーで購入できる。パックに表記される名前ももちろん「ババア」。馴染みのない地域に住む人には、想像するとちょっと「フフッ」となるが、日本海周辺の地域ではけっこう馴染みのある魚なのだ。
「ババアという魚」の雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。なかなか攻めた呼び名の「ババア」は、名前のとおりの不思議な、かつ親しみの湧く見ためであった。実は美味しいのだと知ったからには、ぜひ死ぬまでに一度食べてみたい。
みなさんも日本海地域への旅行などの際には、ぜひ「ババア料理」に挑戦してみてはいかがだろうか。うーん。から揚げかなあ、煮付けもいいな…!