もしも自分とまったく同じ姿の人間がいたら…。なんて妄想を皆さんはしたことがないだろうか。世の中には自分とそっくりな人が何人かいるという話もあるが、そうではなく自分とまったく同じ存在である。今回のテーマはそう「クローン人間」だ。
クローンという言葉は皆さんもなんとなくニュアンスをつかんでいることと思う。その意味は遺伝子情報がまったく同じ別の生物といえばいいだろうか。
そのSFチックなテーマは映画「ルパン三世 ルパンVS複製人間」だったり、新世紀エヴァンゲリオンの綾波レイだったり、有名なアニメ作品でも使われている。
そんな空想上でしか存在しないとされるクローン人間だが、驚くべきことにそもそも作ってはいけないとすでに法律で定められているそうだ。うーむ、ちょっと眉唾な情報のような気もするが…。
禁止されているということは、人類はもうクローン人間を作れる技術があるのかな? 今回はこの雑学について詳しく調べたので、ぜひ読んでほしい。
【ルール雑学】クローン人間は作ってはいけないと法律で決まっている
【雑学解説】クローン人間を作ると罪に問われる
調査の結果、クローン人間を作ることを禁じた法律はたしかに存在した。しかも、日本とは違う文化をもった海外の話ではなく、まぎれもなく日本国内の法律だ。それを詳しく紹介しよう。
クローン人間を作ることを禁じた法律は2000年に公布された「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」、通称「ヒトクローン技術規制法」だ。この法律を詳しく見てみると以下のようにある。
「第三条 何人も、人クローン胚、ヒト動物交雑胚、ヒト性融合胚又はヒト性集合胚を人又は動物の胎内に移植してはならない」
難しい単語が並んでいるが、簡単にいうと「どんな人であれクローン人間を作ってはいけません」のような感じだ。しかも、もう少しこの法律を読み進めてみると、
「第十六条 第三条の規定に違反した者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」
と書いてある。つまり、第三条で定めているクローン人間の作製禁止に違反したら、捕まったり高額な罰金を支払ったりを余儀なくされるということだ。
罪にまで問われるとは、クローン人間の存在というのはやはり社会的な影響がかなり大きいということだろう。たしかに急に自分と同じ姿形をした人間が登場されても、どう受け止めていいかわからない…。
さて、禁止されているくらいなのだから人類はもうクローン人間を作れるかというと、公にはまだ無理という情報のほうが多かった。
だが2018年に中国の研究チームが、人類と同じ霊長類である「サル」のクローン作製に成功したと発表している。このことから、もしかすると作ろうと思えばすでに作れる…あるいはもうすでに世界のどこかにクローン人間は存在しているのかもしれない…。
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【追加雑学】世界で作られているクローン動物とは
ここまではクローン人間は作ってはいけないという話をしてきたが、クローンという同じ遺伝子をもった別の個体という概念は身近でよく使われている。たとえば野菜や植物などの農業には、クローン技術が応用されて大量生産に役立っているそうだ。
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では、それが動物になるとどうなのか。人間では前述したように禁止されているが、それ以外の動物では普通に存在している。なんと世界で初めて作られたクローン生物は、「ウニ」だそうだ。それも1891年とずいぶん昔に誕生していたのである。
ちなみに哺乳類では1996年に作られたヒツジが世界初。それ以後は身近な動物である「ネコ」や「ブタ」といった、さまざまな動物のクローン作製の成功が世界中で発表されている。
うーむ、筆者はその分野の専門家ではないので詳しくはわからないが、こういった技術が人類のなにかには役立っているのだろう。
ただ、生物を人工的に複製する「クローン」技術の進歩に感動するべきなのか、いわゆる「神の領域」に手を出しているのか、調べているうちになんだか頭痛がしてきた。これ以上は読者の皆さんが各自で調査してみてほしい。
雑学まとめ
今回の雑学ではクローンにまつわるあれこれを紹介した。日本ではクローン人間の作製は禁止されているが、この先、別の国で映画のルパンのように過去の偉人が復活したり、自分のクローンを複製したりする時代が来るかもしれない。
ちなみに筆者はよく友人に「○○であなたを見た」という報告を受けるのだが、毎回その時間、その場所にはいないのである。もしかしたら知らないうちに筆者のクローン人間が作られているのかも…。